突如発生し広がった、霧。その中には怪物や異形の巨大昆虫が潜み、人々におそいかかってきた。 |
隣の薬局には、怪物に捕らえられた人たちが、さなぎ状態で幼虫にすでに寄生され、はじけた体から無数の虫が飛び出てきた。
おぞましい、怖い、この感情をえぐりだしてくるのはやはり、この話が恐怖小説の大家、スティーブン・キングの原作だからだと思われる。この人の作話の根源は、日常的な何かが変化し、現実とは違うおぞましさをまとって異様なものとなる、という恐怖の感情からきているのではないか、と思う。それにしても、妄想力がすごいので、目を見張るものがある。
軍による異次元空間実験により、このような事件になってしまった、という話。最後の主人公たちの自決シーンは悲痛だったが、直後に霧が晴れてしまい、いったいなんのための自殺だったのかわからなくなる、というやりきれなさを残した。