2022年12月30日金曜日

ゾンビ・バスターズ(2010年 アメリカ)

 


いわゆるゾンビものB級映画で、バスターというほど殺しまくる感じは出ていない。

ある研究所で死んだ妻を生き返らせるために研究した博士により、妻がゾンビとして生き返り、そもそもの発端になった。妻は死んでから数カ月もたっているのに、普通の人(色つやが良すぎる)がただ寝ているだけ感、という不思議感。いろいろ適当な部分があって突っ込みどころが満載であった。

車の運転もラフすぎて、踏まなくてもよい障害物をわざわざ踏んでのパンク。車を降りてゾンビに襲われるのだが、助けてくれた保安官の車でも不思議事象。車の窓が、一般のガラスのようにガシャーンといって割れ、ゾンビにつかまった保安官もそうっとおろされるかのような引きずり落され方をするし、演出がいちいち不自然であった。

その後主人公がたどり着いた住居のようなものが、1階がぼろぼろの崩れそうな掘立小屋状態で2階部分はきれいにしっくい?で整えられた一般家屋。上階と1階の状態の落差がひどく、1階は木の板数本で壁ができており、すぐにゾンビたちにやぶられそうなひどさ。二階はきれいでふんわりしたベッドもあり、まったく不思議家屋である。

その家屋にいた男女は、主人公以外に荒くれ者のニール、連れの女性、女性姉妹二名と男性1名。あとから、不時着のヘリからの男性兵士1名。兵士から、この地域一帯は爆撃で一掃されるということをきいて、車で脱出しようにもガソリンがないため、2.5km離れた隣町に調達に行く。ゾンビからかくれるために夜の決行であった。作戦中、ニールがたばこが吸いたいために余計な音をだしてゾンビらをひきつけてしまい、主人公の足を引っ張るのもいかにもである。

滞在中のゾンビからの襲撃により、かまれた女性がゾンビ化、ニールもやられてゾンビ化。具合が悪い、怪物になりたくないと言っているのにかたくなにそうはならない、と全否定したあげく、やられるニールのバカさ加減もこういう映画のデフォかもしれない。

ライフルを手にゾンビをうち、仲間のゾンビ化した男性を撃って落ち込み、家屋内で姉が亡くなり、はげしく落ち込む妹。が、ひどく落ち込んだ割には次のシーンでは、テキパキと脱出のための板はがしを手伝い、なんやら切り替えが異常な速さであり、やはり演出が変な感じである。その激しい落ち込みの演出は、かえっていらないかと思われる。

ガソリンを入れてやっと走り出した車の中で、生き残った主人公とにっこり見つめあう妹。なんか不必要な雰囲気が流れて、えっ、このタイミングでその演出?いらないのではないかと思わせてくる。

とまあ、いろいろ変な感じがしたり、いらない会話や空気感や演出でぐだついたりはしている。が、B級ゾンビ映画に出てくるテンプレ的なシチュエーションは満載されている。(発端の出来事、籠城、仲間のゾンビ化や襲撃、爆撃、煙を上げている都市部など)



2022年12月27日火曜日

マスターズオブホラー(2018年)


数編のオムニバスによって構成されている物語集。それぞれが、とある怪しい映画館を訪れた個々の人々が主人公となる映画を見させられ、奇妙な世界が展開していく。

1.宇宙から飛来した隕石から出てきた宇宙グモ。それらに寄生される人たち、それを殺してなんとか侵略を防ごうとする者。/ 2.悪魔の乗り移った少年、それが、女性、シスターへと乗り移り続け、その間に人々を惨殺していく恐怖。/  3.婚約者に勧められた整形外科医でおそろしくおぞましい姿に整形させられた女性。/  4.時間の経過とともに、自分を取り巻く環境と人間が、自分と子供以外、醜くおぞましく変化していってしまう恐怖におののく女性。/  5.殺人鬼に両親を殺され、自身も死にかけた少年が、死んだ人が見えるようになり、入院先の病院でいろいろな体験をする話。

5番以外、すべて怪しい映画館の主人(怪優・ミッキーローク演)によって映画を観終わった直後に殺され、幽霊となって少年の前にたちはだかったが、少年は映画館を後にして脱出する。ミッキーロークの、狡猾で、ねちっこい雰囲気のあふれる怪人も、非常に印象深かった。

ストーリー的には、4番の物語がホラー的に好きである。ふっと時間の経過に気づいたとき、目の前の人が、血に汚れた衣服をまとい、顔のゆがんだ人物に変化している。廊下なども異世界のように、血なのか汚れなのかわからないが、いたるところに液状の汚れがついておどろおどろしく変化しているというショック。不思議な世界の部分は白黒であるが、そこが、物語の暗さや、いっそうの想像力をかきたて、カラーよりも味わい深くなる感じがする。

また3番に出てくる整形外科医、あまり見ない顔なのに、きっと有名な俳優だろうという印象がぬぐえなかったが、あとでわかったのが、1980年のドラマ「将軍」のDVDで見た三浦按針を演じたリチャード・チェンバレンであった。



2022年12月4日日曜日

サバイバルファミリー

 


太陽の磁気嵐のせいだろうか、ある日突然、電気が止まり、電化製品もうごかなくなって、車も電車も動かず、水も断水になってしまった。トイレも流れなくなり、スーパーも品切れとなり、数日たってから主人公家族たちは無謀にも、東京から鹿児島に住む父親を訪ねることにした。(計画性がいまいち)いっそ、近くの海を目指したほうが良かったのかも?しれない。

 移動を決めた以上、自転車を見かけて購入したまでは良かったが、車も電車も動かないという時点で、なぜ飛行機も飛ばないということを想定しなかったのだろうか。そこからまず、残念すぎる感じがする。結局乗れないまま飛行場を後にし、なんとかホームセンターでペットフードや精製水、地図を入手するが、やはりそのあとも食料も水も底をつき、飢えて歩いた。水族館の魚を調理しての炊き出しも盛況となっていたが、たどり着いたときは品切れとなってしまった。そして、見かけた農家の豚を食べようと襲い掛かって失敗する。(当てがなさ過ぎて危なっかしい)

幸運にも農家の主人に食事を与えられ、仕事も与えられて信頼関係を結ぶが、やはり父が心配なために、そこを後にする。自給自足のような、その時は理想的とも思えた生活、ひきとめてくれたのにそこを出たのはやはり無謀な気がする。(チャンスを逃す)

橋がなくなっていたためにいかだを作り、川渡りを試みるも、自転車4台をあせって運ぼうとした結果、いかだがこわれて父が川に流される。(不運)

残った三人はの道を行く途中で野犬化した飼い犬たちにもらっていた食料をねらわれ、襲われそうになったところを蒸気機関車に助けられた。(不運と幸運)

意識を取り戻して道端に出たお父さんも、運よく機関車に発見され、救出される。(溺死しなかったのも、見つけてもらえたのも、映画だからうまくいくこと)

機関車で鹿児島に近づけたようであり、ようやく鹿児島の海で父親と再会。(そんなにうまくいくはずはないような気がする)

おそらく現実には、この家族と同じことをしようとすると、途中で野垂れ死にするような気がする。なぜかというと、移動の手段は徒歩のみになるとどれだけ時間がかかるかわからない上に、食料・水・寝床もなかったり、熱中症になったり逆に、凍え死ぬこともありえる。全世界的な事象で起きていて、誰もが他人を助けることが難しくなってしまっているのである。

