2020年6月16日火曜日

デッド・シティ2055



人間の欲望を満たすべく、レプリカントというAI搭載の人造人間を相手にならば、性暴力・虐待、殺人もOKだというリゾート都市Viceを作り上げた企業経営者。(ブルース・ウィリス)
 ところが一度非人道的行為にのめりこんだユーザーは、現実世界でも破壊行為を行いだすようになった。が、企業は富裕層を対象に巨額の利益を得て、警察までも買収してやりたい放題になる。

 レプリカントというと真っ先に思いつくのがブレードランナーだが、それはおいておいて、AI搭載で死ぬと記憶をリセットされて、蘇生措置を行えば何度も蘇るというのがこの話のレプリカントであった。

 もちろん、AIに人権などはない。が、自我に目覚めてしまうとなると、矛盾が生じてくる可能性が高い。
 また、「ピラミッドを見て、ファラオを見る人は、いない。」現象を見て、その背後にいる黒幕や扇動者には気づかないのだ、というようなことを企業主(ブルース・W)が言っていた。大衆をバカにしきっている。
 今の世の中や、今後の世の中に起きるかもしれない問題の縮図のような話である。

 記憶をうまくリセットできなくなったレプリカントのケリーが、混乱しつつもシティを抜け出しさまよう。造り主の科学者が、亡くなった奥さんに似せてケリーを造り、その後ケリーをかくまうが、彼はシティの追跡者の銃弾に倒れ、命を落とすというやや切ないシーンもあった。
 が、その後、シティに疑念を抱き続けてきた刑事と協力し合い、シティをつぶし、自由の身になる。

 レプリカントなので、人間と同じサイクルで体に変化があるのか、メンテナンスやらが必要になるのかは説明にないので、その後の彼らがどのように生きていけるかはよくわからない。