2023年8月30日水曜日

バービー を観てきました(2023年 イギリス)

 

ケンを演じたライアン・ゴズリングは、ブレードランナー2049などの出演で知っていたが、バービーを演じたマーゴット・ロビーに関しては、実は面識がなかった。

他の写真で見えるライアン・ゴズリングがかなりおじさんぽく映っているものがあり、年齢を確認したらすでに42歳であるということがわかった。

お人形の世界なので、やはりお肌はツルツル(若い)が基本だと思うが、それでも彼の演技や存在感が、いい意味で年齢的なギャップを打ち消していたと思う。

お人形界での男性の存在は、それはもう薄いとしか言いようのないものである。日本のリカちゃんについてだが、私も子供時代にリカちゃんを親に買ってもらった記憶があるが、ボーイフレンドなどというのは、りかちゃんの人生に華を添えるためのオマケである。としか言いようがない。(他にもファミリー?に双子の赤ちゃん、だのなんだのオマケがあったと思う。)

そういうわけで、バービーランドのケン、もオマケのような存在感の薄さ軽さが目立っていたが、バービーと現実の世界を旅した後に、男性の権利を主張するようになり、一波乱が起きてしまうのである。

お人形世界の雰囲気、移動する道中の風景、などが楽しく描かれているので、興味を感じる場合はおすすめの映画かもしれない。


2023年8月17日木曜日

「ミンナのウタ」を観てきました

 


エグザイルの所属するLDH、その中にジェネレーションズというグループもあるが、そのメンバーたちが主に事件に巻き込まれていく。

テープの音声から始まり、一度でもそのメロディを耳にしてしまうと、サナの幽霊に引き込まれて失踪してしまうという怪現象が起きる。

視界に入ってくる人影や、自販機の下にはいつくばって探し物をしている不審な人物、机の下から見えた、いないはずの人の足や、人の狂気。見ると怖いなと思う、そういった恐怖エッセンスが惜しみなくちりばめられ、恐怖感がよりいっそう高められている。ホラーの巨匠(清水崇)のさすがの演出である。

怖いものはいろいろあり、車の中で探偵の男が入手した録音テープを聞いていたのだが、そこに録音された音も不気味であったし、ジェネレーションズのメンバーが訪問先の家で、幽霊とは知らずにやりとりした、サナの母親とのシーンもなかなか怖かった。

母親が、「ごめんなさいね。今、手が離せないのよ。サナー。サナー!部屋きれいにしなさい・・、お恥ずかしいところをお見せしちゃったわね。」みたいな言葉をかけてきた。メンバーが「いえいえ、こちらこそ逆に、すみません。・・」などの返事をしたが、次の瞬間、また同じセリフを母親が言い始めた。え?また同じこと言うの?ボケたの?もしくは、タイムループなどで巻き戻ったのか?とも思っていたが、それを何度も繰り返し始めた。見ていて気味が悪く、狂気のようなものを感じ始めてゾッとした。と思っていたら、だんだん母親の顔が迫ってきて、わあっとおそいかかってきた。画面いっぱいにそれが広がった瞬間、ものすごい怖さがあり、もう駄目だと思うほどであった。

さなの死亡シーンであるが、コンセントが引っかかっちゃったから引っ張って、と父親に頼むのだが、ドアの上部から出ているコードを言われたとおりに引っ張る父親。何かおかしい。ドアを開けてコードを開放するべきではないか・・。そしてさなの首吊りの姿がドアガラスから透けてみえつつも、両親はさらにコードを引っ張り続けるという異様さであった。

その過去の死亡シーンが家の中でなぜか再現されている最中、ジェネレーションズのマネージャーが、瀕死のサナに寄り添った結果、全員にふりかかった呪いが解けて解放された。が、無事開催されたコンサートでの観客席に、サナの亡霊が再び現れ、カセットレコーダーのスイッチを押したようであった。大変な大人数の観客たちはやはり、サナに連れていかれてしまうのだろうか。この不安を抱かせたまま、ストーリーは終了した。


2023年8月15日火曜日

OLD(2021年 アメリカ)

 