いたずらに移動しても死ぬし、水・食料もないまま家に閉じこもっていても、どのみち死んでしまうという厳しい現実が見え隠れしてしまい、コメディ映画でもあるのだろうが、現実化すると、やはりこれは怖いなと思う。


2022年12月1日木曜日

ドント・ウォーリー・ダーリン を観てきました

 


旦那とはラブラブで、何の不足もない平穏な毎日、素敵なマイホームと一見申し分のないような生活を送っている主人公と周辺住民。ところが、時折フラッシュバックする断片的な記憶、何かがおかしいと相談を持ち掛けていた友人の自殺など、主人公女性も自分のいる世界に疑問を持つようになる。

あるとき、飛行機事故を見かけて「本部」を訪れたことから主人公の猜疑心はどんどん深まっていき、そこが作られたバーチャル世界だということにたどり着いた。

それをわかっていて世界にとどまる知人もいた。現実には子供はいないが、ここにいればそれがいて、守るべきもののために私は生きていける、といったことを言っていた。そして彼女は、主人公は行動を起こしてしまった以上、ここにいるとつかまるから逃げなさいと助言をくれた。

現実では職に困っていた恋人が、自分の許可も得ずに勝手に自分をバーチャル世界に連れてきてしまったことを知った。夫婦仲の良さ・すばらしい家、一見理想的な世界でのことが(毎日同じループなのを見ていると、なぜか見ている方がうんざりしてくる)、自分勝手な恋人によるものだと知ったとたん、身の毛もよだつような嫌悪感に変わってしまった。

バーチャルリアルティ空間の普及が予想される昨今であるが、その中で描かれた映画である。 作られた空間にだまされ、現実の記憶を失い、何者かに支配されながらも何かがおかしいと感じながら生き、逃げ場もない場所。映画「マトリックス」的なエッセンスも感じさせられる。日本のアニメで言うと、すでに40年も前のものだが、「うる星やつら」の映画「ビューティフル・ドリーマー」あたりだろうか。

何かがおかしい、ということに気づきさえしなければ、閉鎖空間の中ではあっても、これほどまで苦しむことはなかっただろう。が、気づいてしまったからにはこれに抗い、戦わなければいけないという苦しさ。これは一種のディストピアストーリーだとも思える。

周りに自分の考えを全否定された挙句、耐えきれなくなって自殺する人。気づいてはいても、あえてそれを受け入れ、安住する人。主人公の場合は、執拗に自分を阻止する旦那を結果的に殺害し(現実世界でも死亡するようである)、本当の世界にどうにか逃げ戻る、というラストだった。どれも自分の行った選択であり、それによって大きく結果も変わってきている。が、逃げ戻った世界は、本当の現実世界だっただろうか。

この現実世界も、仮想空間であるという説(二重スリットの実験より)もあるようである。だから、現実と思われている世界も実は、定まった形があるのではなく、みんなのとらえ方や気持ちによって、あり方が変化しているのかもしれない、という話である。

2022年11月23日水曜日

サイレント・ナイト を観てきました


設定上は、ロシアからの毒ガス攻撃で、ガスがやがて到達するとともに、体内から出血して死に至る、との報道がなされ、この映画で登場する家族知人たちも最後のクリスマスパーティを執り行うことになったようであった。

ロシアの攻撃、というのは現在のロシアウクライナ戦争から見立てたものなのだろう。

白い大きな郊外の家の中で、着飾った人たちが再開を喜び合う。だが何か、無駄にテンションが高いというのか、奇妙な雰囲気を感じさせる中、みんながこの最後の時間を共に過ごすために集まったという共通の理解をもっているのだということがわかった。

それにしても異様なはしゃぎ方は気になる。西洋人のノリって、こんなのだろうか??ダンスだ、飲めや騒げのお祭り騒ぎが何とも言えないが、じっとしてもいられない感じがそこまで駆り立てるのだろうか。

最後は、毒ガスを吸って吐血し、死んだと思われた(仮死状態?)アート少年だけが息を吹き返し、政府から安楽死用の錠剤をのんだ他の人たちは(たぶん)死んでしまった、というラストだった。何かの脅威に対しての恐怖を駆り立てられ、死を選択させられるというのは、政府からしくまれた何かだったのだろうか。他の人のレビューも少し読んだところ、このような見解を示している人もいた。

2022年11月9日水曜日

スペンサーダイアナの決意 を観てきました

 

クリステン・スチュワートがダイアナ役を演じている。

王室で毎年、クリスマスを過ごすために女王の私邸に集まっている。おそらくダイアナはすでにチャールズと別居生活に入っていたのだろうか。詳しく調べないとわからないが、雰囲気からしてそんな感じもしてくる。

夫から送られた(カミラともおそろいであるという)真珠のネックレスをばらばらにして一粒ごとに食べるという幻想を抱いたり、摂食障害を起こしていて、吐いたり暴食したりの状況をくりかえし、精神的に追い詰められていたダイアナ。夫の王に殺された、妻のアン・ブーリンと自分を重ね合わせるようになっていた。その背景には、夫のチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫関係があり、アン・ブーリンも夫が侍女と結婚を望むために殺された、という物語があったためであった。

どうにか自分を取り戻したいと感じて荒れ果てた生家に立ち入ったダイアナ。アン・ブーリンのまぼろしも見えたりする中、ダイアナ・スペンサーであるという自覚をもって自分らしく生きていこうとする思いが芽生えたようだった。

結婚の失敗(一方が内心そう思っていて、他方が気づかなかったり、思いやりが足りないこともある)によって、本人として新たな気づきや強さを得ることは普通にあることだと思う。この場合もそうであり、ただし王室への嫁入りだったために、事態は周囲から大きく取りざたされてしまい、本人も大変傷ついたと思われる。

離婚に至るまでのほんのステップのような一幕を、切り取った感じの映画であったが、ダイアナの精神的な自立を描いた作品だったと思う。

2022年11月1日火曜日

貞子DX を観てきました

 

小芝風花がIQ200の大学院生を演じている。左側がエグザイル・ランページの川村が演じる自称・占い王子

 科学では説明できないことを完全否定する、IQ200の大学院生あやか。が、現実的にはすでに、その考え方は古臭いような気がする。あまり偏りすぎるとオカルト的にはなってしまうものの、当てられた予言など、科学で説明できない事象について、無知なのではないかと思うからである。

 あやかは自分の持論について自信がありすぎて、呪いを自ら踏んでしまう羽目になったが、そこから本題がスタートしていく。霊能力者・ケンシンとのテレビ出演をきっかけに、自称・占い王子を助け、ビデオを鑑賞した挙句、共にその呪いと戦うことになった。

ホラー要素についてだが、確かに迫りくる貞子や、家族親戚の姿を借りて現れる幽霊の形態は不気味で気持ち悪いが、全体的にはタイムリミットを気にしながら、幽霊を振り切りつつ、必死に解決策を探していくハラハラ感のほうが強いと思う。

以前までは呪いに殺されるまで7日間あったが、本作では24時間に短縮されてしまい、不気味感よりもスピード感が強まったようである。

 (ネタバレ)

24時間で宿主が死んでしまう。ウィルスも本来生存を目指すはずなのになぜ短縮されたのか。いろいろ考えた挙句、呪いを断つのではなく、その動画(ビデオ)を毎日24時間ごとにみんなで見ることで呪いに浸かる、という方法が見いだされ、主人公たちはとうとう生き抜くことができるようになった。そこが新しい。

(追記)

