2020年12月31日木曜日

日本沈没(2006年)

 藤岡弘主演の方は見ていない。こちらは豊川悦司さんの田所博士、草なぎ剛さんの小野寺が登場している。


日本列島は1年以内に沈没することが判明したが、パニックを避けるためにあと5年で沈没すると公表した政府。受け入れ先の外国との交渉も難航する中、国民に「何もしない選択」も、日本人としてはしっくりくる、と言った総理大臣。序章の展開は全部もっともで、将来の天変地異が起きるときには、期せずしてこれと似たような対応がされそうな気がする。

 現実の話として、30年以内にほぼ確実に起きそうな南海トラフや首都直下巨大地震、富士山の噴火など、壊滅的な予想がされている以上、日本と言う劣悪物件の上にあえて住んでいる、としか言えないのが悲しい。人によって機会があれば、コロナが過ぎ去ったあとの将来にでも移住を考えたほうがいいのだろうか。

1970年代のドラマDVDをレンタルしたことがあるが、年代が古いため画面が暗くおどろおどろしさもあり、なんとなく不気味に感じるシーンもあり、インパクトの強い作品であったが、主人公たちは生き残って世界に移住していく、というラスト。

こちらの映画はラストの展開が違っていた。多数の死者を出しながらも、小野寺の自己犠牲により地面プレートの爆破に成功し、地面がひきずりこまれるのを防ぎ、なんとか全沈没は免れた、という結びであった。

日本沈没を調べていたら、2021年の秋ごろに新しくドラマが放送される予定もあるようであり、ちょっとしゃれにならない感があるなと感じてしまった。もしかすると来たる現実に向けて、備えよという意図があるのだろうか。



AI崩壊

 


AIが暴走を始め、人間を選別しだしたとき、どんな展開が待ち受けているのかがまさに映画化されたものである。劇場公開当初、新型コロナが出始めたころだったので、映画館での観覧をとりやめ、自宅で観られるようになってからようやく観ることになった。

警察庁理事官を演じる岩田剛典、主人公の義理の弟を演じる賀来賢人、と主人公以外にも大変魅力的なキャラクターが脇を固めている。理事官を務める岩田さんのくそ憎らしいエリートの役が大変印象的だったので少々調べたところ、慶大卒のエグザイルメンバーだったということが判明した。芸能界も昨今は高学歴の人が増えてきているように見える。

主人公が海外で生活している間に、日本の国家が破綻し、労働人口の激減によって人間選別を行わない限りもうもたないのだ、と理事官が告白したが、これは将来の日本に当てはまるのではないかと、少しゾクリとした。


2020年11月30日月曜日

ロボコップ(1987年)

 リアルタイムで観たという記憶があるが、最近まで再放送をまじまじと見ることはなかった。この映画の背景には近年、少し改善されたらしいが、デトロイトという大変治安の悪いアメリカの都市での凶悪犯罪の数々が象徴されているようである。

 相棒警官の女性、ルイス巡査は、明らかにマドンナ枠でマーフィのフォローをするという役割であり、警官としてはほとんど役に立っていない。ギャングの巣窟に潜入した後にあっけなくすきを突かれて蹴り倒されて気絶、結果、マーフィが一人つかまって殺されてしまう、という結果をたどる。物語の進行上にはしかたのない演出だったかもしれないが、男女警官ペアのみでギャングのたまりどころに潜入するのはいかがなものか、というのは実際の場合に問題になりそうである。

 腕をライフルで吹き飛ばされ、ハチの巣状態で銃撃された後、脳天に一発、とどめをさされるという散々な状況の中で息絶えたマーフィー。

 表向きには死亡扱いとなったため、マーフィの家族が家を売り払い、移転していなくなってしまったのをマーフィが後から知ることになったシーンは、ちょっと悲しかった。
 が、ロボとして再生するまでのチューニングシーンは面白く描かれている。

 ギャングのリーダー、クラレンスもかけたメガネが逆に厭味ったらしい感じで、悪役な雰囲気がよく出ていた。
 が、個人的には私はポンコツロボのED209がお気に入りである。コマ送りアニメ撮影によるぎこちない動き、渋い、威嚇的な音声も不気味で、大変良い味が出ている。そして、階段の上り下りができない情けなさがなんとも言えない感じである。

 クラレンスたちの追跡劇の中、ギャング仲間が工場廃液でドロドロにとけてしまうシーンもあったが、クラレンス自身は、意外に首への一撃であっさりと死んでしまうのがちょっとあっけなかった。


ポンコツロボットのED209。初登場シーンでいきなり、無実の人をなぶり殺しにしてしまった。威圧感のものすごい、しぶい声がとても魅力的である。

劇中の報道番組の合間のCM。恐竜の仕上がりや動きは少しちゃちだが、大変ユーモアにあふれている。「大きいことはいいことだ」、といういかにもアメリカらしいコピーのついた、車のコマーシャル。だがそれは、広大な国土があるからこそであり、日本とは事情が違いすぎる。

 

2020年11月3日火曜日

ショーン・コネリーさんが亡くなりました。

映画界のレジェンド、ショーン・コネリーさんが90歳で亡くなられました。ご冥福をお祈りします。

 ジェームズボンドをやっていたころ、それはそれはかっこいい人だなあ、と感心してみていたものだった。長身で均整のとれたスタイルはもとより、表情もダンディでクールな感じがしていた。亡くなった父が、「今日は007やるから見よう」と、放送日の晩になるとそう言っていたのを覚えている。子供だった私もつられて見はしたものの、印象的なシーンはところどころ覚えてはいるものの、ストーリーの完全な把握は全くできていなかった。そんな中での ショーンさんであった。

 後年の印象は、アンタッチャブルでの老警官の役などである。最近になってから、昔の浜美枝さんががボンドガールをしたころのフィルムを見たりし、往年の007映画を再鑑賞してみた。昔の映画であるにかかわらず、このシリーズは古臭さをそう感じさせない、秀逸な作品だなあと感じた。


どこか皮肉な意思を感じさせる目が魅惑的


近年のショーンさん。間違いなくおじいさんだが、やはりかっこいい。



2020年10月27日火曜日

復活の日(1980年)

1980年公開の映画で、海外タイトルは、「Virs」らしい。原作は、1964年に小松左京によって書かれた小説である。

 映画としてかなりの年季もので、私も子供だった時分のものだったため、題名がいまいちピンとこなかった。そのころ、「人間の証明」やら、「野生の証明」などといったなんやら響きに重さを感じさせるタイトルの映画が出回り、タイトルを見て小難しそうだなあ、と思ったきり、特に見たいとも何とも思わなかったものである。

