2017年3月30日木曜日

パッセンジャー

アン・ハサウェイ主演の「パッセンジャーズ」(2008年アメリカ)とは別作品で、今春公開の映画を観てきました。



 一言で言うとこれは、形を変えたユートピア物語だという感じがする。途中いろいろあったが、愛情と安らぎに満ちた??人生の物語である。
 隕石との衝突が原因らしく起こった宇宙船の重大なダメージ。おそらく宇宙船のコンピューターが自己判断で選んだ?とも思えるが、長期コールドスリープから起こされてしまった5000人いる乗客の中の技術者と、後から起こされた甲板長(マトリックスのモーフィアス役だったローレンス・フィッシュバーンが演じている)。

 話し相手が、設置型のアンドロイドのバーテンダーしかいないが、入植地にたどり着くまでの残り90年を、一人宇宙船の中で過ごさねばいけない恐怖。
 主人公がある美しい女性(ジェニファー・ローレンス)をスリープから起こしてしまい、入植地到着前に船内で一生を過ごす運命を共にさせてしまう。
 「溺れる者はわらをもつかむ。つかまないと本当に溺れ死んでしまう」というのは甲板長の言葉だった。主人公の行動に100%賛同はできないが、その言葉にとても納得がいってしまう。

 宇宙空間を余興で漂ってみるシーン、船内プールからガラス越しに宇宙空間が見れるというぜいたくさ、無重力になってプールの大量の水が巨大な水玉になっておぼれかけるシーン、見どころはいろいろある。

 爆発しそうになった宇宙船の修理は、コールドスリープから起こされた三人の、誰が欠けても成し遂げられなかった。
 何も知らずに90年後に起きた人々に、満ち足りた人生を送ったと思われる?女性の書置きが残された。

2017年3月17日金曜日

「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」を観てきました

特殊能力を持つ子供たち。1943年9月3日という閉鎖時間の中を永遠にループして生き続けていた。

 他作品でいうところの、ハリー・ポッターの魔法学校、X-MENのミュータント学園といったところだろうか。タイムループという守られた空間、特殊能力を持つ子供だけが入れる空間に主人公の男の子が入り、さまざまな事柄に巻き込まれていく。

 施設が爆撃される直前で時間をとめて逆回しして、また1日の始まりから時間をやり直し。だが、リセットされるのは時間だけで、記憶はどうやらそのままらしい。

 時間のループを題材にした話は他にもいろいろあると思うが、古くは子供時代に見たアニメ「うる星やつら映画版・ビューティフルドリーマー」というものを思い出す。
 そこでは学園祭前日の一日がぐるぐると繰り返されるのだが、記憶もリセットされてしまうため、誰も気づかない。だがある教員が、おかしいと気づいて発狂しそうになることが発端になっていく、というストーリー。

 そういった中、奇妙な子供たちの能力が不思議感をさらにかもしだす。悪の能力者バロン、人間に戻るために子供たちの目玉をとって食おうとする恐ろしいホローたちと戦っていくところがメインストーリーだが、建物や背景の美しさも見どころである。

 
恐怖のホロー。目玉を食われた犠牲者たちの顔がホラー感を増す。ハリポタシリーズの「ディメンター」のような不気味さ。
不思議な施設の管理人にふさわしい、ペレグリンの美しい神秘的な笑み。
埴輪様の覆面をかぶりっぱなしな二人。石化能力があるのなら、もっと前面に出して戦えばよかったのに?!