・占い王子の演出がねちっこくて気持ち悪いと思ってしまった。たいして親しくもないのにやたらと身を寄せてきたり、ささやいてきたり、下の名前で呼んだりと、うっとうしいことこの上ないキャラクターを演じている。思いついた名言を吐くようなゼスチャー(鼻の下をシュッと指でなぞって決め顔する)をして、決め台詞を吐くのもうっとうしく、面倒くさい。自宅の部屋が汚部屋(おべや)手前の汚さなのも、ドン引きである。

・偽霊能力者・ケンシンの実家の父親である神主さんを演じている渡辺裕之さんは、実際すでに今年の5月に亡くなっており、映像に出てきた瞬間にあれ?と思ったのだが、映画の収録が亡くなる前に行われていたと思われる。不気味な幽霊姿でも出演されているが、実際に亡くなっているので、ある意味本物の幽霊であるイメージもあり、シュールな感じがした。



2022年10月24日月曜日

「カラダ探し」を観てきました

 


 水泳大会を風邪で休んだのときっかけに、クラスからはぶられていわゆる「ボッチ」になってしまった主人公の明日香(橋本環奈)。

 体をバラバラにされた怪物「赤い人」の魔力によって、心に隙間のある同級生たちが6人選ばれ、バラバラになった体の断片を、夜の校内を探すことになった。探しきる前に毎回全員が赤い人に殺される。朝起きるとそれは夢だが、前の日と同じ一日が始まり、それが永遠にループしている。夜になるとまたカラダ探しに自動招集されて同じ死闘が繰り返される。

 毎日がループなので、好きなことを、と昼間に海辺で遊んだりして仲間のきずなを深める男女。明日香もすっかりその輪の中に溶け込んでいた。

 恐ろしいことに後半、赤い人が人形のエミリーと合体して巨大化、彼らを食べたりし始める。 そして食べられてしまうと、一夜明けても戻ってこれず、彼ら以外の生徒からも忘れ去られてしまう。つまり、同じ夜をループしていく中、食べられると仲間が減っていくことになる。勝機が減っていくということに、焦りを感じさせられる。

 校内図書室の先生から、彼がカラダ探しの元・経験者であり、仲間への大切な気持ちは残るが、記憶は消えていたという話を聞いた。カラダ探しが終わると、また自分はクラスで独りぼっちとなってしまうのか。

幼稚園からの幼馴染だった同級生から、忘れないしるしであるピンブローチ?を渡され、きずなを深める明日香。やがて怪物から最後のピースを得ることで、カラダ探しが完結する。


 現実世界でもなぜか、全員同じメンツでくじで選ばれ、クラス委員として晴れて集まることになった。そしてピンブローチを見つけたことで、幼馴染とのきずなを思い出す二人。偶然が重なる不思議もあるが、なにもかもがすばらしい再出発のようだった。

が最後に、校内の古井戸の水底に沈んだ古い新聞紙、その小児殺人被害者であった生前の「赤い人」の顔が、明日香の幼いころ(8歳?)の写真と名前に切り替わるラストエンドがあった。これは何を意味するのか。

公開後のレビューが書かれているのを見てみたが、最も同感できる推測は、本当のバラバラ殺人事件の被害者は、明日香であったかもしれない、ということ。「みんなから(ボッチの)私は見えないの」という明日香のセリフも、そう思うと思わせぶりである。そしてこれまでのすべての話は、彼女の作り出した世界だったのだろうか。 絵にかいたような青春、幼馴染との恋愛、素晴らしい偶然による再会、たしかに誰かの願望が再現された世界だったのだろうか?という感じもある。

もっとも、8歳の女の子が殺害されて果たせなくなった夢として、高校生になって学生生活を謳歌したい、という願望を抱くのだろうか?というのもあまりよくわからないが。


話的にいろいろ突っ込みどころはあり、どうして赤い人は、自分の体を探してほしいのに、皆の邪魔ばかりして殺そうとするのか?、井戸の新聞紙は、年数がたっているため古くなって、とっくに溶けてなくなっていそうな感じがするので、元の形状で現存するのは無理なのではないか、などなどある。

が、毎日の繰り返しゲームとなった殺されゲーム、怪物との鬼ごっこや惨殺シーン、なかなかドキドキさせられたりした。青春高校ドラマ的なものはすでに年代的に自分の感覚とはずれてしまっているが、話のテンポはそこそこよかったと思う。

2022年10月11日火曜日

地球が静止する日(2008年)

 

環境破壊をすすめる地球人に警告しに、宇宙人が空から舞い降りてきた。

主演のキアヌ・リーヴスは、宇宙人の代表として、地球を破壊し続ける地球人に警告し、コンタクトをする役目をもってやってきた。宇宙人の象徴的な存在、巨大なペプシマンのようなマシーンも下船してきた。(それがやがて巨大なメタルバグの大群となって、地球に襲いかかろうとする。)

危機を迎えないと人は変われないという。その言葉を聞き入れられて、最終的に地球は滅亡を免れられることとなった。が、本当に、ごく一部の善人の、その言葉が本当だったとして、他の悪人が、変われるのだろうか?大きな疑問は感じさせられた。

現実ではもちろん、地球が救われたほうが良い。が、メタルでできた昆虫が、大群となってものすごい勢いでいろんなものを食いつくしていく映像がなかなか衝撃的で面白く、もう少しそのシーンを続けてほしいと思ったのである。

2022年10月10日月曜日

JUKAI(2016年)

 

悲しい気持ちで樹海に入ると、幽霊に会って幻を見させられる、ということだった。

双子の妹を探しに、周りの静止を振り切って樹海に入っていった姉。悲しい気持ちが幽霊の幻視を誘い、いろいろなものを見させられ、せっかく同伴してくれている仲間の男性すら、疑い始めて、ついには殺害してしまうという残念な展開になった。

途中で現れる、「ホシコ」この幽霊もとても不気味で、女子高生の制服を着て現れるが、最初から様子がうさんくさく怪しい感じがして、不気味感がある。



2022年10月6日木曜日

ラン・オブ・ザ・デッド(2010年)

 

本作のゾンビは、全力疾走+運動神経抜群+怪力で、なんでも乗り越えジャンプしてくるパワーゾンビである。その軽い身のこなしから、映画評に、「パルクール」(スポーツ)ゾンビだという書き込みが多い。

製薬会社の新薬の被験者となった人たち、お金と引き換えに、大変なことになってしまい、一人を除いたほぼ全員がゾンビ化してしまった。その残った一人というのがある女性だが、製薬会社の殺し屋(会社に不都合な人間を殺害していく係?)である男が改心し、彼女の血清を研究に回して人類を救いたいと考えたようである。やがて彼女の友人やパートナーの男性たちと合流し、ゾンビと戦いながら、女性の友人のヘリコプター乗り場を目指して移動していく。

途中、自己中心的で、仲間を蹴落としても自分たちだけ助かりたいという心醜い男女カップルが合流するが、人間の醜さを露呈してストーリーを盛り上がらせている。

お約束のヘリは故障して飛ばなかったが、ゾンビが水を嫌って入らないことから、川に救助船を置いているところがあり、そこを目指して生き残った女性たちが逃げて行った。


(追記)パルクールとは

https://www.youtube.com/watch?v=kXsE_P1fLCw

2022年10月1日土曜日

“それ”がいる森 を観てきました。

 

嵐の相葉君主演映画。(息子役の子、女の子と間違いそうな感じの美少年だが、ジャニーズジュニア所属らしい。まっすぐな気持ちの一途な感じの少年を演じている。)