 野生の証明は、主演の薬師丸ひろ子の薬師丸の「お父さん、怖いよ。何か来るよ。大勢でお父さんを殺しに来るよ」というセリフがCMで流れていたかな?という記憶と、人間の証明は、ずっと後で観た時に、「ぼくの帽子」という詩の中で、「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?ええ、夏、碓氷(うすい)から霧積(きりづみ)へゆくみちで、谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。」というのが劇中に流れていたのが印象的であった。

 その当時の映画には、それぞれのキャッチコピー的なものがあったようである。が、ジョーズだのエイリアンだのといった、わかりやすいハリウッド映画は、ストーリーが把握できなくても見て盛り上がれたものの、こういった大人向けの邦画は、当初はいまいちとりつきが悪かった。きちんと、事件の背景やら内情の把握、時系列の把握などといった、細かい設定を理解しないとわからないからである。

 この映画を初めて見たのも数年前くらいだった。米ソ冷戦時代の当時を反映する映画設定であり、「米ソは互いを粉砕することができる。そのために核兵器禁止条約によってお互いが手出しをできなくなった。そこで、新たな兵器が必要になったのだ。」とのセリフが。互いにつぶし合う、という時点でかなりまずいとしか言えなそうだが。そこで、このウィルスである。現在世界中で蔓延している新型コロナウィルスとかぶってしまう。

 人間の本性はとても獰猛で残忍、好戦的で同族搾取、支配、殺戮が大好きな種族である、と言えるのは悲しい。あたたかな、人間的な面ももちろんあるが、そんな人や立場ばかりではないから、現実面でも多種多様な問題が起きている。気違いが核ミサイルのスイッチや、その他重要兵器を握れば、この映画のように人類が滅んでしまうのである、とこの映画は訴えている。


 

2020年10月10日土曜日

シャイニング(1980年) ~往年の名作~

 

1921年、手前中央にいるジャックはすでにこのホテルにおり、ダンスホールで楽し気に写真に映っている。

「ジャックは最後、ホテルにとりこまれたために後から写真に参加した」という風に私はとらえていたが、ネット解説の一つに、次のようなことが書かれていた。そちらのほうにも納得したのだが、1921年にホールで映っていたジャックは実在し、その死後に、家族を殺して自分も猟銃自殺をした前の管理人・グレイディに転生し、その死後に現在のジャックに転生した、という見方があった。グレイディ事件の時系列に無理がなければ、それもありである。トイレのシーンで、グレイディが「あなたはずっと管理人ですよ」とジャックに言ったのが大変謎であったが、そのくだりもあるから、そちらの見立てが合っているのかもしれない。

 有名な名作ホラーなのでとりたててどうという書き込みもしないが、双子の女の子の亡霊のシーン、ダニーが廊下を三輪車で走るシーン、血が噴き出すエレベーターホール、風呂に現れた老婆の腐乱死体、客室からのぞき込む犬?妖怪と男、美しいが恐ろしい雪景色の巨大立体迷路など、象徴的な画像がもりだくさんであり、それらが美しく、大変印象深いところも名作たるゆえんと言える。

バタリアン(1985年)~往年の名作~

 


 特に売れっ子な俳優を際立たせるなどせずに、ストーリーの面白さでグイグイとすすむ展開が良かった。今はすっかり死語となり果てた?「オバタリアン」(オバハンをやや面白おかしく野次った感じ、別称的なもの)という単語はここから発祥していた。老婆ゾンビがちぎれた背骨をゆさゆさしながらしゃべる姿は強烈な印象をもたらし、すっかり有名に。そしてここから転じてオバタリアン、となったとか。

 生物標本の会社に就職した若い青年フレディ、その教育係のおじさん、フランク。フランクの悪ふざけによって、タンクの毒ガスがもれてしまい、街は大惨事に。暴れだした標本用の人間の死体の取り押さえに、駆け付けた社長とともに奮闘する。犬の半身標本も吠え出したりと、ドタバタ感があり面白い。

 葬儀屋アーニーの飄々とした感じもなかなか良かったが、フレディの死に至るまでの演技が意外と上手だったのではないか?という気がした。ガスを吸い込んでからどんどん具合が悪くなっていって半べそをかきながら痛みを訴え、一瞬の死亡時間をおいてから蘇り、バタリアンとなって凶暴に豹変するところも、演技を忘れさせる自然さがあった。

 問題解決なら爆破だ、という大変に大雑把な(アメリカ的?)発想により、バタリアンが大量発生した町がミサイルで吹き飛ばされる。が、問題解決には至っていない。バタリアンが吹き飛んだ煙や灰からまたガスが発生し、新たなバタリアンを生んでしまうからだ。この大雑把さが、次への不安要素を呼び寄せるラストとなっている。

奇跡の丘(1964年伊・仏)

 イエスの誕生から死、復活までのエピソードを描いている映画であり、登場人物の発するセリフシーンはものすごく少なく、あっても物語展開上の理解を促す程度のセリフ、ナレーション、もの悲しいアリアやコーラスが流れたりし、映像としてかなり象徴的な雰囲気が醸し出ている。

 初めてみたのはまだ若い会社員だったころである。仕事疲れか、お風呂に入らないでそのまま夜寝入ってしまうという生活をしていたことがあった。明け方に目が覚め、朝シャワーを浴びる、というのを一時期やっていたが、早朝枠?で自室においてあったテレビで放送していたものだと記憶している。

 なんだろう?と思いながらボーっと見てしまっていたが、どういうわけだか母マリアの顔、お告げ天使の顔、生誕を祝う学者の顔は、現在の動画サイトで見直してみたが、どれもああ、これこれこの顔だ、とずいぶん覚えていた。それだけ映像効果の強い作品だったと思われる。

イエス


あまりマリア(イエスの生母)らしくない、眼光鋭い少年顔の女性。


天からのお告げを届ける天使。

イエスの誕生に駆け付けた三人の学者の一人。

ジーザスクライストスーパースター(2018)

 

中央のグレーの人が主演のジョン・レジェンド、隣の黄色いドレスの女性(マグダラノマリア)がおり、手前の黄土色のスーツ、ヘビメタ風な人はアリス・クーパーという有名なロックスターらしい。

