2018年6月25日月曜日

海底47m

この季節になると、サメ映画が多く放映され、先日のロスト・バケーションに続き、こちらも見てみた。
クレーン故障により、サメ観察用ケージが深度47mの海底にまで落ちてしまった。
姉妹がバケーションでリゾートに旅行し、失恋で落ち込んだ姉を元気づけるために、妹が夜の街へ姉を連れ出し、男性たちと親しくなる。週一でサメ観察ケージで潜っているという話を聞いて、すっかり妹は乗り気に。妹の、この軽々しさが最初から気に入らないが、話に乗ってしまって、海へでた。

 ケージ搭載船に乗り継いだ時、さびついた小さなクレーンやら、さびたケージを見た瞬間、しょぼいし、ボロイ・・と思った。どうせ無認可の個人営業なのだろうと思うと、なおさらこれを使用するのはやめてほしいと思ったが、ノリノリの妹。しぶる姉を強引に説得して、物語は悲惨な方向へと向かっていく。
 本能的に危険だと思えることを楽しむアトラクションは、私はそもそも苦手だが、それに対する警戒心が0で、強引な前向きさを見せる人は、なおさら苦手である・・。

 そしてケージは落下した。根元からもげてしまった、クレーンとともに・・。言わんこっちゃないとしか言いようがない。海上の船とも距離がはなれたために連絡が取れない、というとんでもない状況。ホオジロザメが何匹も泳ぎ回っている中を、オリから出て連絡をとるために上昇していったり、フックを持ってきてくれた救助の男性、サメにやられたが、その遺体からフックをとってオリにかけなおしたり、予備の酸素ボンベを受け取るのに四苦八苦。
 結局妹は、姉がまだ隠れていたほうがいいという忠告を無視して、大丈夫だと身を乗り出した直後、サメに襲われた。これもショッキングなシーンだが、全ての元凶ともいえる、自身の性格が招いた結果であった。妹にイラついていたこちらとしては、とうとう死んじゃったか、ヤレヤレ・・という感想である。

 ところがここでぞっとする幻覚シーンがある。---妹は生きていたらしく、助けを求めてきた。照明弾を使いながら妹を抱えて浮上。照明弾を付けなおしたとき、真っ暗な水中で大口を開けたサメの顔が、3匹分くらい二人を丸囲みしていたのが怖かった。なんとか船上に逃げおおせたが、なぜか血が下におちないで横流れしていき、船長の声も無線のような響きに。---

 と、現実シーンにもどったところ、結局、足を挟まれゲージから全く出られない姉が、一人幻覚を見て、ケラケラ笑っていたのだった。焦点の合わない目で、助かったわ!と海底のゲージの中で一人笑い続ける不気味な姿。妹はもちろん、そこにはいない。救助隊員が救出する途中で姉は正気に戻ったようだったが、ここで話は終わりとなった。

 この映画は、青く濁って視界のきかない水中での時間が大半を占めている。なので、広く、深い海の背景として、一層、暗く、寒々しい雰囲気を演出していて、暗澹たる気分を高めていると思う。見た後も、そういう意味で怖さが続いた。


2018年6月21日木曜日

ロスト・バケーション(Shallows 2016年 アメリカ)


 TV電話で父とケンカしたあと、気分転換にもうひと泳ぎしようと思ったのが間違いだった。執念深いサメにつきまとわれ、水中の岩場に追い込まれる。サメに食べられたり殺されてしまう男性が3名、それを見ておののく主人公。
 満潮・干潮までの時間を知らせる時計表示、食われてしまった男性の遺品カメラの映像再生による切迫感などが、物語の進行を効果的に演出している。

 満潮で岩が水没してしまうので、クラゲにさされながらもなんとかブイにたどり着くが、ブイがやがて倒れてしまい、水中で主人公がとったのは、自力でサメを倒す方法だった。

 サメが水中をスーッと横切る様は、まるで空中を飛行するようにも見えた。水がなければまさに、飛んでいる感じがする。海中は、サメにとっては自由な空間そのものというのか。
 また、主演女性のすっきりとスレンダーなナイスプロポーションが素晴らしく、さわやかなサーファー姿が描かれていた。