「それ」は、妖怪かなという想像で見ていたら、宇宙人であった。いわゆる「グレイ型宇宙人」と言われるタイプの外見だが、子供を食べ、大人は殺害するという大変危険な宇宙人だった。

 はじめは森の中で子供をさらい、やがて民家のほうにも出没しだして、家の中にいた少女をさらっていったりと、手に負えない状況となる。学校で避難しても、するどいかぎづめに変化させた腕でドアも破壊してしまう恐ろしさ。とても対応しきれないが、たまたま栽培していたオレンジに触れたときに激しい拒絶反応を見せるという弱点も見せた。

 そしてさらに、少年ごと父親である主人公(相葉君)をもろとも胃袋に送った宇宙人だったが、拒絶反応で死んでしまったようであった。

 侵略がうまくすすまないために離陸を始めたUFOだったが、異星人の不気味さと恐怖が描かれていた。子供を食べて分裂するところも不気味だったが、もし実際に宇宙人がいたら、種族によっては友好的とは限らない、と思っていたほうが良いかもしれない。

ひ とつ残念な気がしたところはやはり、子供向けの邦画でもあるためか、宇宙人が少し、子供だましでのっぺりしすぎて、ちゃちっぽく見えるところもあるかなあ、と感じたところであった。



ゾンビ津波

 

津波の中の黒い小粒状のものは、全部ゾンビである。船に乗るハンター(主人公)が陸へ助けに向かおうとしたとき、大津波が来た。「ゾンビに追い抜かれるぞ!」のセリフが、なんやらおかしくて吹き出してしまう。

映画「シャークネード」で活躍しているアイアン・ジーリングが今回は、ゾンビ津波に立ち向かう。波間に大勢のゾンビが浮かび、泳いでくるところはなんだか笑える感じがするが、ドタバタしたアクションを楽しむ感じのB級映画だと思う。

途中で登場した、山の上の豪邸に住む、外見がイーロン・マスクによく似た青年が、さまざまな道具や爆弾を用意してうまくいったのだが、イーロンマスクをイメージした演出だったのだろうか。

 結局、製薬会社が悪役で、生物兵器としてのゾンビを作るための人体実験を行い?(だったろうか)、証拠隠滅のために船ごと海底に沈めたという。ゾンビは最後は電気攻撃や爆破などによって、全滅に成功した。



2022年9月28日水曜日

ノープ(NOPE)

 


いわゆる恐怖系UFO映画である。

動くと見つかり、吸い込まれて、喰われてしまう。

観覧から時間がたっての書き込みなので、記憶的に少し薄くなっているが、書いておく。


UFOの描写が、布の幕を張り合わせたようなデザインで、真ん中に入口か、口のようなものがある。

いつだっただろうか、ビートたけしが、火星には人を食う化け物がいて、クラゲか何かのようなカサがついていて、空を飛んでいると番組で言っていたようだったが(その根拠はいまいちわからない)、まさにそのような姿を思わせるヒラヒラ感があった。

そこはおいておいて、宇宙人やUFOがもし外部からやってきたとして、好意や思いやりに満ちた存在だという保証はひとつもないから、宇宙からの来訪者がいたとしたら、脅威だと感じられる。

サンゲリア(1979年伊・米)

 

ルチオ・フルチ監督作品で、日本公開は1980年だったらしい。腐りきったゾンビの頭部がおどろおどろしい。

「サンゲリア・ゾンゲリア」というセットのような感じで、日本では昔、はやったような気がする。以前他のブログでも感想は書いていたが、改めて書いておく。

音楽も非常に印象的な名曲「サンゲリアのテーマ」は、時代が移り変わっても色あせない名曲だと感じられる。墓からどんどん死体が起き上がり、ぞくぞくと集まってこちらに迫ってくる感じが、自然にイメージで沸き起こってくる。

また、島の中を流れるドラムの音が、島という異世界を感じさせ、ブードゥーの世界もあるのだろうか、という雰囲気にさせてくる。

途中出てくる、サメ対ゾンビの対決シーンも意外に面白く、結末まではわからないが、あれからサメのほうはどうなったのだろうか。ゾンビ化するとしたら、海の中も大変なことになってしまう、という想像の余韻も残している。

それにしても、博士の家はさすが白人の知識人の家らしく、豪華できれいだったが、ゾンビ対応にはなっていなかったようで、侵入されて、奥さんが犠牲となった。

また、ラストのほうで、皆が立てこもった教会(博士が主治医を務める野戦病院)、木の板を組み立てた大きな「掘立小屋」という感じがあって、大勢のゾンビによってあっという間に入り口を崩され、侵入されてしまう。作った火炎びんで応戦するものの、病院はどんどん崩れ落ちていき、不気味なゾンビがあとからあとから押し迫ってくるところに、終末感があふれていて、これぞゾンビ映画だなあという感じがする。

教会を捨てて船で脱出する男女たちは、帰途の途中でラジオを受信するも、本土もゾンビがあふれかえって、打つ手なしという状況だということを知る。そして、船内の個室からも、傷を受けて死んだ男の生き返った物音が聞こえてきた、というバッドエンドを迎える。

数百年もたったはずの、腐りきったゾンビの首を落としたところ、大量の血が流れ落ちたり、ゾンビを見た女性たちが、目を見開いてぶるぶるとふるえたまま何十秒も立ちすくみ、どうして逃げないのか非常に違和感を感じさせたり、目を閉じたゾンビの目がどうして見えるのかなど、いろいろ演出的にヘンな部分もあるが、音楽も良く、雰囲気があって良い映画だと思える。


グッドナイト・マミー(2014)

 


包帯を巻いて、様子がいつもと違う母親をみて、少年は恐怖を抱き・・。

という内容なのだが、母親が別人のように変わり、冷酷になって恐ろしくなったために殺されないように双子の兄弟と力を合わせて戦う映画なのかと思いきや、そうではなく、死んだ兄弟の魂に操られて母親を惨殺してしまう、という恐るべき内容であった。

母親の様子が違うというのは子供にとって大きなトラウマだと思われるが、母親を縛り付けた挙句リンチし、最期には焼き殺してしまうという残虐さのある展開だった。が、母親が妖怪化してしまったほうが、ストーリー的にはホラー要素があって面白かったのに、と残念に思った。

母親は、父親と別れていてシングルマザー。少年のほうも学校に通わず、どちらもなんとなく孤立感を感じさせている。郊外の、周りに家のない静かな戸建に住む、という幻想的な環境の中、物語がすすんでいく。

母親のアルバムに、母と同じような背格好のそっくりな女性が、母と二人で仲良く、同じ服装とヘアメイクでツーショット写真をとっているのが映っていた。とても奇妙な写真で、その女性が、仲の良い友達なのか、双子の姉妹なのかは少し謎であった。だがそれは遺伝子として、少年が双子の兄弟の幻影からずっと離れられずににとらわれ続ける、という形で受け継がせたのだろうか。

2022年8月22日月曜日

「第一回日本ホラー映画大賞受賞作品 特別上映会」 に行ってきました

 先日のアジアンホラーを見に、ヒューマントラストシネマ渋谷、という映画館を利用した際に、チラシをもらってきたが、その中から気になるものを鑑賞しに出掛けた(EJアニメシアター新宿)。通好みな映画館では、そういった感じのチラシが入手できるようであった。


大賞に応募された作品は、百数十点、といった多数の応募があった、と鑑賞後のトークショーで話していたようだったが、そのなかでいくつかある賞を受賞した作品を上映会として発表したようであった。