 イエス(ジーザス)は神の子、不思議な力を持ちすべてを悟る人で、自分がどうしていいかわからない人たちにこぞってすがりたたえられ、王に祭り上げられて、政治的権力者に目をつけられて殺されてしまう、といったあらすじだろうか。自分がどうしていいかわからない、体や心の病、ケガ、金銭、対人、仕事、その他複雑なものに関してのトラブルというのは人生から避けられないテーマである。そこから極力脱する方法はやはり、幸福が何かがわかっていないと難しい気がするが、現実との折り合いをつけながら自分の直感や感じ方を元に、どうしたら快適に生きられるかを知るところにあるかもしれない。どこかの記述にもあったが、本来人間が一人一人神様のようなものなので、自分を本当の意味で喜ばせられる方法に近づくことが幸せへの最善策なのだとか。


 こちらのお題目の初登場は、映画Jesus Christ Superstar (1973)であったらしい。動画サイトで少し見れるが、現代風にアレンジされ、音楽もロックとなって見やすい感じである。

 (実は高校時代、文化祭の出し物でミュージカルをした年があったのだが、ジーザス・・をやるかどうか皆で検討したことがあったが、著作権の問題があるなどで見送りにした経緯があった。著作権は50年有効で、などと話をしていた記憶がある。さらに、劇団四季さんの上演を参考にしようとしたが、ただ、写真を見てあまりのポーズの激しさや演技の難しそうな感じもあって、気後れも起きた。おそらく文化祭などの短時間で上演したとしても、規模が小さすぎた結果、何が言いたいのかわからない作品になりそうでもあった。)

 音楽的にはどれも名曲で、大変印象の強い曲なので、しばらく耳に残るくらいである。倍速で見飛ばしてストーリーがわかったからもういいや、という一度見きりの映画もあるが、それとは違って音楽を聴く、という意味で何度かリピート見したくなる感じである。そういったところからして、名作ミュージカルだと思える。

2020年10月6日火曜日

ポラロイド

 


 
 評価的にはB級ホラーという感じ。映画館ではなく家で観たせいか、画面が非常に暗いため、光が入りやすく、映画全体の画像が見づらかったこと。日常生活のいろいろな合間に見るには、いちいち室内を暗室のように暗くするわけにもいかず、なんとなく見るのに息切れが来てしまった。なので後半は展開の早い部分以外は2倍速で飛ばして観た。場所だの金銭面だのの制約がなければ、自分の映画館をつくりたいところである。

 呪われた写真機でうつした人物は、不可解な死を遂げる、という設定だが、闇の中から出てくるゴーストは、神出鬼没であり実態が本来はないはずなのに銃で撃つこともでき、出現時だけ実体化するのか??不思議な感じであった。Jホラー「リング」で呪いのビデオをみると貞子の怨霊に憑りつかれて死んでしまう、という設定にやや似ているが、幽霊が呪い殺すのではなく、モンスターが出没するあたりがやはり、アメリカな感じがする。


 

2020年9月29日火曜日

半沢直樹が終わりました。

 

豪華俳優陣の名演技が大変に光った。

 数年前の第一作で、敵だと思われていた大和田役員(香川照之)や金融庁の黒崎(愛之助)が、表面上はいがみ合うふりをして、いつの間にか本作で味方になった心強さがある。それぞれ、左遷や免職の危機を味わったあとで、半沢の側についており、これまでの自分を顧みた結果のようであった。

 ストーリーは見ての通りだが、半沢を取り巻く味方を演じる俳優たち(賀来、尾上、及川ら)や、名脇役たちも光っており、一つの良い作品となったと思う。大臣を演じた江口のりこさんも最近人気の俳優さんで、「事故物件」の映画の終盤で怪死をとげる不動産屋社員を演じている。幹事長を演じた柄本明さんもさすがであった。アンジャッシュの児嶋も、ボケをかましそうな感じをだしながらも、朴訥な秘書の役をこなしていた。

 最後に半沢の退職を引き留めた大和田の大芝居。半沢の気持ちをけなし、こんな銀行なんかつぶれてしまうぞ、と半沢のやる気に火をつけることに成功した。表面上は敵同士だが、大和田の愛情を感じるのであった。もちろんそれに気づいている半沢、にっこりして完結。というしめくくりだった。

2020年9月14日月曜日

クロール-凶暴領域-

 


 巨大ハリケーンに襲われたフロリダ。フロリダと言えば、ワニである。フロリダワニ園のワニは、5~6m以上あるかと思われ、ちょっとした恐竜のようである。日本のワニよりもずっと巨大でデップリとしたボリュームで、まちがっても一緒に泳ぎたくない類である。

 この話では、被災したと思われる父親を捜しに娘が救出に向かう。すでにワニが出現して襲われ、倒れていた父親。やがてワニに囲まれて地下室からの脱出も難しくなり、水かさも増してプールとなってしまった。この父娘以外の登場人物はほとんどワニに食い殺されてしまうというショッキングなものだが、ワニの数がとても多く、父娘が助かったのは映画ならでは、という感じである。

 父娘が絆を確かめ合いながら死と隣り合わせに・・、この展開はかつての映画「ディープ・インパクト」を思い出させるものがあった。テレビ局女性キャスター、ジェニー・ラーナーは、地球が惑星衝突で危機に瀕した中、箱舟メンバーとして選ばれ、安全な避難を約束された身だった。が、特権を放棄し、海辺の家へ向かい、断絶していた父親に会って絆を取り戻し、抱き締め合いながら津波にのまれていくという、もの悲しい展開である。

 こちらの作品も、二次災害は必至であり、危険だからわざわざ助けに行くべきではないというのは分かりすぎているのに、娘がけんかで疎遠になっていた父親のもとへ向かい、ともに助け合いながら生死のはざまで戦っていくのであった。自殺ともいえる救出行動だったので、これを思い出したのである。

 映画内の話だが、重大な局面を迎えた時ほど、身の危険を無視してでも、自分への許し、人生的な許しを求める行動をとりたくなる、というガンコ娘?のパターンなのだろうか。

 それにしても父親は体をかみつかれ、腕を食いちぎられ、娘は足、腕をかみつかれ、水中で振り回されと、本当だったら助からない襲われ方をしているが、観客へのサービスとしてたくさん見せ場を作ってくれたのかもしれない。