豪華なリゾートホテルでくつろぐ家族。夫婦の間の不協和音が気になったが、ホテルで知り合ったアジア系の男の子と友達になる子供たちは、暗号で手紙を書くやりとりを楽しむ。滞在中にホテルスタッフから彼らだけに、と隠れた観光ポイントを勧められるが、バスに乗ってきたのは複数家族たちだった。バスから降りるときに、一日観光にもかかわらず、子供たちは食欲旺盛だからと言われて大量の食糧の入ったバスケットをそれぞれ手渡され、バスは去っていったが、その時点で、何か怪しさがプンプン漂い始めた。

そこでは不思議な自然環境によって、ものすごい速さで生き物が成長・老化を促進させられ、一日が50年もの速さで過ぎていく、という謎のビーチだった。

観光客の女性の死亡、老女の突然死から始まり、医師が錯乱してナイフを振り回したりと、不穏な雰囲気で包まれ始める。子供の様子がおかしいから医者に見せたいと言い出した母親、事件の発生のためになんとかホテルまで戻ろうとしたものの、途中でめまいがして倒れたりと、脱出はことごとく失敗に終わった。その後も病気の発作や殺し合いで死人が出た。

死体の風化速度のものすごさから、各人の老化、子供たちの異常な成長(6歳だったのに12歳くらいの外見に急成長)が目立ち始め、何とかしないと老化で死ぬことがわかり、さらに脱出を試みる。

海・山からの脱出も失敗して死者が出て、いよいよ脱出は絶望的となった中、4人家族の夫が、老化によって気持ちも変化し、浮気をしていた妻を許しながら、「美しいビーチだ。このまま、ここにいるだけでいいのではないか」といいながら妻と身を寄せ合いながら死去。妻も死去。閉鎖空間の中にいながらも美しい、天国のような安らぎを感じさせる、演出の良さがあった。

バスで食料を押し付けて走り去ったいきさつ、山の頂上から監視する男、何が背後で動いている感じはわかったが、製薬会社のシーンで、ひそかに人体実験を行う企みがあったという説明がなされており、はっきりとわかった。特殊な環境により生体の経過時間が早まることで、薬効もすぐにわかり、製薬が早くなるというメリットがあるため、特定の持病のツアー客を集めて密かに連行・監禁を行っていたということであった。二人だけ生き残った姉弟、アジア系少年との暗号の手紙の最後のところを解読したところ、サンゴ、という言葉に行きつくことで、サンゴ礁が脱出ルートだと気が付くが、洋服が水中でサンゴに絡まり、脱出は失敗に終わる(溺死)かと思われた。

ここで映画が終われば、これはこれでアリな気がした。世の中こういうことがあったら怖いですよね、という映画となる。

が、問題解決が監督の采配なのだろう。無事生還を果たした、すでに50歳台の肉体にまで成長老化した姉弟が、警察官に通報し、製薬会社の社員らが逮捕されるという結末だった。

物語について、さらに詳しく解説している記事があったので、貼っておく。

https://johnny-movie.com/movie/old/




2023年8月9日水曜日

ダイナソー・アイランド

 


これもひどい・・。レンタル専用映画だと思われるが、ここまでつまらないのもそうそうない感じがする。

学生旅行で、ノリノリな雰囲気で水辺に水着姿で集まる若者たち。軽快チックな音楽と、ノリノリのリズムに乗って小躍りする若者たちのシーンがばかに長ったらしく、延々と撮影されている。(ここらへんですでに嫌な予感はしていたのだが・・。)撮影者と彼女のベッドシーンまで撮影したりと、どうでもいいシーンでさんざん間延びしているところがグダグダ感を出していてくどい。

その一部の若者らがミニセスナ機で島に向かう際、悪天候の兆しが。どうしてもスケジュールを変更できないとごねる男に仕方なく飛行機を飛ばすが、やはり墜落し、どうやら飛行機は大破し、パイロットも死んだらしい。機体も遺体も確認せず、多分そうだのそうに違いないだの議論する生存者の彼ら。言い合っていないで、ちゃんと見に行ったらどうなのか。おそらく予算の都合で、大破した機体を用意できないのではないか、という推測がなされてしまう。