2018年6月20日水曜日

エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア (1994年 アメリカ)

冒頭の、カギ爪が動き出し襲い掛かってくるシーンは、やや怖い。

 第一作から10年、結婚して夫と息子と暮らしていたヘザー(ナンシーを演じていた女優本人)。ある日突然、悪夢が再発する。そして、夫は居眠りの最中に車内で惨殺され、息子ディランも様子がおかしくなってしまう。ディランが病院医師の処方薬により眠ってしまうと同時にフレディが現れ、付き添いベビーシッターのジュリーを惨殺。

 映画の立案者、ウェスクレイヴンは、ヘザーがナンシーという役を演じることで、フレディに対処していくべきだと主張していたようだが、果たしてヘザーは息子の夢に潜入して、フレディと対決するのであった。

 というあらすじだったが、夢の中に入って戦うシーンはむしろ、ギャグっぽいというか、フレディのメイクも作り物っぽく、舌が伸びるシーンも何となく面白おかしいというか、実体を表すとなぜか不気味感がゼロになり、ドタバタになってしまう気がする。

 息子ディランを演じているのは、ミコ・ヒューズさんという俳優だが、途中でふと、どこかで見たことのある顔だと思ったら、1989年映画「ペット・セメタリー」で、幼い息子・ゲイジの役を演じていたのを思い出した。

「ペット・セメタリー」で、墓から蘇った息子ゲイジを演じた。
こちらは、本作のディラン役で。
(追跡おまけ)現在は32才らしい。時の流れを感じてしまうが、目元の面影は残っているような。





2018年6月19日火曜日

THE DEAD インディア(2013年 アメリカ)

「ザ・デッド」の2らしい。舞台は、インド。

どれが第一作だったのかというと、こちららしい。(2010年製作)舞台は、アフリカ。以前鑑賞した記憶がある。

 風力発電の技師である主人公には、赴任先インドに恋人がいるが、お互い離れた中でゾンビ騒動に巻き込まれていく。砂漠の中でのゾンビからの追跡や、町中での殺し合い、インドはここまで素朴な国だったろうか、と思うくら素朴な家が立ち並ぶ中、主人公はひたすら、わが子を身ごもる恋人の家に500kmの距離を移動して救出に向かう。

 道中の夜の暗がりの中、舗装のされていないデコボコ道を、あまりスピードの出ないバイクでゾンビに何匹も遭遇しながらやり過ごし、振り払いながら進むさまは、なかなか不気味感があった。

 恋人と、道中連れ添った少年と再会できるもやがて、お決まり?の掃討作戦で爆撃機が上空を飛び交い始める。衝撃で建物が崩れ、三人は完全に閉じ込められてしまう。古い昔の伝説を反芻しながら、物語はそこで終わってしまうのだが、一体この三人はどうなってしまったのか、さっぱりわからなかった。
 伝説のように脱出?蒸発?できると思わせたかったのか、希望があるならもう少し道筋をつけてくれないと、閉じ込められておしまい、という感じしか残らない。

 そして、少年のぬいぐるみを見つけた中年女性が、赤子だった少年を、孤児院に預けたときに持たせたものだと悟り、そんな、ありえない、などと言いつつも、建物内の近くにいたにかかわらず、結局少年と顔を合わせないまま終わってしまっている。
 子供を捨てた罰で会えなかったのか、インド的な因果応報説があるのなら、もう少し説明がほしいし、なにやら、肩透かしな演出が最後にドドッ、ときて終わってしまった。

2018年6月17日日曜日

ミスト(2007年 アメリカ)