 付け足し・・せっかく地下室から抜け出せたのに、家の高いところに上らず、堤防が決壊するから通り向かいのボートに乗ろうと提案した父親。 うようよ泳ぐワニを振り払い(現実だったら無理)、乗船に成功した。そして決壊の大水が来れば転覆・大破の危険があるから舟は本当にやめた方がいいと思うが、家の中に押し流されて逆戻りし、船もひっくり返ってしまう。「ボートに乗ろう」と言っていたあたりから、エッ、と思ったが、完全に判断ミス。が、そのあとの展開でワニ恐怖シーンがさらに展開するので、これがなくてはいけなかったのだろう。



2020年9月11日金曜日

「事故物件 恐い間取り」を観てきました

 


 コロナ騒動のために怖くなって年明け1度くらいしか映画館に行っていなかったが、子供からのリクエストもあり、一緒に見に行くことにした。

 ビル管理法と興行場法の基準を満たし、感染防止管理をきちんと行っています、ということで、それをうのみにしないにしても、感染者が発生していなさそうだという判断をして、行くことにした。

 こちらも借家住まいなので、事故物件のことには「大島てる」なども閲覧してアンテナを張っているが、自宅に関してはそういう該当はないものの、ナイターで観覧したので、恐怖感が深まってしまいそうであった。

 松原タニシ、という実際に事故物件に住んでいる芸人の話を映画化したものだが、やはり事故物件に住みまくって何も起こらないわけではなさそうである。世の中、科学では説明のつかないことは普通にある気がする。いやな予感がする、とか、ピンとくる、とか、頭の中にやけに浮かんでくる、などといった第六感的なものもそうだし、そこにかかわったがために事故・病気などの災難に見舞われる、というのはやはり、科学では説明がつかない。触らぬ神にたたりなし、としか言えない。

 私が実際に聞いた話は何年も前にブログで書いたが、賃貸物件で広さがあるわりに異様に賃料が安いために理由をきいたところ、やはり事故物件で、それを小馬鹿にして住んだ人にも災いがふりかかり、無事ではすまなかったらしく、結局空き家になってしまった、という後日談を不動産業者からきいた話である。(地方の物件)

 本編の話に戻る。気が付くと事故物件の部屋で自殺しそうになっていたり、人がいないのに玄関のチャイムが鳴ったり声が聞こえる、などの事件から、幽霊オールスター出没・大乱闘にまでことが大きくなってしまい、怖いながらもドタバタ感もあった。そしてクライマックスではラスボスのようなもの(死神的な)がやってきて、お札もきかず、大変なピンチを迎え、仲間に助けられてようやく命をとりとめた。が、後日、物件を紹介してくれた不動産屋の女性が奇怪な事故死をするなど、最後まで安心させないオチがあった。

 

2020年8月23日日曜日

人面魚(2018年台湾)

  20年以上前にポケットビスケッツというユニットで日本で活躍していたビビアン・スーが出演している。人面魚、というよりも「大悪霊」、というタイトルのほうが合っている気がした。強力な悪霊がいろんなものに取りついて鬼に変化し、人々に襲い掛かるからである。

 エクソシスト的な役割を果たす役の俳優が、西島秀俊系の俳優を思い出させる顔であった。それはさておき、ビビアン・スーが悪霊に取りつかれてからの顔が、あまりに怖すぎて印象的だった。ゾンビ映画にもそのまま出演できそうな感じである。

悪魔にまだ変身していないときの顔だが、それですらすでに怖い。


2020年8月19日水曜日

ターミネーター4(2009年)

 

ジョン・コナー役を有名俳優のクリスチャン・ベールが演じている。他には、レジスタンスの女性たちにきれいどころを揃えた、といった感じだろうか。

タイトルだけで十分魅力的なのでもちろん、公開時にはロードショーを観覧したが、ストーリーのインパクトとしては、いまいち??WOWWOW放送での今回の鑑賞まで内容をほとんど忘れたまま、10年ほどほったらかしにしていた。

 ターミネーターというくらいなのだから、人型サイボーグT-800シリーズの骸骨のようなメタル骨格のおどろおどろしさは、見どころでもあり、毎回披露されなければいけない。(お約束のようなもの)

なので、1作目から何十年たっても、ターミネーターの世界の中では、戦乱が解決してはいけないのである。スカイネットの誕生を阻止しようとしたり、1作ごとに人類の敵を葬ろうとも、常に敵がタイムワープをしかけてきて、人類存続のキーマンを抹殺しにやって来るのである。 が、阻止がうまくいっているのにもかかわらず、ターミネーターが未来からやってくるのはどういうことなのだろうか。

 本作はターミネーター候補を極秘に作り、未来にもっていこうとする意図を持つ者が登場しているので、スカイネット阻止は難しいぞという伏線になるだろうか。人類抵抗軍にしのびこませて、ジョン、カイルなどの重要人物の抹殺をねらったものだが、メタルボディになったものの、本人の人間性が奪われず、最後までジョン・コナーの味方として命を助けた、という話となったが。

 作品的には少々その場しのぎ的な、1話完結の付け足し感を感じずにはいられないが、娯楽作品としては、俳優の力を借りてなんとか仕上がったというところかもしれない。

 追記:本作の味わいどころは、追いかけてくる巨大ロボットや敵基地内メカから発する不気味な音(ブービー音?)、不気味なバイク型ターミネーターのシーンだと思った。と、考えると、メカファンにとっては見どころの多い映画なのかもしれない。

追いかけてくるとなかなか怖い、モト・ターミネーター



2020年8月17日月曜日

ターミネーター3(2003年)

 

ジョン・コナー役の俳優さんの外見に、言いたい放題の、ずいぶんと酷いイチャモンをつけてみた。顔をやたらと暑苦しく感じさせるゲジゲジ眉毛。目元はかなり少年ぽい雰囲気の童顔だが、若いのにやけに広く、早々に禿げ上がりそうな予感のする額。顔がやせていてややハリに欠け、早々にほうれい線の出てきそうな、頬。清潔感に欠ける、うっすらと生えた無精ひげ。役柄上の演出もあると思うが、顔相的に貧相さが目立ち、包容力のあまりなさそうな、頼りなさそうな風貌。ジョン・コナーを演じる俳優さんの外見が、個人的に役柄に求めてしまっている好みの正反対だった、という個人的すぎるイチャモンがあり、大変申し訳なく思った。(追記:実はこの俳優さんがやせ細りすぎて貧相だ、と他の人からも言われていたようである。ドラッグ中毒があったり、健康状態があまり良くなかったのかもしれない。)

