2021年1月27日水曜日

フェーズ6(2009年アメリカ)

 



コロナ時代の今、シャレにならない話ではあるが、以前から定評のある映画「コンテイジョン」や邦画「感染列島」、「アウトブレイク」「復活の日」など、ウィルスとの闘いを描いた作品は多数ある。

インドの天才少年、アビギャ・アナンド君の予言によるとすでに発生前からのコロナの出現は的中しており、人類の業が原因で発生したものなのだという話、続いて2月に入ると壊滅的な状況に陥るのだという情報を発信している人もいたり。それがワクチンによって救われるのかも不明。かたや陰謀論としてコロナは人工ウィルスだというのが証明できているという人もいたり、ワクチンも人口削減のための手段だ、といった話、自分が実際に立ち合ってつかみ取った情報ではないので、なんともわからない。

映画に戻るが、感染死したものと思われた車内の血まみれの男が、真っ赤な目をいきなり開けてつかみかかろうとしてきたりと、ゾンビ映画を予想させたりもしたが、そうでもなかった。また、埋葬の仕事中、感染死者の中に動いている人もいたが、それも黙殺されて荼毘に付してしまった、というゾンビ的な伏線もあったが、ゾンビ伏線はそれでおしまい。なんとも中途半端な内容だった。

車両故障とガソリンをめぐる利害関係のため、感染者の少女とその父親と同行することになった4人組の男女。車内に透明なビニールで仕切りをつくったが、やはりといえばやはりだが、そのうちの男女2名が感染してしまう。

中途半端な助け心を抱き、仕切りを外して手を差し伸べた女性だが、少女の吐血を体に浴びるという重大事故を起こす。そしてそれを皆に黙っているという悪質さ・身勝手さ。その恋人も彼女からだろうか、ソーシャルディスタンス皆無なふるまいの中で起こった感染だった。(マスクもその場で適当につけたりアゴ掛けしたり、使い方が雑。)

致死率100%の凶悪ウイルスの存在の中、各人のとったかなり大雑把なふるまいもさておき、感染者は車を降りてもらう、ガス欠になったら他の走行中の車を止めて強奪、などのかなり強硬なやり方をしながら話はすすんでいく。感染した子供と集団自決する医師(感染者)、縄張りをつくって銃で脅してきた建物の占拠者たち、部分部分の描写が雰囲気を出している。

結局、感染者となったお兄さんを弟が撃ち殺して焼いた後、ビーチまで同伴の女性と車でたどり着いて終わる。もう誰もいない、何も残っていないんだ・・、というセリフとともに終了。

オチも何もないのがむしろ現実的かもしれないが、もう少しくわしく砂浜から後の展開をイメージさせてからの終了が良かったような、ゾンビ伏線の話は何だったのだ、という感じの部分も合わせ、尻切れトンボ感のつよいエンディングとなった。