突如発生し広がった、霧。その中には怪物や異形の巨大昆虫が潜み、人々におそいかかってきた。
霧の中から巨大な触手が現れ、連れ去られた人たち。それを見て、スーパーマーケットから外に出られなくなる。虫にかまれて顔がはれ上がった女性、起こした火にまかれてやけただれた男性、無残な死が描かれている。巨大な昆虫がとにかくおぞましい。人々の不安をさらにあおりたて、いけにえが必要だと訴えだす狂信者女。店内は混乱をきたす。
 隣の薬局には、怪物に捕らえられた人たちが、さなぎ状態で幼虫にすでに寄生され、はじけた体から無数の虫が飛び出てきた。

 おぞましい、怖い、この感情をえぐりだしてくるのはやはり、この話が恐怖小説の大家、スティーブン・キングの原作だからだと思われる。この人の作話の根源は、日常的な何かが変化し、現実とは違うおぞましさをまとって異様なものとなる、という恐怖の感情からきているのではないか、と思う。それにしても、妄想力がすごいので、目を見張るものがある。

 
店内から抜け出し、とうとう車で霧地帯を抜け出そうと思った主人公たち。道中、とんでもない巨大怪物と出くわす。この大きさはむしろ、神がかった雰囲気も感じさせてしまう。
 軍による異次元空間実験により、このような事件になってしまった、という話。最後の主人公たちの自決シーンは悲痛だったが、直後に霧が晴れてしまい、いったいなんのための自殺だったのかわからなくなる、というやりきれなさを残した。




LAST4(2010年 アメリカ)

これは数年前に見た映画だったのだが、内容をもう一度見たいと思ったので再レンタルした。レンタル先が、DMMから楽天レンタル、そのあとはゲオ、とここ数年移り変わっているが、最初はDMMから借りたのだろうか。


 婚約者に逃亡途中で死なれてしまった主人公、倉庫に立てこもるが、向かいの建物から電話をうけ、そちらに移動する。そこで知り合った3人と合流し、そこ一帯の感染地域では唯一生き残る4人となった。

 ここに登場するゾンビは黒目(青目?)の部分が真っ赤である。戸口の外からやってきて、あたかも健常者のような雰囲気をまとい、娘とはぐれた、中に入れてくれと話しかける中年女性がいた。
 主人公が様子が変だと怪しんで懐中電灯で照らしたところ、目が真っ赤であった。だれでもこの状況下、変にもなるだろうと疑わなかった頼りない相棒男性、この人はもの言うゾンビにすっかり騙されるところであり、ヒヤリとしたシーンであった。

 補給物資箱の発信機作動により、軍から助けが来て、一応ハッピーエンド?のようだった。籠城を続ける建物を取り囲むゾンビ、ただひたすら外で突っ立っているだけなのだが、建物に目を付けたと思われ、その数が日ごとに徐々に増えていく怖さがじんわり、また、全力疾走ゾンビの襲撃の恐怖シーンもあった。

2018年6月15日金曜日

舘ひろしさんの、あっけらかんな一言

今もダンディーで渋い

TVで話していたが「俺、出たくないって断ったんですよ。日本の映画は貧乏くさいじゃないですか。」まさに、その通り。本質をズバッと一言で言いきってしまっている。とても気持ちがいい一言である。

 私がもしも当人だったら、関係者に身近に囲まれてもいるわけだから、なおのこと、そんなことは言えないのではないか、と思うのだが・・。

 カンヌ映画祭で高い評価を得られている映画や、有名アニメ作品を評価していないわけではないが、結局は特撮や予算をあまり必要としない人間ドラマ、人々の暮らしに焦点をあてたもの、もしくはCG合成やアニメーションでの表現にほぼほぼ限られてしまっているところが、限界を感じさせるのである。