 一方、完璧な美貌とスタイルをもつ、新型ターミネーターを演じた女優さんがあまりにもきれいすぎて、むしろこの役にはもったいない感じもしたが、以降の出演作と比べると、この映画が代表作のひとつとなっただろうか。

 婚約者を殺されたケイトとジョンの運命は思わぬ方向に流れていき、止められると思った核戦争は止められず、シュワ演じるT-850式ロボットの任務は、二人を生存させることのみであった。

 誘導されてたどり着いた目的の基地が、じつは二人のための核シェルターで、他の人類の大部分はは結局核でやられてしまう、というオチであった。ここでもやはり、ホラー的な要素を感じた。結果として起こる、人類の死滅と、核シェルターがエジプトのピラミッドの内部を思い出させるような、お墓のような雰囲気を感じさせ、とても孤独感を深める気がするのである。

(追記:)見どころの一つとして、シュワとターミネーターの放り投げ合戦が面白い。大男であるシュワちゃんが軽々とふっとんで壁だの天井だのに刺さり、ターミネーターも同じくそんな状態となる取っ組み合いに、なんやら面白みを感じた。




ターミネーター2(1991年)

 

2からはシュワちゃんは、いい人で味方役に転じた。理由はやはり、彼の人気が高まり、悪役のままだと倒されて終わってしまい、続作に登場させにくくなってしまうからなのではないだろうか。

 いい人になった途端、敵役のロボットは彼をしのぐ強力なタイプがやってきて、絶体絶命のピンチに陥る、というパターン。新型ターミネーターは、液体金属でできていて、銃撃しても全く壊れない、という恐ろしいしぶとさを持つ。

 最後にT-800であるシュワちゃんはコナー親子に惜しまれながら、ロボットが再度作られないように自身に内臓されているチップを破壊すべく、溶鉱炉の中へ消えていき、観る人をしんみりさせた。

 サラ・コナーを演じるリンダ・ハミルトンさんは、自身の体を強化し、シェイプアップした筋肉美のボディを披露し、したたかな強い女性を演じた。少年役のエドワード・ファーロングさんは、美少年として一世を風靡したが、その後の彼の状況は残念なことに薬物や飲酒におぼれ、精神的にもすさみ、太って老け、顔つきも不健康になって容貌が衰え、多くの人たちに失望された模様だが、心の問題を解決してどうにか立ち直って欲しい。

 この映画にホラー要素を感じるのは、最終核戦争によって人々が死滅するのを、サラ・コナーが何度も夢に見る、その情景である。爆弾が落ちて炸裂し、ものすごい熱線が外で子供を遊ばせている家族を襲う。みんなに爆弾が来るから逃げて、と警告にかけつけたサラも炎に包まれて、ワァーーーー!と悲鳴をあげて炎に包まれ、その場にいた全員が数千度以上の熱にさらされて発火する。

 ホラーは、造り話のものと、ある物事の結果として当然起こりうる悲劇や恐怖をえぐりだしたものとあるが、後者のほうが怖い。作り話はあくまでも作り話で、その場でしか怖くない感じがするのである。が、事実起こりえることから描いた恐怖は、本物の事実だから怖い。75年前に広島・長崎で原爆が落とされ、数千度の熱で大勢の人が焼かれたのだから、核爆弾を投下した結果は、必ず起こる事実である。


2020年8月5日水曜日

ターミネーター(1984年)


おなじみのA・シュワルツェネッガーのジャケットは、有名すぎるので割愛。

 近未来SFの金字塔とも言っていいような、ターミネーター第一作は、ストーリーの仕立て方も良く、設定も公開当時は斬新であった。
 さらにホラー的な要素も強く、サイボーグのむき出しの素顔は凶悪な様相のドクロそっくりで、コマ撮り撮影された動きが却っておどろおどろしく、不気味感が増している感じがした。
(話がそれてオタク感の強い話題になるが、映画「ロボコップ」に出てくる治安維持ロボット「ED-209」もコマ撮りされており、その動きもおどろおどろしく、個人的にはとても気に入っている)

 秘めた意思の強さを感じさせるサラ・コナー役の女性は、大変素敵な方ではあるが、昨今のモデル顔負けなルックスの女優達とは違い、美人とは言えないが、うわついた感がなく却って物語にのめりこませてくれるものがあった。カイルについても、命がけでサラを支えた姿にやさしさと愛情を感じ、終盤で死んでしまった後、サラを通じて寂しさが伝わった。

 また、当時はボディビルダーとして有名だったらしいシュワルツェネッガーが、俳優として世に出始めたころの作品であっただろうか。彼の動きが恰好よく、素晴らしかったので、この映画が成功した一因ともなっただろう。

 そして、この映画はその当時としてはかなり新しい世界観を持たせた、体当たりの企画だった、と言えると思う。

 話はいくつかの局面に分かれて、サラと警護者のカイルが出会い、ディスコ店内銃乱発、警察署内銃撃事件、モーテルでの一夜、機械工場でのシーンが大まかである。カイルを完全に不審者扱いをしていたサラが、シーンを通じてようやく、彼の使命について納得・理解して愛情を感じるようになっていく、という一作業感。それでもターミネーターの追跡は止まず、場所を転々としながら、危険がつねにつきまとうハラハラ感。

 話が停滞してしまうため、やむない演出だったのだとは思うが、サラはやってはいけないことを二度もしでかした。
 本人留守中の自宅にいた友人宛に電話したせいで、たまたま家に侵入して友人をサラだと思って殺害したターミネーターに、自身の不在を知らせてしまった。おまけに、連絡先の書いた電話帳まで盗ませてしまったこと。
 連絡帳から探し当てたお母さんの存在の察知により、お母さんを(たぶん)殺して擬声で応答するターミネーターに、電話で逃亡先の電話番号を教えてしまったこと。所在地を隠したつもりだろうが、伝えられた番号に電話してきけばいいだけの話であり、見事に居所がばれてしまった。

 そういう訳で何度も危機を迎え、最後はカイルは死んでしまったが、ターミネーターも破壊することができた。そしてもしかすると、人類抵抗軍の指導者が生まれるという歴史は、そもそも変えられないということなのかもしれない。
 エンディングの写真、サラの悲しそうな顔は、カイルの死と悲しみを乗り越え、すすんでいかなければならない将来を憂いた表情が写った、といった感じだろうか。