2時間の中で短編集を上映していくのであるが、それぞれ味があって、一緒に鑑賞に出かけた娘と、どの点がどうだったとか、印象に残ったか、自分が監督だったらもっとこうした、などの品評をした。

私的には、ホラーといってもそこばかりに焦点をしぼるのではなく、映像的な美しさ、背景の風景や味わいの楽しみを取り入れたものがいい、と思った。例えばダリオ・アルジェントのサスペリア系にしても、建物や風景など、映像が素晴らしく、独特の世界があるのでとても深みがあってよいと思うからである。

2022年8月18日木曜日

「女神の継承」を観てきました

 

その家系では代々、娘が年頃になるとバヤン神が降りてきて取りつき、巫女となる運命なのだという。が、ミンに取りついたものは、女神ではなかったようだった。

副題としては、「伯父の奥さん、すべてをぶち壊し」といったところだろうか。監禁して儀式をすすめねばならなかったところを、悪霊に騙されて赤ちゃんを救い出そうとミンを開放してしまい、儀式を大失敗させた結果、全員死んだり悪霊にとりつかれてゾンビのようになってしまう、というバッドエンドを迎えてしまったためであった。

 ミンを演じた女優さんの鬼気迫る演技も良かったが、アジアンテイスト、タイの風情をたくさん楽しめる感じの映画であった。

2022年8月15日月曜日

午後のロードショー 「アイスクエイク」

 

午後ロー名物、B級ディザスター系ムービー。地下からわいた液体メタンが、洞窟を通じて噴出口まで向かっており、そこまで行くと、地球上の全生物の死滅につながるという。

とってつけたような、団結志向の強いファミリー。やたらとクリスマスにこだわり、仕事に出向こうとする夫を家に縛り付けようとして??逆パワハラのような感じの妻。とってつけたようなやりとりの姉と弟。家でのクリスマスはツリーがないから嫌だ、などと愚痴をこぼしたりしているが、お父さんがツリーを取ってくるよ、という約束をして、家族全員がやっと納得して丸くおさまる。自己主張のやたら強い家族たちの要望に、やたらと尽くす夫であった。

ちょっとそんな演出に嫌気がさしつつも、のどかな田舎町の、クリスマス用品を売るおもちゃ屋さんなどの風景が出てくる。

あちこちの噴出によって犠牲者が出る中、その正体を突き止めていく中、ようやくそれがとても危険なものだというのがわかり、爆破作戦に移行する。なんだか途中から倍速にして見るのでちょうどよかった。爆破作戦成功。夫も無事に任務完了し、無事に家族のもとに帰っていくのだった・・。成り行きや設定に、とってつけた感が強い作品だったが、午後ロー名物としてコマーシャルを飛ばしながら倍速で見るにはアリな感じ。(二度見るのはちょっときつい)

2022年8月11日木曜日

エルヴィス を観てきました

 

クイーンやエルトンジョンの自伝映画より、こじんまりとした上映だったのだろうか。二子玉川の映画館では上映最終日も近く、一日に一度だけの上映となっていた。スケジュール都合のためにTOHOシネマズ六本木ヒルズで鑑賞した。

エルヴィスプレスリーの音楽は、黒人音楽が原点であり、そのファッションや身のこなしもそこから大きな影響を受けていたということがわかった。(父親が服役し、家族は黒人居住地の白人用住居に住んでいたらしい)因果な感じもするが、それがエルヴィス誕生のきっかけであり、彼の音楽があったからこそ、カントリーミュージックが主流だったアメリカの音楽が新しく変わっていったのだという。

そういった中、黒人人種差別、隔離政策によって、エルヴィスの音楽スタイルは非難の的となるが、服役して活動スタイルを俳優業に転向させて禊を払った感じとなる。が、この服役のために母親が酒浸りとなった挙句に命を落としてしまい、家族の悲劇が起こってしまう。この人はやはり、後半の人生も含め、家族運が壊れているのだと思う。

そして彼を射止めてマネージャーとしてパートナーとなった「パーカー大佐」、これが大変な曲者であった。

 エルヴィス本人の浪費に加え、お金にルーズで資金管理がザル状態な父親、そんな父親に会社管理を任せた結果、巨額の返済不可能な額の借金を水面下で背負い、パーカーの言うままに芸能活動を続けるしかなくなった。海外ツアーも水の泡となって消えた。(パーカーが不法入国者でパスポートがないため)

あんなスーパースターが借金まみれで働かざるを得ず、ステージと宿泊部屋とドラッグの中でしか生きられないまま健康を害していき、家族とも過ごせずに42歳の若さで亡くなってしまったとは、想像もつかなかったし、かなり悲劇的な内容だった。

後でパーカーとエルヴィス関係者とのお金の問題は裁判になったらしいが示談となり、パーカーは手に入れた金でカジノの中で余生を過ごしたそうである。

パーカーは自分のために何人もの人を不幸に陥れた、本当に業の深い、罪深い人物である。映画の中盤、クビにした彼に最後の挨拶をしてくる、といったエルヴィス、それを「パーカーは言葉巧みだから、あなたは言いくるめられて、翼がもぎとられてしまうかもしれない」と言って止めた奥さん。(こちらも真実のやりとりであったなら)見事に心配通りとなり、あの時彼女の言葉を重くうけとめてやめていたらと、非常に悔やまれる。

(年を取って太った感じだったので、鑑賞中に疑問ではあったが、あとで調べたところ、やはりこれを演じたのはトム・ハンクスであった。エルヴィス役のオースティンバトラーは、少し、若いときのブラッドピット的な、目元のキュートさ?を感じさせた。)




2022年8月9日火曜日

パラサイト(1999年アメリカ)

 いわゆる「半地下の家族」のほうではなく、SFスリラー系映画である。




外宇宙からやってきた未知の生物が、ある田舎にある高校で、教員や生徒たちをターゲットに寄生し、意思も体ものっとっていくという話。

グロテスクな生き物で、赤い触手を伸ばすところも気持ち悪いが、エイリアンの親玉である女の子が、「私たちが世界を乗っ取れば、いじめや差別や偏見もなく、苦しみもなくみんなが平和に暮らしていける」と話していた。が、攻撃的で繁殖力旺盛なので、資源を枯渇させた挙句、仲間の共食いを始める可能性もありえなくない。

乗っ取りを企てる異星人の話はどこまで信用できるかわからないが、真実ならば(映画の中で)ある意味それはそれでいいのだろうか??と、ふと考えたりもしてしまった。


2022年8月8日月曜日

ジュラシックワールド/新たなる支配者 を観てきました

 

毎回、シリーズとなっているこの作品は欠かさず劇場に観に行っている。

 ジュラシックパークとして、一作目が初めて1997年に日本で封切りとなった当初からのメインメンバー(ローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム演じる科学者たち)が登場して活躍する。それぞれ年齢を重ねてはいるものの、良い感じで深みを増している感じがあり、ゴールドブラムさんは渋いおじさま、といったところだろうか。

 クレアとオーウェンがかくまい育てている一人娘でクローン人間のメイジー。彼女があるとき、ドクタールイスという研究者が黒幕となっているのだが誘拐され、施設に連れ去られていく。それをクレア、オーウェンが助けに行き、かつて主人公を演じた科学者たちもお化けイナゴから環境破壊を心配して研究所に忍び込むところと合流し、囚われた娘を助けながらも施設が火炎イナゴに破壊されたり、恐竜保護区の中の恐竜に襲われるなどして、物語が進んでいく。

