2023年8月17日木曜日

「ミンナのウタ」を観てきました

 


エグザイルの所属するLDH、その中にジェネレーションズというグループもあるが、そのメンバーたちが主に事件に巻き込まれていく。

テープの音声から始まり、一度でもそのメロディを耳にしてしまうと、サナの幽霊に引き込まれて失踪してしまうという怪現象が起きる。

視界に入ってくる人影や、自販機の下にはいつくばって探し物をしている不審な人物、机の下から見えた、いないはずの人の足や、人の狂気。見ると怖いなと思う、そういった恐怖エッセンスが惜しみなくちりばめられ、恐怖感がよりいっそう高められている。ホラーの巨匠(清水崇)のさすがの演出である。

怖いものはいろいろあり、車の中で探偵の男が入手した録音テープを聞いていたのだが、そこに録音された音も不気味であったし、ジェネレーションズのメンバーが訪問先の家で、幽霊とは知らずにやりとりした、サナの母親とのシーンもなかなか怖かった。

母親が、「ごめんなさいね。今、手が離せないのよ。サナー。サナー!部屋きれいにしなさい・・、お恥ずかしいところをお見せしちゃったわね。」みたいな言葉をかけてきた。メンバーが「いえいえ、こちらこそ逆に、すみません。・・」などの返事をしたが、次の瞬間、また同じセリフを母親が言い始めた。え?また同じこと言うの?ボケたの?もしくは、タイムループなどで巻き戻ったのか?とも思っていたが、それを何度も繰り返し始めた。見ていて気味が悪く、狂気のようなものを感じ始めてゾッとした。と思っていたら、だんだん母親の顔が迫ってきて、わあっとおそいかかってきた。画面いっぱいにそれが広がった瞬間、ものすごい怖さがあり、もう駄目だと思うほどであった。

さなの死亡シーンであるが、コンセントが引っかかっちゃったから引っ張って、と父親に頼むのだが、ドアの上部から出ているコードを言われたとおりに引っ張る父親。何かおかしい。ドアを開けてコードを開放するべきではないか・・。そしてさなの首吊りの姿がドアガラスから透けてみえつつも、両親はさらにコードを引っ張り続けるという異様さであった。

その過去の死亡シーンが家の中でなぜか再現されている最中、ジェネレーションズのマネージャーが、瀕死のサナに寄り添った結果、全員にふりかかった呪いが解けて解放された。が、無事開催されたコンサートでの観客席に、サナの亡霊が再び現れ、カセットレコーダーのスイッチを押したようであった。大変な大人数の観客たちはやはり、サナに連れていかれてしまうのだろうか。この不安を抱かせたまま、ストーリーは終了した。