2018年6月14日木曜日

ハーモニー・オブ・ザ・デッド

ハーモニー、というのは、どうやら町名(村名)のようであった。

 数年前に、「コリン LOVE OF THE DEAD」というゾンビものながら異色の映画があり、ゾンビに変化した主人公の目線で物語が展開していった。ホラー的な要素は薄く、ゾンビになりながらも最後に残った記憶をもとに彼がたどり着くところはどこだったのだろう、というテーマ。
「コリン、その愛」、という題名だったような気がしたのだが。


なので、こういった作品もある以上、ゾンビとの調和をテーマにしてしまった映画なのかしらと思うと、心和んでどうするの・・、というツッコミがわいてしまい、視聴敬遠に至ってしまったのだ。が、これは完全に題名の和訳の失敗のような気がする。

ゾンビ発生から9年、ほとんど引きこもりの生活になっていた父と娘。となりの家の男性は、自ら銃を手にして食糧調達や動物狩猟に出かけていた。両家は絶縁に近かったが、なぜか男性は父娘の隣から離れていこうとしない。その理由は後から分かった。そして、9年の間にゾンビが進化してしまい、新たな生物に生まれ変わっていた。ストーリー展開としてはまずまずで、見やすかったと思う。

2018年6月11日月曜日

サロゲート(2009年 アメリカ)

 脱・VRを唱える未来版の映画というのか。現実的に普及が広がりそうなVRを、この映画ではサロゲート(遠隔操作ロボット)に置き換えている。人々は家にこもり、接続装置を使って好みの外見のサロゲートを操り、外出させ、仕事も対人関係もすべて任せっきりとなっていた。

 物語は、開発者の一人息子が殺害されるところから始まり、その殺害の黒幕(サロゲート運営会社)への、開発者からの復讐、というところに発展していく。

この映画の見どころの一つは、人造人間がそこかしこに人間のように往来するが、よく見ると人間は一人もいない。無機質な雰囲気が漂っている(特集メイク?や演技だが)不気味感があるところだろうか。

 外出するにしても行くところがあるのなら、ロボットに任せず、現実の自分の目や肌で感じ取った方が、幸福感も増すと思うのだが・・。仕事や、危険な作業などはさておき。

 その点おそらく、VRは、環境からして仮想現実が作れるので、実際のリアル環境を整備しなくても済む、という点がお手軽なので、実現がしやすいと思われる。
 ただ、どちらにしても理想を追い求めすぎて現実に目をつぶり、人によっては現実に戻ると惨めな気持ちになるからまた現実逃避をする、という悪循環に陥ってしまいそうなのは怖いが。

 


2018年6月8日金曜日

デッドプール2 を観てきました

マーベルコミックシリーズの映画化ラッシュの時流なのだろうか、こちらも2が出ているようだが、デッドプールの1は見ていない。

イメージ的にこちらとかぶるのだが、人気アメコミシリーズながら、マーベルではない、スポーン。デッドプールと同様、仮面を脱ぐとやはり、醜い素顔が隠されている。

スポーンとは違い、どこかコミカルでおかしみのある本作であった。子供のころ、似たような容姿のヒーロー人形(ヒーロー名は不明)を手に持ち手足を無茶苦茶な向きにして、キエーッ、とやっており、やはりコミカルですっとぼけたアクションをとらせがちだった自分の記憶がよみがえってきた。

デッドプールチームの編成で大量採用したはずのメンバーが、スカイダイビングの着地時のアクシデントによって次々と死にまくり、一体あの華々しい強者アピールは何だったのかというまぬけぶりからも、ギャグ要素がかなり濃く感じられる。
 
主人公の奥さんを、モリーナ・バッカリンが演じている。この人はかつての宇宙人侵略系TVドラマ「V(ヴィジター)」で爬虫類型宇宙人の女王・アナを演じていた。

ミュータント少年をある理由から殺害しようと未来からやってきたケーブル、これを演じる俳優は、アベンジャーズ・インフィニティウォーでサノスを演じ、雰囲気的にも似ているので、この役と相当かぶるが、作中でも「サノス」などと主人公に茶化されている。
アベンジャーズに出てきた、サノス。