 恐竜研究者がお金や自分のための名声だけを気にして、生態系の維持や、地球の存続は完全に無視している、という悪党ぶりが描かれている。最後には、第一作でたしかネドリーという、やはりお金に目がくらんで卵を盗み出した悪党がやられたように、悪のルイス博士も不気味なエリマキ泥吐きトカゲ(ディロフォサウルス)に襲われて死んでしまうようであった。

ネドリーが襲われる図のフィギュアの画像。かなり有名なワンシーンになっているようだが、ディロフォサウルスの凶悪で恐ろしい顔が印象的である。


2022年7月30日土曜日

私が見た未来・オリジナル版を読みました

 



表紙には有名な、「大災害は2011年3月」と記したものがあり、東日本大震災を予言したものだとされている。(1999年初版発行。作者は他にも世界的有名人の死も予知している。)
いわゆる復刻版でもある「完全版」と違い、目から涙を流している。そして内容は、途中までの掲載されているマンガが違うようである。復刻版が出るまでは、この旧版は、10万円もの高値がつけられて売られていた。(絶版のようである)


以下、簡単なあらすじを載せておく。

1.磁場
姉が婚約者と同居中のマンションで、霊の気配を感じた作者たち。霊感が強い人に見てもらうことになり、簡単なお祓いもやってもらった。悩みなどを抱えていると霊に取りつかれやすいという話を聞いたのちに、ふっ切れて婚約を解消することにした姉。が、新たに向かった新天地で、幸運にも運命の相手と結ばれる。

2.伝えられたメッセージ
海外に住む友人の別荘や住まいで起きた、心霊現象。視線を感じて目を開けると、じっと自分を見下ろす顔。塩を部屋の入り口にまいたところ、その日以降入ってこなくなった。別宅では、亡くなった知人のお母さんが、女性を知人の奥さん(彼女?)と勘違いして現れ、メッセージを託して行った。

3.霊がいっぱい
霊感の強い人と一緒にいると、普段は見えていないものが見えたりすることがあるという。山登りですれ違うカップル、気を付けてと声かけしてくれたおじいさん、うずくまるおばあさん、夜道を照らしてきた二つの懐中電灯の光、と山小屋の管理人さんが話してくれた話の幽霊たちと、ことごとく遭遇してしまった主人公たち。

4.彷徨う霊たちの話
亡くなった後も、仕事の休憩時間にそうしていたようにトイレに出没する女性の霊。三途の川を渡ろうとしたら、血まみれで体がズタズタになった女の子がそばを通り過ぎて、ふと我に返って息を吹き返した人、霊安室にカマを置く風習を無視したら、何かにとりつかれて踊りを踊りだした遺体、マンションの地縛霊にとりつかれた男性、など、さまざま霊に関する体験話。

5.夢の跡
亡くなった劇団員たちの話。演劇への情熱、将来の夢半ばであの世へ旅立たねばならなかった人たちの思いは消えず、鏡の前、舞台、客席、演劇中の劇団員の背後、果ては大道具の棺桶の中にまで出現して演劇に参加する(重さもずっしり重くなったそうである)、という話。

6.白い手
古い家具、人形にとりついた霊。それを知らずに入手して家に置いた結果、家の中でミシミシと人の歩く音、異音や人影、幽霊の姿を目にした話。

7.私が見た未来
夢日記をつけていたら、事実として後から本当にその内容と同じ出来事が起こった。事件で亡くなった人、有名人の話、津波の話。だが、ここでの津波の話は、3・11(2011.3.11東日本大震災)のものではなく、2025年7月のものだという。(後年の復刻版の話より)

8.縁の先
守護霊の話や、前世の話。






2022年7月20日水曜日

アンドロン(2015年)

 


メイズ・ランナー、ハンガーゲームという映画もあるが、系統としては同じ感じで、支配者によって設定された建造物の中をさまよい、途中でいろいろな敵や妨害が生じる中を生きて外に出るためにサバイバルゲーム参加者が必死に戦う話。

アレック・ボールドウィンは、機関車トーマスの「車掌さん」を演じ、それを垣間見た記憶があり、温和なおじさん、といったイメージがあるが、ここでは支配者側の悪役を演じている。レオ・ハワードは、以前ドラマDVDで「フリーキッシュ」というのをレンタルしたことがあるが、そちらに出演していた。カンフーが得意というプロフィールがあるようである。

2022年7月18日月曜日

バタフライ・エフェクト

 

何度も過去に戻ってやり直すも、ことごとくバッドエンドとなる展開。


 子供のころから記憶を良くなくすという経験のある主人公は、日記をつけるということを日課にした。その日記を見つめていると、周りの風景が揺れだして過去に戻れるのだが、行動を意図した選択でやりなおせるということに気づいた。ところが、良かれと思って行動をとった結果、現実に戻ると、主人公や、他の人が不幸になっているという結末となっている。

 だが、最愛の彼女をどうしても救いたいと考え、とうとう主人公がたどり着いた結論は、彼女に自分が恋愛の相手にならないような言動をとることであった。

 主人公はイケメンだなあ、と思ってみていたら、有名なアシュトン・カッチャーだったようであるが、見る映画の傾向としてあまり見かけないため、名前だけの認識となっていたようであった。甘いマスクながらも時折見せる、真剣な面持ちがこの人の魅力なのではないか、と思った。

2022年7月14日木曜日

楽園追放(2014年 日本)アニメ映画

 

未来の地球。人類の多くは荒廃した地上を捨て、電脳世界ディーヴァで暮らすようになっていた。現実でも今、内閣府によって「ムーンショットとは人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会の実現」と、定義されているが・・。

人類の98%が移住しているといわれている「楽園」ディーヴァ。社会に貢献する程度によって、与えられるメモリの高低が区分され、生活の快適性に格差が生じているようである。

電脳世界の外に暮らす人も少数おり、100年以上前から誕生したAIもいて、進化を続けて人格を獲得したようであった。そのAIは、自分らしく生きることを存在理由としてあげ、電脳化する人々と逆を行く、対局的な存在であった。そして彼は、果てしない宇宙へ旅立つことを計画し、それを決行するのであった。

 キャラクターの絵柄はいかにもオタが好みそうなデザインの少女に、パートナーはヒゲを生やしたちょい悪おやじ風優男、といった感じで、はっきり言って好みではなかった。が、動画サイトでだったか、人々がやがて暮らすことを仮定した世界ではないかと言われるものの想像が描かれているようだったので、参考になるかはわからないが、垣間見てみようと思ったわけである。

 電脳ディーヴァは、完全に支配者によって管理され、実績を積むことでよりその中での生活が充実するというものだが、いったん反抗的だとみなされると、市民権をはく奪されて檻のようなところに収監されるという怖いところでもあった。歯向かわなければ安全な暮らしが待っているといえども、それすら支配者の意向によってどうにでも決められてしまうのは恐ろしい。

 一方、荒廃した現実世界の中で暮らす人たちは、物々交換もあったりと原始的で、こちらは生活力がないと即、死んでしまうような場所であったが、音楽があったり、食べ物の味があったり、人間らしいといえば人間らしい暮らしがあり、それを求める人たちが選ぶ場所なのだろうか。物質に縛られすぎても生きることが苦しくなりそうで、表面だけ見ていると、ディーヴァとどちらがいいのかわからない。

