2からはシュワちゃんは、いい人で味方役に転じた。理由はやはり、彼の人気が高まり、悪役のままだと倒されて終わってしまい、続作に登場させにくくなってしまうからなのではないだろうか。 |
いい人になった途端、敵役のロボットは彼をしのぐ強力なタイプがやってきて、絶体絶命のピンチに陥る、というパターン。新型ターミネーターは、液体金属でできていて、銃撃しても全く壊れない、という恐ろしいしぶとさを持つ。
最後にT-800であるシュワちゃんはコナー親子に惜しまれながら、ロボットが再度作られないように自身に内臓されているチップを破壊すべく、溶鉱炉の中へ消えていき、観る人をしんみりさせた。
サラ・コナーを演じるリンダ・ハミルトンさんは、自身の体を強化し、シェイプアップした筋肉美のボディを披露し、したたかな強い女性を演じた。少年役のエドワード・ファーロングさんは、美少年として一世を風靡したが、その後の彼の状況は残念なことに薬物や飲酒におぼれ、精神的にもすさみ、太って老け、顔つきも不健康になって容貌が衰え、多くの人たちに失望された模様だが、心の問題を解決してどうにか立ち直って欲しい。
この映画にホラー要素を感じるのは、最終核戦争によって人々が死滅するのを、サラ・コナーが何度も夢に見る、その情景である。爆弾が落ちて炸裂し、ものすごい熱線が外で子供を遊ばせている家族を襲う。みんなに爆弾が来るから逃げて、と警告にかけつけたサラも炎に包まれて、ワァーーーー!と悲鳴をあげて炎に包まれ、その場にいた全員が数千度以上の熱にさらされて発火する。
ホラーは、造り話のものと、ある物事の結果として当然起こりうる悲劇や恐怖をえぐりだしたものとあるが、後者のほうが怖い。作り話はあくまでも作り話で、その場でしか怖くない感じがするのである。が、事実起こりえることから描いた恐怖は、本物の事実だから怖い。75年前に広島・長崎で原爆が落とされ、数千度の熱で大勢の人が焼かれたのだから、核爆弾を投下した結果は、必ず起こる事実である。