追記:逃亡中に流れるBGMも、ハラハラ感に合わせて流れており、良いと思う。


2020年7月25日土曜日

パンドラⅣ・AI戦争(ドラマ)


 向井理さん主演のドラマ。AIの台頭によって職場を追われる危機に瀕する医師たち。人に頭を下げられることに慣れ切り、医師になれば一生安泰だと思っていた人たちが、環境の変化によってパニックに陥り、AIとの交戦を臨もうと考えたりする。

 AIが正確な診断を下せるというのが実証されてすぐに、医師の人員整理を行う考えを示した経営者。死期がせまっていると言われたにしても(AIがわざと誤診)、あまりにやっていることがムチャクチャすぎ、やはり、最後に手痛いしっぺ返しをくらう。
 渡部篤郎がこのクセの強い役どころをうまく演じていた。勝手気ままな感想を言うと、お金持ちの役なのだが、老けて痩せすぎてみすぼらしい感じが出ないように、もう少し筋肉と脂肪をつけたほうがいいかなと思った。

 リアリティを感じさせたのが、AIが起こしたミスについて、AIは自分で判断しながら物事を学んでいく進化の過程上、わざとミスを犯して破壊的なことをしている、という分析結果が出た、ということ。子供がわざと積み木ブロックを崩したりしながらうまい積み上げ方を学ぶのと同じように、という話。本当かどうかわからないが、なんとなく納得するような展開となった。

 AIの一部品だとまで言われた主人公だったが、母親の死や思い出、山里での老医師との出会いを通じて考え直し、のちに山里の小さな診療所で「人対人」を大事にした診療を始める。だが、諸事情で収監された経営者社長が、今後もAI事業をあきらめないように、主人公も人間と共存できるAIを復活させたいと思っている、という演出で、最後をしめくくっていた。

 

レプリカズ



久しぶりにキアヌ・リーブスを見たら、年齢相応におじさんになっていた感じがする。若々しい方ではあると思うが、顔の重厚感が増していて、妻役の人とは年齢的に離れている感じがした。

 さておき、これは近未来のSFストーリーで、死んだ人の記憶や思考を、新しい体(ロボットやクローン)に移し替えるという技術を描いた話であった。
 なので、死者を取り巻く人にとっては、変わらない妻であったり知人であり、レプリカにとっても今までずっと生きてきた自分そのものだけれど、大元の本人は完全にあの世に旅立っているだろうと思われる。レプリカ=複製、本物から思考回路をコピーしただけで、本物になったつもりなだけだからである。

 思考を写し取り、移植する技術があればすごいと思うが、細胞のかたまり?から17日間で完全に人体を再生させるクローン技術も開発済という設定。
 展開的にはややご都合主義的な感じもあったが、映画の題材として思いつく技術である以上、世界の極秘研究はもしかするとこちらを目指しているかもしれない。

 主人公の思考をコピーしたロボットが、研究所を事実上乗っ取った形となって、富裕層ビジネスでレプリカズをこれから増やしていきそうな感じで終わっていたが、お金をいくら積んでもレプリカにデータ提供だけして、本人はあくまでもあの世行きなんだろうなという感想だった。

2020年7月23日木曜日

スノーホワイト(2012年)

左から、クリステン・スチュワート、シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース。

 ディズニーの白雪姫と違い実写版で、悪い女王の魔法が際立ってスペクタクルに描かれており、画像として素晴らしいものがあった。筋書きは原作そのままなので、ちょっとダレてしまいそうなところもあったが。

 甲冑をつけ戦う白雪姫にクリステン・Sはとても良く合うし、悪い魔女である継母を演じるシャーリーズ・セロンも役にぴったりであった。白雪姫の剣に身をひるがえして軽々とよける身のこなしも、大変したたかな感じがして良いと思った。

 ストーリーとしてはいまいち、目新しさはなかった。が、実写版ファンタジーとして、中世風の城や、黒い森、黒い魔術の映像などの独特な雰囲気を味わうには良い映画であると思った。


2020年7月8日水曜日

ビリギャル



原作はたしか読んだ覚えがあるのだが、WOWWOWで放映されていたので映画を観覧した。
 落ちこぼれ高校生が塾の先生に助けられながら、慶応大学に合格した実話。とても感動的な話だが、誰もがこのような劇的な出会い、劇的な人生を歩むはずもなく、十人いれば人生は十人十色だと思う。
 思えば高校生だった時代の私は、残念なことに、バレーボール部に所属してしまったために練習ばかり、勉強しないことが当たり前になってしまって、それを引きずってしまった感がある。残されたのは、筋力と体力くらいだろうか。

 物語は副題そのままなので特に書かないが、有村架純がやっぱりかわいい~、という感想だろうか。タヌキ顔、なごみ顔というのか、人懐っこさを感じる愛嬌顔である。

2020年7月3日金曜日

ジャックと天空の巨人



主演のニコラス・ホルトさんが、どうしても日本の 遣都さんとイメージがかぶってしかたがない。系統的には似通った顔立ちなのだろうか。


この映画では巨人たちのキャラクターがこまかにバラエティに富ませた形でよく描かれていたと思う。
 ラストシーンで、巨人を制した伝説の王冠が、博物館に保管されているのをずる賢そうな目つきでにやりと見続ける少年。目つきがロデリックにそっくりである。説明はどこにもないが、生まれ変わった(または、子孫?の)彼が、また王冠を狙って悪いことを企む、というのを暗示している感じである。



2020年6月16日火曜日

デッド・シティ2055



人間の欲望を満たすべく、レプリカントというAI搭載の人造人間を相手にならば、性暴力・虐待、殺人もOKだというリゾート都市Viceを作り上げた企業経営者。(ブルース・ウィリス)
 ところが一度非人道的行為にのめりこんだユーザーは、現実世界でも破壊行為を行いだすようになった。が、企業は富裕層を対象に巨額の利益を得て、警察までも買収してやりたい放題になる。

 レプリカントというと真っ先に思いつくのがブレードランナーだが、それはおいておいて、AI搭載で死ぬと記憶をリセットされて、蘇生措置を行えば何度も蘇るというのがこの話のレプリカントであった。

 もちろん、AIに人権などはない。が、自我に目覚めてしまうとなると、矛盾が生じてくる可能性が高い。
 また、「ピラミッドを見て、ファラオを見る人は、いない。」現象を見て、その背後にいる黒幕や扇動者には気づかないのだ、というようなことを企業主(ブルース・W)が言っていた。大衆をバカにしきっている。
 今の世の中や、今後の世の中に起きるかもしれない問題の縮図のような話である。