そして水や食料、居住者を探すうちに大型動物の吠える声を聴いて逃げ出す彼らは、ある納屋にたどり着いた。道中二人、恐竜に食い殺される。ただし恐竜のシーンは、ほんのちょっとだけ。藪の上から大きな首がヌッ、と見えたところのみ。(もちろんCGである)

アタッシュケースを後生大事にかかえていた男の、ケースの中身がそこで暴露されたが、それを持ち逃げした撮影者の男が軍服の男らに射殺されてしまった。

それを追った男女二人も恐竜に囲まれ、そこで最期を迎えた。CG恐竜もそこでも少々出てきておしまい。予算をケチってケチったあげくのことだろう。ショボイ、と言わざるを得ない。

ことの顛末を動画撮影されたカメラで見ていた軍人二人は、若者たちが残していったアタッシュケースを見つけ、林の奥に走っていった。

それをGPS画面から、場所を特定する科学者っぽい感じの白髪の男。すべては政府の管理下ということで映画は終わり。

恐竜は政府が極秘開発したものだと仮定して、アタッシュケースの存在理由がさっぱりわからない。そもそも開発地が政府管理下なら、GPSを置きに行く必要すらないのである。

ちょっとハイテクなものを演出して、雰囲気だけ創出しようとでもしたのだろうか。

それから、最後のほうまで生きていたドーン役の女性、ややきれいではあるのだが、混血を思わせる顔立ちで、肌は白く見えなくもないが、ほお骨、横鼻、鼻の下あたりが微妙に平らで横広がりな面相であるため、アジア系の血筋であるとも考えられる。そして相当多くの部分、必要以上にドアップで、くどい撮影がなされている。おかげで、白人とフィリピン人のハーフかな?という憶測までできた。

何から何まで、?ハテナのつく映画ではあったが、低予算と、いろいろな雰囲気を出したかったのが混ざって、結局何が言いたいかはよくわからない映画となったのではないだろうか。印象に残った雰囲気は、軍人・アタッシュケース・森(林?)の中、恐竜は殆どいなくてCG少々、という感じである。



2023年8月7日月曜日

ロスト・ジョーズ(2015年 アメリカ)

 

サメ系ホラームービーのはずが、お笑いに・・。

うーん、、久々にこれだけの低予算・超Z級?くらいの映画を見てしまったが、最初から最後まで失笑ばかりさせられてしまった。

サメに関しては、波も立たないCGバレバレで、他にもリアリティのない、しかも缶詰の挿絵くらいのレベルの安っぽい絵も使っている。登場人物は終始ふざけてばかりで演出が安っぽい、さらに林の中の研究所、といっても建物すら映さずに(ないから)、ただの森林内での撮影、といった具合。また別途、湖の地主の研究所施設?のようなものもあったようだが、そこのシーンは教室のような殺風景な一室の中で、スタッフが一名、パソコンとにらめっこしているだけ・・。などなど、本当にすべての簡略化、チープ感がすごい。

問題のある湖の捜査が退屈すぎて、自分たちの恋人を連れ込んで楽しみ始めてしまう捜査員ら。ところが湖に入り、4人ともサメの餌食となってしまう。そのあとにも訪れた人たちが食われていった。映画に出てくる俳優女優がすべてスタイルがしゅっとしていてかっこいいかと思っていたらそれは間違い。そこはピンキリあるようで、この映画に出てくる人たちの多くが、お腹などにたるんだ贅肉のある、たぷついて締まりのない体を、惜しみなく見せてきていた。(低予算のため、俳優のレベルも低いかもしれない)

冒頭の警察官をはじめ、警察からしてひどい。アメリカからカナダにやってきたらしい署長は、終始椅子にふんぞり返って足を机の上に投げ出し、居眠りばかり。その部下も、首にされたくなかったらいうことを聞けとばかりに脅され、へいこらと働く。署長は腐りきっていて、「署長(アメリカ)じゃない。保安官と呼べ。」と勝手な命令をしたり、事件の報告を受けても、「どうせ酔っぱらってどこかで寝ているだけだ。ほっておけ」「おれのズボンを持ってきたら捜査に出かけてもいいぞ」など、まったくやる気がない。

部下も間抜けで、被害者何人以上から重大事件でしょうか?と署長にたずねる。じゃあこれは重大事件ですね、となってからも署長はそばの倒木に寝そべってぐうぐう寝ているし、なんじゃこりゃ・・の状態。

