2021年6月26日土曜日

ウシジマくん 3(2016年)

 

今回は、マルチビジネスにのめりこんだ男を本郷奏多、浮気や女にうつつを抜かして借金を増やすダメサラリーマンをオリエンタルラジオの藤森が演じている。

マルチビジネスの話は以前から聞いたことがあり、自転車操業であったり、売り上げが足りない分を自分で補填させられたりと、かなりハードな部分があるという話もきいたが、その実態に触れた物語を見るのはそうなかったので、大変興味深く面白く観ることができた。

自分の下につく「ダウンさん」を広げれば広げるほど売り上げが増えるため、それに合わせたマージンが自分の手元に入るのだという仕組み。上に行くほど、そのマージンの割合も上がる、という話も聞いたことがある。

ようはネズミ講で、この映画での商品は、実態があるようでない、情報商材だった。ダウンに下がっていってカプセルを開けると、「オレと同じことをしろ」という文言のみの紙が入っていたのには笑えた。

また、マルチの創業者が、二億もの隠し金を持ち出そうとしてウシジマの関係者にだまし取られたのは、大変小気味の良い末路である。

一方のダメサラリーマン(藤森)は、気にいらない同僚の人事評価を下げる細工をしたり、保険営業の女性、キャバクラの女性に手を出し、浮気不倫が妻にばれないように、脅迫に応じたりと、やることがクズであった。クズなりの結末が待っていた。

2021年6月25日金曜日

ウシジマくんPart2(2014年)

 

豪華俳優陣が出演している。芸人の大久保佳代子やバカリズムがゲスト出演。高橋メアリージュン演じる女取り立て屋もかなりドスがきいていて怖い。


山田孝之も2に入ってからさらに、ウシジマくんらしさに磨きがかかったような感じもする。すさんだ生活をしながら、自堕落でお金に困ったり、人をだましたり、強奪して金をむしり取ろうとする人々、かなり暗いイメージの世界観。やはり、自分で落ちていく人はとことん落ちて行ったり、怖いしっぺ返しを食らう。怖い反面、これは報いを受けるべきだろうなあというオチが待っている。

さらに莫大な借金を背負わされる者、高度障害保険金を受け取るために車に飛び込まされる者、ホストとして客に借金をさせてでも金をむしり取ろうとしていたら、客の少女のストーカーからひどく殴られ、顔面崩壊?して飲食店に転職していった男、この作品も、かなりダークな展開となっている。


2021年6月21日月曜日

闇金「ウシジマくん」(2012年)

 

原作の漫画を読んだことがあるが、ウシジマくんは、コワモテ顔の見上げるような大男であるイメージがあるが、そのイメージにピタリと一致する俳優さんが、なかなかいなさそうである。やや小柄で、本人は優しそうな雰囲気もあるが、山田孝之が好演している。

林遣都がお金に追われてばかりのイベント会社代表を、大島優子が、体を売ることでしか生計を立てられないふしだらな母親をもつ女の子を演じている。

闇金は犯罪であり、借金の取り立て行為や債務者に課すペナルティも違法行為だとされるが、それでもそこから抜け出せない人たちの苦悩やひどい目にあっている様を見ると、ブラックで暗い、恐ろしい気がしてくる。そういう意味ではある種のホラーである。



2021年6月12日土曜日

すべての終わり

 

主演のテオ・ジャームズさん(右)は、ダイバージェントで教官役を演じた、好青年度が高い人である。

大地震・大停電で音信不通となったアメリカ国内。その中を無謀にも、娘を見捨てておけない、と自宅を出て車で検問所を突破してまで探しに出る父と、それと同行する婚約者。

無法地帯と化してしまった行く先々、ガソリンを奪い合ったりと、銃を向けあう危険の中、鹿をよけそこなって事故を起こし、肺に傷を負ったあげく、父親はなくなってしまう。最初から家を出るのは危険だという雰囲気がプンプンだったのだが、無謀な行いがとうとうわざわいしてしまった。

婚約者を見つける主人公だが、ラストシーンで後ろから火山の巨大な噴煙が追いかけてくる。車を走らせて逃げるにも、どうなるのやら、と思わせておいて物語が終わってしまう。ストーリー展開が面白くないわけではないが、最後がちょっと尻切れトンボすぎる作品だった。

2021年6月1日火曜日

アーミーオブザデッド(2021年)

 

賞金狙いの猛者が集まり、ゾンビだらけのラスベガスホテルにある金庫破りに挑む。

舞台はラスベガス。賞金の出資者は、真田広之演じる「タナカ」で、ホテルにある金庫から金を持ち出して来たら、数十億ものお金を受け取ることができる、という話。真田広之もハリウッドに渡ってなかなかの貫録をつけ、悪役感もよく出てきている。

賞金稼ぎのチームリーダーを演じているおじさん(写真右)、身長もかなり高そうだが、ごついパワフル感があると思ったら、プロレスラーをしていた人のようである。あるきっかけから、自分の娘も危険な計画に参加させることになった。(中央・白っぽいタンクトップの女性)

チームに無法者の裏切り者が複数おり、その罠にはめられて仲間の女性が死んでしまったり、取引することでうまく難を逃れようとしていたのに、自身の都合でゾンビの首を奪うという、自己中男の傍若無人ぶり。

ゾンビ王とゾンビクイーンなるものが現れ(なんだか無茶苦茶感が)知能もあり、ほかのゾンビを束ねる統率力をもつ。クイーンの首を奪ったために怒ったゾンビ王に襲われ、皆殺されていく。そして娘を除く全員が結局ゾンビ化か死亡、といった末路をたどる。チームメンバーがダメすぎるとすべてがおじゃんに、という残念なパターンの典型である。

結局、仲間も死んで、戦闘によって持っていた札束も方々に散ってしまい、手元に残ったのは、お父さんが娘のために隠し持っていた、ほんの数千ドル?だけであった。お父さんも最期は娘との夢を語り合いながら、すでに死ぬ運命にあった。


飢えた侵略者

 いわゆるゾンビものだが、作品によってかなり雰囲気が変わるという、こちらも独特の雰囲気が流れている。


誰が積み上げたのかすらもわからない、椅子だらけのタワー。それをただただ、不動の姿勢で眺めて突っ立っているゾンビたち。ゾンビのたまり場=家的なものなのだろう。生者が近づくと、異様な奇声を張り上げて、仲間を呼ぶ。

なんでそんな危ないと分かり切ったことをするのだろう、などといった意味不明の行動や判断を展開しつつも、田舎の村と森林の中を逃げていく男女。ゾンビの数が圧倒的に多すぎて、どこに隠れても侵入されてしまう。余りに田舎すぎて、ビルディングなどもなく、あまりにもやわい木造の古い民家にしか、身を隠す場所がないのである。一人、また一人と襲われ、人数を減らしていく仲間たち。

とうとう少女一人になってしまったが、道中、レースカー(不思議すぎる)の男と出会い、一緒に乗って先へ逃げていくラスト。その先の見通しは、さっぱり読めない。

が、ストーリーがどうというよりも、必死の逃亡ではあったが、農村や野山を駆け回るという旅の世界を味わえたような、そんな感じを残した作品である。