 記憶をうまくリセットできなくなったレプリカントのケリーが、混乱しつつもシティを抜け出しさまよう。造り主の科学者が、亡くなった奥さんに似せてケリーを造り、その後ケリーをかくまうが、彼はシティの追跡者の銃弾に倒れ、命を落とすというやや切ないシーンもあった。
 が、その後、シティに疑念を抱き続けてきた刑事と協力し合い、シティをつぶし、自由の身になる。

 レプリカントなので、人間と同じサイクルで体に変化があるのか、メンテナンスやらが必要になるのかは説明にないので、その後の彼らがどのように生きていけるかはよくわからない。


2020年3月22日日曜日

コララインとボタンの魔女


ピンクパレスアパートに引っ越してきたコララインの一家。そこで不思議な体験をするコララインの冒険物語。

秘密の扉を開けて小道をくぐると、そこには第二の家族が待っていた。ところが、そこには大きなワナがしかけられていて、目をボタンに変えられて永久にそこに縛り付けられてしまう、という恐ろしい魔女の企みが隠されていた。

2020年3月18日水曜日

Vフォー・ヴェンデッタ

怪人Vを演じるのは、マトリックスのエージェントスミスを演じた、ヒューゴ・ウィービングであった。
 ナタリー・ポートマンを初めて認識したのは、2010年ごろの「ブラック・スワン」以降であったと思うが(スターウォーズのパドメ・アミダラも演じていたようだが)、こちらの方がブラック・スワンよりも前に作成された映画であった。やはり美人は髪を全刈り上げにしても美人なのだなあ、とつくづく思った。

 この作品は、「人は死んでも理念は死なず」という思想を格好よく貫いた映画である。
 現実世界でも起こっているかもしれない、政府による人民のコントロール、迫害、それに対抗しようとするVと政府の施政者との闘いが描かれている。弱いものはいずれ、どこでも迫害を受ける。がしかし、本当の正義は何なのか、みんな立ち上がれ!というエールを感じさせる映画でもある。
 また、Vがめっぽう戦闘に強く、アクションシーンも見ものとなっている。



2020年3月16日月曜日

30デイズナイト(30days of night 2007年カナダ)

極寒の北の地に、「極夜(北極圏や南極圏などで太陽が昇らない日々が続く状態)」の30日間がやってきた。バンパイアの群れがそこに襲い掛かり、村ごと全滅の危機に瀕する。

極夜になる前に飛び立つ最後の便の飛行機、それに乗り遅れまいと帰途を急ぎ村を出る人々。ヒロインもそのうちの一人であったが、車の事故により出遅れ、飛行機に乗れなかった。そのために恐ろしい一か月を過ごすことに。

 村人が一人、また一人とバンパイアにやられていき、隠れても見つかるのは時間の問題のようであった。ほんの一時をやり過ごせるような屋根裏の隠れ部屋。それでもそこを出ていこうとじっとできない者もいて、外に出て見つかったりと、どこかに逃げるしか方法はなかった。
 敵も知恵者で、村に火を放つ方法で、隠れた者をあぶり出しにかかった・・。映画やドラマですでにおなじみの、「ゾンビ」も不気味であるが、知恵がある分、こちらのほうが手ごわい相手である。

2020年3月14日土曜日

ゼット・ワールド(SICK 2014年 カナダ)


コロナ感染拡大のさなか、こちらをDVDレンタルした。
 母の難病を直すための研究をしていた科学者、安全な住居と食料を求め続ける生存者=追いはぎ?(追いはぎ集団の中でも弱者いじめ・いがみ合いも描かれ、殺伐としている。)人間を見つけると襲ってくる感染者(ゾンビ)たちが描かれている。普段見ていれば、ただのありきたりゾンビ映画であるが、その中の世界では感染しても生き残っても悲惨である。

 感染者が生存者をはるかに超え、政府も崩壊したと思われる中、追いはぎのうちの一人が「政府はどこかに隠れて、一般人が死滅するのを待っている」、科学者の発言「ゾンビ(=ウィルス)は1年間活動可能だと思われる」などの発言に、現実に起きなければいいがと思わせてしまう怖さがある。

 病気の克服には、感染しても発症しない人間の血液がヒントとなっているが、コロナウィルスについても同じようなことが解決のカギとなっているのだろうか。


2020年3月11日水曜日

トランス・ワールド

 往年の有名アーケード・ゲーム「パックマン」に例えられた、画面スクロール様世界が舞台となっている。森を抜けようと走り続けても、元の小屋の前にたどりついてしまう、いわゆる「堂々巡り閉鎖空間」ものである。

 3人、4人と迷い人が増えて小屋に結局戻ってきてしまう中、ありえないことがわかる。互いが親子関係、4人集まって4代の親子ということが判明した。不思議な異空間の中、トムが、運命は変えられるのだ、と言い始め、曾祖父の男の命を救うことに。


真ん中のトムを演じているのは、大物俳優クリント・イーストウッドの息子、スコット・イーストウッドさん。優しい目元から飾らぬ性格がにじみ出ている。

2020年3月1日日曜日

スーパーマンの呪い


スーパーマン映画に出演した俳優たちに次々と降りかかる、呪いともいわれる不幸な事故・出来事が多発し、有名な都市伝説ともなっている。
 スーパーマンが世に出るとき、制作側のいざこざがかなりひどかったようだが、そこから悪いものを取り込んでしまったのかもしれない。



400デイズ


宇宙船シュミレーション訓練で、地下施設に400日間カンヅメ状態で過ごす4人の訓練飛行士。幻覚や不気味な人物の乱入で、だんだん不穏なものになっていき、侵入者の存在により外部へと出る飛行士。

するとそこは、人類が滅亡寸前状態?に陥った社会で・・。4人のうち二人は行方不明となり、残りも命からがら逃げ、あわや殺されそうになる。
 それでもタイマーが400日を告げたとたん、訓練でした、というオチがくるというのは、あまりにもムチャクチャすぎる(殺されてしまったしれないのに)と思った。

主演俳優がかなり整ったイケメンだが、後からこの人は、「スーパーマンリターンズ(2006)」に出演している俳優だということがわかった。
ブランドン・ラウスさん。「スーパーマンの呪い」ジンクスに負けないでほしい。



2020年2月9日日曜日

Walking Z(原題・Waste Land)