 そして第三の道が、AIが計画していた宇宙への冒険であった。宇宙船はいわゆる閉鎖空間であり、何かが嫌になっても外に逃げられない。そして、安全にどこかの地に着陸できるとも限らない。少なくとも宇宙船の内部がどのようになっていて、水・食糧・空気が確保され、運動スペースもあり、重力もできればあって、退屈もしのげるのか、したくはないが最悪安楽死もできるようにするなどはっきりしないと、乗り込む気になれない。

 この映画の中でどれを選択するかは、見ている人によるだろうが、現実世界で暮らしている以上、一番今のところ、現実世界への安心感はある。



2022年7月13日水曜日

パラドクス(2014年 メキシコ)

 

時間ループものの映画もあるが、こちらはある空間に閉じ込められて出られなくなるという話。

閉鎖空間はここでは4通り描かれるが、主に二つの空間が取り上げられている。

一つは、エレベーターの裏の階段の回廊。1~9階まであるが、その上下はやはり、同じ1~9階の空間が延々と続くだけである。警官と兄弟(兄は警官に撃たれた傷が元で間もなく死亡)がそこから出られなくなり、水と食料だけは無尽蔵に出現するため、35年間もそこでそのまま生きている。

もう一つは、母と継父、兄妹で旅行に出かけるが、ある区間がループして、そこから出られなくなる。(妹は、継父からもらったジュースのアレルギーで喘息の発作がひどくなり、やがて死亡。)こちらもガソリンスタンドから無尽蔵に水と食料が湧き出るため、飢えることなく35年間暮らし続けた。

その後、年老いた警官、年老いた継父が死ぬが、「エレベーターに乗るな」「パトカーに乗るな」と警告を発していた。

が、それを無視して回廊からエレベーターに乗った弟、彼は、そこに置いてあった制服を着ることでエレベーターボーイとなるが、ホテルの廊下という閉鎖空間へ迷い込む。

一方、パトカーを発見して乗り込んだ兄は、おいてあった服装に着替え、ひげをそり、警官に成り代わって回廊に迷い込むルートをとるのだった。

警告の意味はなく、そもそも彼らがそういう役割使命をもった、そういう存在なのかもしれない。というのは、話の中で、現実の世界の彼らもまたいて、そちらは幸福な暮らしを送っているが、彼らのために、自分たちはこのような生涯を送るのだ、という会話があったからである。

一つの考察だが、現実世界のために犠牲になる、というのはわからないが、パラレルワールドというとらえ方もあるかもしれない。同じ自分だが、無数の空間の中に無数にいて、それぞれが異なった状況の中にいる、という話もあるわけで、そのパラレルワールドの一つの話、ともとらえられる気はする。

が、映画の焦点としては、ループする空間に閉じ込められた絶望感がよく描かれているため、地獄だなあと感じられるのである。

時空系怪談というのもあり、とても近いまっすぐな道で、すぐに着くはずなのに、なぜかいつまでも到着しない、という話もある。きつねに化かされたとも言われるが、これはちょっと一服するなど気分転換をすると、その状態から解けるというのが一般的な話なので、こちらの映画よりは絶望感が少ない。



2022年7月11日月曜日

Evil Dead II(1987年アメリカ)

 

邦題は、死霊のはらわた2で、ゾンビものの区分に入るようだが、惨劇は山小屋の中で主に起きていく話。恐ろしい悪霊を呪文でよみがえらせたのが発端。こちらも悪霊の呪いによって、小屋とその周辺の土地が堂々巡りの閉鎖空間となり、橋や道がなくなって外部に脱出ができなくなってしまう、という状況。

 かなり前にワンシーン(予告?)を見た記憶があり、森の中でゾンビになっている女性の体が、くるくる、くるくると踊るシーンだったと覚えているが、そこが印象的だった。が、それきり見る機会がなく、そのまま放置して忘れてしまったが、やっとレンタルで見ることができた。とにかくスプラッターというだけあり、グロで、汚い・ショッキングなシーンが多い。

しかしなんだかギャグっぽい雰囲気が漂って笑いを誘う場面もいくつかあるというところが、主演のブルース・キャンベルさんのユーモアセンスのもたらすところなのかなあと感じた。

悪霊を異次元に吹き飛ばす呪文を唱え、退散させたまでは良かったが、主人公も異次元に飛ばされ、中世のようなところにたどりついてしまうというエンディングだった。

2022年7月10日日曜日

高慢と偏見とゾンビ

 

イギリス貴族たちを中心とした、中世のロマンを舞台に描いている。

ここでのゾンビは知能が高く、会話をして人間をだましたり、人間社会に監視をくぐりながらうまく溶け込んで攻撃を仕掛けるタイプであり、人間が劣勢に追い込まれていた。

中世貴族のお屋敷など、雰囲気を味わいながら、ゾンビとの戦いや恋愛も描かれている、スタイリッシュ系ゾンビ映画である。お屋敷の姉妹たちも格闘技の心得があり、ドレスの下に剣を隠したりと、そちらも見どころである。

2022年7月9日土曜日

海底47m 古代マヤの死の迷宮

 

「海底47m」という映画を以前見たことがあるが、邦題はかなりそっくりで、そちらの続編的な取り扱いなのだろうか。




こちらが、以前見たことのある映画、「海底47m」。

海底47m、のほうは、スタッフの男性がサメに襲撃されてまず最初に死ぬが、古代マヤ・・のほうも似た感じの展開であった。赤い非常灯に照らされる人食い鮫の不気味で大きな口のシーンも共通しており、「姉妹映画」といえるのだろうか。

盲目のサメ1匹から逃れられればなんとかなるのかと思いきや、通路の埋没、酸素の欠乏、サメが2匹出現、脱出ロープの破損、激しい潮流などなどのいろいろな障壁が少女たちの目の前に立ちふさがる。

そもそもから言ってしまえばおしまいだが、素人が何の心得もなくいきなり洞窟ダイビングを始めてしまう、というのも大変に危なっかしく、やることが大変無鉄砲すぎる。脱出ロープを横取りすべく、割り込んでよじ登る友人(天罰が下ってサメの餌食に)など、やや自業自得なところもあった。ケイブダイビングを強くすすめてきた少女もサメとの格闘の末に窒息死、主人公の父親もやられ、また、主人公の少女たちも最期までサメとの格闘があり、飽きさせない展開であった。


2022年7月7日木曜日

PLAN 75 を観てきました

 

高齢化が進む近年の世相を反映した映画。核家族化・少子化が進んで、家族同士で互いの面倒をみれないというケースも少なくない中、生活の行き詰った高齢者が直面する問題。そこで、こんな制度ができたら、という話。

内容は重いが、とても考えさせられる話ではある。平均寿命=健康寿命と大きくかけ離れるケースも多い。少子化も進み、年金破綻や健康保険制度の危うさも叫ばれ、高齢者自身も自分の生活を守るには健康もお金も必要となってくるが、立ち行かなくなっていく人たちがいる。そんな中、苦肉の策として現れた制度が、75歳からの選択制安楽死制度だった。

本当は健康な体で、家族や仲間に囲まれ、自身の生活もゆとりをもって、いつまでも楽しく暮らしたいはず。生まれたからには当然の欲求だと思うが、それがかなわなかったために死を選ぶ、というのがとても悲しい。ただ、本当に苦しいと思いながら暮らしている人にとっては、悲しいが、その方法が本当に安楽死なら、救いにもなるのかもしれない。なので、この話に真っ向から否定する気にはなれないのである。


ブラック・ミラー バンダースナッチ(Netflix)

 

ネトフリの新技術?画面の下の文字を左右で選択できるストーリーである。選択肢によって、ストーリーが何通りにも分かれていくようである。前の選択肢にも戻れる仕様らしい。

