2021年1月31日日曜日

エリジウム(2013年アメリカ)

 


二極化、社会の分断、が叫ばれている現代、宇宙移民やメカと人体の融合、といった近現代SF要素を合わせて描いた作品である。

社会構造の変化のために、中間層がすっぱりと抜け落ち、貧民か超裕福な者どちらかしかいないのだろうか。貧民は地球に残され、超裕福な者はエリジウムという地球軌道を周回?する衛星に市民権を得て完全移民し、気候変動や病気から解放された素晴らしい生活環境に恵まれている。

地球に残ったものはみな貧しく、その日の生活に精いっぱいな様子であるが、そこにロボット・テクノロジー関係の会社を経営する社長が工場労働者をたくさん働かせている。犯罪を取り締まるのもAIがメインになっていて、ロボットもいたるところを歩いているのだが、完全に人々はそれらに管理されている。

自分たちや自分たちの社会を守ることにすべてをかけるエリジウムの管理者たちと、病気を治すテクノロジーを解放させたいと思う主人公、見ている者にはもちろん後者の応援をしたいと思わせるのである。

クレイジーズ(2010年アメリカ)

 

廃棄予定だった細菌兵器をのせた飛行機が墜落してしまったのは、ある小さな町の水源となっている沼の底だった。

ウィルスによって、飲み水から感染した人が狂いだす。目つきや態度が完全におかしくなって凶暴化し、殺人鬼に変貌する。(顔面充血や出血は多少あるものの、知能の残るゾンビ化)それは空気感染もし始めて、あっという間に街に蔓延してしまった。火消しを行うために軍が投入され、未感染の住民も含む全員皆殺しを行い、街へのミサイル投下により、証拠も住民も消滅させようとした。

ヒロイン役の女性は、映画「サイレント・ヒル」「サロゲート」にも出演していた方である。 ラストで街をなんとか夫と脱出して隣町へ逃亡するが、彼女はペットボトルの水を街で飲んでいるのだが、それが汚染されている可能性があるかのような演出があったこと。そして逃亡したものの、上空の監視衛星により、次の街も封鎖対象になってしまう、というオチになっていた。なんにしても、さらに一波乱ありそうなエンディングだった。

2021年1月30日土曜日

ディープ・インパクト2016

 

やはりこちらも、レンタル用DVD映画という感じである。

アメリカ・サウスダコタ州にあるラシュモア山に掘りつけられた4人の大統領の彫像は有名である。そのままコピーになるが、ジョージ・ワシントントーマス・ジェファーソンセオドア・ルーズベルトエイブラハム・リンカーンの頭部とのこと。


それが冒頭で落下した隕石によって、一人の顔が破壊されてしまうのが一番インパクトのあった部分であった。

政府のスパイ衛星を暴露したため?犯罪者扱いされるようになった主人公、やはり隕石群の異変にいち早く気づいてNASA?的な組織にハッキング・調査し、真実を暴く。そしてそれを阻止しようとする組織関係者の追跡から逃げまくり、最後に広場に置いてあるロケットに、塩酸??的なものを仕込んで発射すると、ぶつけた隕石が溶けてなくなり、ハッピーエンド、という大体のあらすじ。

なんでそうなるの?本当にそうなの?素人にはさっぱりわからないシステム的なことやら化学的なことやらをやたら織り交ぜ、まあ、そうだと言うんならそうなんでしょうが・・、という思いを残させながら、話は終わっている。隕石、溶けてしまった・・。さすがにこれは嘘くさすぎる、という感想と共に。


2021年1月28日木曜日

ワールド・オブZ

レンタルで見飛ばす部類のB級映画。アマゾンレビューを見てしまったら、★が1.5だった。

「キネマ旬報社」データベースより)

人類に下された破滅と終末を描くゾンビアクション。突如、正体不明のウイルスに侵された地球。狂暴化した感染者が蔓延る“キル・ゾーン”に残されたふたりの男は、隠れていた姉妹と出会い行動を共にする。彼らは逃げ惑う中で、ある事実に気付き…。

凶暴化人間、いわゆる全力疾走型ゾンビ、たちから逃亡する男女4人。そのうちの軍人に対して執拗に敵対する男も現れる。話がすすんでいくうちに、軍人は、人間を実験台にしてウィルスを使用する法案を不正な手段を使って成立させた、と死の間際に自ら語った。狂人が権力を握るととんでもないことをしでかすというのが現代社会に当てはまるのかもしれない?というブラックユーモアを暗示しているかのようである。