ストーリー的には、イマイチで、ナンパして知り合った女性にプロポーズをするエピソードなどを交えながら、ゾンビからの隠遁生活を中心に話が進んでいく。

 彼女が両親を心配してロンドンに行きたい、安全のための引きこもり生活に嫌気がさしたと言って隠れ家を出て行った。そんな彼女が戻ってくると信じてやまず、ひたすらゾンビを殺しつつ、周辺から水や食料を調達しながら粗末な隠れ家に引きこもる主人公。

 ゾンビになってしまうのも嫌だが、この生活もこれで見ていて全く共感性がなく、面白くない感じで見ているしかなかった。物語がグダグダになるべくしてなっていたというのか。無線で知り合った夫婦にも危機が訪れたらしく、とうとう共倒れになり、無線での別れを告げ、以来、話し相手のいない日々を送る。

 彼女がついに戻ってきた。が、すでにゾンビに腕をかまれており、変身したタイミングで頭を打ち抜いて別れを告げた。その後、主人公はとうとう家を出た。
 無線の知り合いだった人の家に入り、知り合った10代の女の子。ゾンビウイルスへの免疫を持つため、研究をしてもらうためにフランスを目指すことに。その途中、主人公もとうとうゾンビから傷を負い、前途がなくなってしまった。

 そしてその免疫を持つ女の子が主人公に「あなたは私と人類を救ったの。」などと早々と断言した。いや・・、まだしょ・・。フランス、全然着いてないし、ゾンビもまだたくさんいるでしょ???免疫あっても食べられたら死んじゃうよ?!と思うこちらの思いをよそに、場面は暗転し、エンドロールに。途中までのグダグダ感と、えっ、と思わせる後半の尻切れトンボ感。なんとも残念な仕上がりである。

追記:この主人公のshameer seepersandさんを見ていて、ずっと黒人だと思っていたが、途中でインド人だろうか?という疑問をふと抱いた。色が黒くてわからないのである。が、鼻筋の通り方がインド系??な感じもして調べてみたが、インディアン系アメリカ人(ネイティブアメリカン)、かもしれない記述もあった。人種がわからない人も一部いるものだなあと思った。

2020年2月8日土曜日

移動都市 モータル・エンジン


独特の世界観があり、飛行船なども優美に描かれていて雰囲気があった。都市がなぜ移動型になったのかは説明が何もなかったと思ったが、現実的に考えると、天変地異から逃げる、という意味では一番そうなのかもしれない。

 マトリックスのエージェント・スミスを演じていた俳優が、やはりここでも自分の支配欲に走る悪役を演じていた。

ヒューゴ・ウィーヴィング。悪役、というよりは、ガンコ者という印象の顔付きだ。だが顔型的に、つり眼系サングラスをすると、急に人相が悪くなるようである。

2020年1月26日日曜日

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2015)

2008年に起こった、リーマンショックを題材にした映画。

クリスチャン・ベールやブラッドピットのほかにも、ブレードランナー2049やラ・ラ・ランドに出演しているライアン・ゴズリングなど、豪華俳優陣が出ていた。

 数字ばかりを朴訥に追いかけ続けるベール、金融界の矛盾や悪を追求する姿勢のカレルなど、優良債権だと言われ続けたプライムローンに疑問を持ち始めた人たちがいた。

 無審査でガンガン住宅ローンを貸し付け、借りる側も、無条件で貸してくれるから何件も借りまくるという異常性、なぜかそれにAAAという評価がつけられ、債券価格が上昇を続けた。銀行も証券会社も債券販売の手数料が入るためにノリノリで販売を続ける中、暴落を視野に入れて空売りをはじめたベールに首をかしげていた。

 お金を返す、ということが賭け事の中身となった合成金融商品が大量に作られるらしい。金融のバブル性が指摘される作品であった。

2020年1月25日土曜日

オキュラス 怨霊鏡

数百年の間にこの鏡を所有した人たちが、みな不審な死をとげていた。呪いの鏡と知らずに鏡を購入したある家族にも、不幸が訪れる。母を射殺し、姉を殺そうとした父を射殺してしまった弟は、精神病院送りになる。

 アンティークな鏡は、なにか不思議な魔力をたたえているような感じがすることがある。そこから話を作ったのではないだろうか、という映画。

 鏡の怪奇現象を記録するべく、精神病院から退院した弟と協力しながら録画を続ける姉であったが、やがて起こりだした怪奇現象に取りつかれていく。

 リンゴを食べようとしたら、外した電球をかじり、口の中が血まみれに。と、思ったら幻覚で、口の中はなんともなかった。幻だと確信して刺した相手が、瀕死の重傷をおった恋人だったりと、何が何だかわからなくなり、パニックに落ちていく。

 そしてやはり、幻覚にだまされ、鏡を破壊するつもりだったのに姉をとうとう殺してしまった弟。
 そうなるまでに、不気味なゴーストたちの出現や、恐ろしい過去の記憶の再現を織り交ぜながら、恐怖感たっぷりに物語が進行し、かなり雰囲気の怖い映画に仕上がっていると思う。

 ゴーストたちも不気味だが、それよりも実際の人間が幻覚にとらわれて現実がわからなくなったり、本当の狂気に陥ってしまうところが恐ろしいと思える作品だった。

2020年1月10日金曜日

ナイトメア・シャーク

ラストシーンで出てきた?悪夢ザメ。本物っぽくないので、あまり怖さがない。

夢を見るとサメが出てきて追いかけられる、という「エルム街の悪夢」とサメパニックを掛け合わせたようなサメ&悪夢もの。

サメの悪夢を見続ける原因は、恐怖体験からくるものだという話からはじまり、悪夢研究学者?がネットで該当者を募り、治療をしていく。

サメばかりではなく、不気味な街の風景や、死んでしまった家族がゾンビのようなたたずまいで夢の冒頭に出てきたりと、演出上の構成はわりとよくできている。

研究学者がじつは、悪魔(サメ)崇拝のために、悪夢を見る若者たちをいけにえにする、というエピソードも夢だったりし、結局、治療が終わっておめでとう、という展開になる。

が、治療を終えた女性が、水を飲みたいわと台所に立ち、大きなコップに水を汲んだあたりから、何かありそうだという雰囲気がただよう。水を飲みながら、本人が大きなサメになってしまうのか、などの展開も予想したが、窓の外に海が広がり、上に張り付けた写真の風景が広がり、エンディングとなった。