サメは、はじめは泳いでいたのだが、途中から空を飛ぶようになって、湖に入らないで用心していた男を空から滑空して食べていった。(何かが画面を横切ったと思わせた後、人物が忽然と消えるだけ。)しかも、他の作品にもあったが、サメのくせにガオーッ、と吠えるのである。

まあなんだか、いろいろと食べられていくのだが、最後は大学生と教授が二人生き残り、爆発物を飛行ジョーズに投げつけて爆破成功して話がおわるのだが・・。本当にいろいろとすごかった。

アマゾンでDVDが販売されているようだが、レビューを見てもやはり、似たような酷評がのせられていて笑える。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E8%90%BD%E3%81%A1/dp/B072KHBGT6


2023年8月4日金曜日

スナッチャーズ・フィーバー 喰われた町(2013年 カナダ)

 


大学生ら4人が、授業に関する取材のため、撮影旅行に出かけるが、その先で人の姿をしたおそろしい怪物を目撃し始める。

後ろ向きで立ち尽くす姿だが、なにかがおかしい。何かを隠している風の人物の笑顔がおそろしい。異様な目鼻立ちの大きさや、恐ろしい形相で、それらは人間のふりをした「何か」だということに気づくが、着々と侵略はすすみ、テレビ放送は休止、大きな施設内も怪物だらけ、自分たちも追われて逃げ出した。が、帰り着いた家の中で団欒する家族も、怪物に入れ替わっていたことがわかる。

人間を食い殺してそっくりなコピー人間となり、町中に広がっていき、やがて大学生らも襲撃され、一人づつ食われたり入れ替わったりしていった。

写真合成コラージュで恐ろしい形相の顔は作れるが、このように映画のモンスターとなって利用されることもあるのだなと思う。歪んだ顔を引用していることから、これは日本の「青鬼」にもやや共通点を感じる。

化け物の異様な笑顔というのもかなり不気味で、なかなか怖い。最近あまり読んでいないが、高港基資さんの漫画にも、「ワハハ顔」のオバケが時折登場してくる。(画像そのものがうまく貼れないので、リンクをクリックしてください。)



2023年8月1日火曜日

キャビン・フィーバー(2002年 米)

 


DVDレンタルのサイトを見ると、時折一覧に上がってきていたのだが、特に借りないまま長らく放置していたのだったが、借りてみることにした。

若い男女がキャンプに出かけて一つ屋根の下に集う結果であるエロも、グロもどちらもある映画であったが、キャンプ小屋もののホラーの典型的な雰囲気が良くでていた。その中の一人もなかなかバカっぽく、雑貨屋の品物を万引きしたり、森のリスに向けて叫びながら、猟銃をぶっぱなしたりと、ひどいアホっぽさを感じさせた。アメリカの小屋パーティーものは、作品によっては、乱痴気バカ騒ぎという相場もある程度決まっているイメージである。

森で出会った怪しい男が病気にかかっていて、川に落ちて死体と化した。そこから重大な伝染病が水源に流れ込み、小屋に泊まった男女らも蛇口からの水を飲んだ結果、病気が蔓延しだすというストーリー。

地元の商店、家、訪れたよそ者などにあまり友好的ではなく、驚いたことに人にかみつく子供を軒先に野放しにしている家もあるというあほぶりで、田舎の無秩序さが出ている。話の後半、万引き男が感染してそこの家に助けを乞いに行ったところ、彼にかぶりついて子供が感染し、家の主人が逆切れして「お前に問題がある」といって、仲間を二人連れ、殺しに追いかけてきた。

その地域の住民たちは、地域の仲間や身内同士では連帯感が深いのだが、必要以上にキレ安く、何かあるとあからさまな敵意を表すという、感情面でかなり不気味な感じの地域であったことも、物語に彩りを添えている。

病気の皮膚は、ちょっと特殊メイクが安っぽく見える部分もあったし、最初の感染男も皮膚が崩れるというよりは、血で真っ赤に見えていたような感じしかしなかったりなど、あまりそれを見て恐怖に思うほどではなく、大した感じのメイクではなかった気がする。