大量の武器を所有して武力に物を言わせながらアジトを奪取してゾンビを制圧。また追ってきたら次のアジトへ逃亡と、きりがない感じである。その背景には御託を並べないでとっとと戦え、といわんばかりの軍人の圧力が影響しているのだが、ドラマ性はやや低く、ゾンビ慣れもあるかもしれないが、それほど新鮮味はない。4人のうち二人の男女が死に、残りの二人でもって亡くなった軍人を弔って砂漠に逃れていくらしいラスト。やっぱりと思っていたらやっぱりだったが、ボートに載せられた軍人が、最後に目を開いた。目の開き方がソフトすぎて、あまりゾンビぽくなかったが。
 

2021年1月27日水曜日

フェーズ6(2009年アメリカ)

 



コロナ時代の今、シャレにならない話ではあるが、以前から定評のある映画「コンテイジョン」や邦画「感染列島」、「アウトブレイク」「復活の日」など、ウィルスとの闘いを描いた作品は多数ある。

インドの天才少年、アビギャ・アナンド君の予言によるとすでに発生前からのコロナの出現は的中しており、人類の業が原因で発生したものなのだという話、続いて2月に入ると壊滅的な状況に陥るのだという情報を発信している人もいたり。それがワクチンによって救われるのかも不明。かたや陰謀論としてコロナは人工ウィルスだというのが証明できているという人もいたり、ワクチンも人口削減のための手段だ、といった話、自分が実際に立ち合ってつかみ取った情報ではないので、なんともわからない。

映画に戻るが、感染死したものと思われた車内の血まみれの男が、真っ赤な目をいきなり開けてつかみかかろうとしてきたりと、ゾンビ映画を予想させたりもしたが、そうでもなかった。また、埋葬の仕事中、感染死者の中に動いている人もいたが、それも黙殺されて荼毘に付してしまった、というゾンビ的な伏線もあったが、ゾンビ伏線はそれでおしまい。なんとも中途半端な内容だった。

車両故障とガソリンをめぐる利害関係のため、感染者の少女とその父親と同行することになった4人組の男女。車内に透明なビニールで仕切りをつくったが、やはりといえばやはりだが、そのうちの男女2名が感染してしまう。

中途半端な助け心を抱き、仕切りを外して手を差し伸べた女性だが、少女の吐血を体に浴びるという重大事故を起こす。そしてそれを皆に黙っているという悪質さ・身勝手さ。その恋人も彼女からだろうか、ソーシャルディスタンス皆無なふるまいの中で起こった感染だった。(マスクもその場で適当につけたりアゴ掛けしたり、使い方が雑。)

致死率100%の凶悪ウイルスの存在の中、各人のとったかなり大雑把なふるまいもさておき、感染者は車を降りてもらう、ガス欠になったら他の走行中の車を止めて強奪、などのかなり強硬なやり方をしながら話はすすんでいく。感染した子供と集団自決する医師(感染者)、縄張りをつくって銃で脅してきた建物の占拠者たち、部分部分の描写が雰囲気を出している。

結局、感染者となったお兄さんを弟が撃ち殺して焼いた後、ビーチまで同伴の女性と車でたどり着いて終わる。もう誰もいない、何も残っていないんだ・・、というセリフとともに終了。

オチも何もないのがむしろ現実的かもしれないが、もう少しくわしく砂浜から後の展開をイメージさせてからの終了が良かったような、ゾンビ伏線の話は何だったのだ、という感じの部分も合わせ、尻切れトンボ感のつよいエンディングとなった。

2021年1月23日土曜日

ウォール街(1987年)

 

三十数年前の映画で、マイケル・ダグラスもかなり若い感じである。チャーリー・シーンは映画「ネイビーシールズ」他などに出ているのは知っているが、彼が出演している作品をきちんと見るのは初めてかもしれない。

ウォール街に勤務する証券マン、というのはお金を稼ぐエリート部類なのかと思っていたが、普通に働いているとそうでもない?ということのようだった。証券業よりも、投資銀行の方に就職した方が儲かるのだろうか?

株で成功する=内部事情をつかんで誰よりも早く株の売り買いを進める者が勝ち、ということを大口出資者が一証券マンに話して、チャーリーシーン演じる証券マンが、どんどん大きな取引に手を出していく。が、父親の会社の買収後、会社が解体されることを知り、マイケル・ダグラスにたてつくことになり、敵対出資者を味方につけてやり返す。

コツコツ働いて会社を少しづつ大きくするという一般経営者がいるからこそ、世の中が発展していくのであるが、それを差し置いて、株を大量購入することで経営に口をはさむ大口出資者。

お金に物を言わせて赤字の会社を乗っ取り、再建するわけではなくその資産を売却して利益をぶんどるというのは、本当に冷酷でハゲタカのようなやり方だと思われる。が、日本のバブル以前からアメリカでは普通にある話だったのだろう。