あるゲームプログラマーが主人公で、ストーリー中でも彼が選択型RPGゲームを作るのだが、彼の行動を選択肢によって選ぶことで展開が異なっていく話となっている。

ゲーム会社の大物クリエイターの家に招かれるが、飛び降りよう、という話になって、言い出しっぺの彼を飛び降りさせることにした。それ以降、行方不明ということになって彼が話の中に登場することはなくなった。何度でもやり直せるので、今度は主人公を飛び降りさせようかと思っている。(どちらかが飛び降りる選択肢しかない)

それ以外にも、主人公が父親を殴り殺したりと、ストーリー展開が悪夢である。

主人公と父親のわだかまりは、母親の死、それも母からもらったぬいぐるみを世間体のために主人公から父親が奪って隠し、人形がなくなり主人公がすねて、母親と出かけるのを拒んだことが発端だった。人形を探したので母親が1本乗り遅れ、その電車が事故に遭って、命を落としてしまう。

が、過去にさかのぼって人形を取り戻し、母親と一緒に出掛けさせた。(本人も小さな男の子に戻っている)そして電車は過去のものと変更できず、結局事故に遭っておそらくそこで二人とも死亡する。すると現在の主人公に場面が切り替わり、息絶えているのを通院先で医師が発見するのである。この終わり方が、主人公は死ぬが、なんだか一番ほっとする感じがする。他の展開がろくでもない感じだからだろう。

監視されている、という展開もあり、すべてスタジオの中で行われていた、とか、食べ物に薬物が入っていた、というストーリーもあるため、本気でいろいろ考えると、確かに頭がおかしくなってしまいそうである。

2022年6月16日木曜日

シン・ウルトラマン を観てきました

 

多元宇宙(パラレルワールド)世界についてもふれている内容で、たまに見ているユーチューバーの人がおすすめしていたので、なんとなく見にいった。

斎藤工さん演じるウルトラマンが、いかに地球と地球の人たちを思っているか、というのがメインテーマのようである。ウルトラマン変身システムや地球爆破計画、こちらは多元宇宙を通じて行われているようであり、物語の複雑性が増していた。

地球人が全員、ウルトラマンとして生物兵器に転用できる、とわかったため、多くの外星人(がいせいじん)たちに目を付けられることになった。

そんな地球を守りたいという主人公だったが、ウルトラマン変身機能を分離させられた後、果たしてどうやって地球を守っていくのか??エンディングの後に、そんな疑問が残ってしまった。

2022年6月14日火曜日

ノウィング

 


はじめは奇特な少女の奇怪な行動、その産物としかとらえられなかった手書き数字が、50年後にひょんなことから大学教授を務める主人公の手元に渡り、解読の結果、地球滅亡を予言したものだということがわかるという話。

異星人が主人公の息子たちを人類の生き残りとして選び、彼らだけを連れて地球を飛び立っていった。残された主人公は、疎遠にしていた家族と和解し、抱き合い、最期の時を迎えるというエンディング。ものすごいスピードで火が通り抜け、火の海があっという間に燃え広がった。

他の星から発生したフレアによって、地球がオーブンの中に入れられたように丸焼けになる、という話もきいたことがあるが、こんな目には決して遭いたくない。が、死ぬときはわからないくらいのほんの一瞬が良いし、万が一にはこういった最期を迎えるのかなあという空想をさせられる作品であった。

(追記)

この映画を見てから思い出したのだが、かなり有名な話を書いておく。オチはどこにもない。

松原照子さんの予言や、木村秋則さんの話:松原さんは、「2032年、異常気象は本番を迎える」地震や水害により人類がこれまでのように生活できなくなると語っています。木村さんは、「宇宙人から教わった地球カレンダーによると、もう残された時間はわずか」どうやら2031年の終わりごろと語っています。

韓国の少女サランちゃんの話:サランちゃんは、ある日、睡眠と覚醒の境目の状態にある際、とんでもないスピリチュアル体験をした。なんと彼女は世界の終わりの光景を幻視してしまったのだ。しかも、それは天から火と硫黄が降り注ぎ、地上と人々が焼き尽くされるという凄まじい光景だったのである。彼女の幻視の中にはラプチャー(Rapture 空中携挙)の光景も含まれていた。ラプチャーとは、世の終わり、選ばれた信心深い人たちが、突如として生身のまま天に引き上げられ、救済されることをいう。



2022年6月4日土曜日

as we see it (思うままの世界)

 

アマゾンプライムオリジナルドラマ。プライム会員無料のものだが、大変面白く興味深くみることができた。

3人の自閉症者を助ける、ライフコーチ的な存在の女性(写真右端)。自身も医学部入学を希望しながらもなかなかかなわない中、ヘルパーをしながら三人の個性のすばらしさ、それを受け入れていく自分の充実感を感じ始めていった。

ヘルパーの女性の仕事場は、「君は頭が悪い。体が臭い。」など、心の共感性がなく、かなり攻撃的な言葉も遠慮なく発してしまい、なかなか定職につけない男性、「音が怖い、人が怖い」などで家から出れずに口も聞かなくなって引き込もりになっていた男性、人の意見が聞けずに危険なことにとびこんだりだまされやすく、カッとなりやすく、また話すことも一方的で衝動的な女性、など、個性的なメンバーが集うアパート。

ヘルパーの女性を頼って24時間365日の完全介助を望む親や、施設への入所を検討し始めた兄弟など、愛情はあるものの手に負えずに入所や他者の手を希望する人たちもいる。

物語内の設定なので何とも言えないが、ある発達障碍者の男性は、親がアパートの家賃を支払い、週三日の洗濯介助者(掃除なども?)やライフコーチが自宅に訪れながらも、自身も書店でアルバイトをする、という本人の自立性を大切にした生活をさせてもらっている。

欧米では、ある程度重度の発達障碍者にもこういったライフスタイルの取り方が、一般的に浸透しているのだろうか。

どれが正解かわからないが、本人が少しでも望む場合は、できないかもしれないが、可能な範囲での援助と、本人の自立を助けられたら良いと思う。

2022年3月18日金曜日

ウエストサイド・ストーリー(2022年)を観てきました

 

スティーヴン・スピルバーグ監督作品。旧作からリニューアルされたものである。

スティーヴン・スピルバーグ監督作品といえば、E・TやジュラシックパークをはじめとするSF映画のイメージだが、「シンドラーのリスト」などの社会派のシリアス系作品も手掛けていたりする。

感想を言うと、各俳優さんたちの歌声は素晴らしい。が、1950年代、60年代のアメリカの時代背景と、現代の雰囲気があまりマッチしていないというのか。

カメラに映る風景も、すでにその当時のものとは同じ感じにするのは不可能だし、そこへもってきて不良少年たちが、俺たちはジェッツ団だ、シャーク団だなどと言いながら群れて粋がる姿もすでに今の時代にはマッチしていない。

そこの違和感は残念だったとして、素直に作品を見ていった。それぞれの名曲を歌う人物が、旧作のと違ったり、チノが悪者になってトニーを射殺するという流れになっていたりと、部分部分は違っている。が、前作が名作すぎて、リメイク版というのはなんとなく上滑りな感じのところもあり、作成は難しい、というのをまさに体現する感じだった。前作の雰囲気を再現しないと、あの懐かしい雰囲気にはならないし、かといって、同じものを作ればただのコピーとなる。逆に現代風にしてしまうと、時代のずれがあって違和感がひどくなる。

全体に統制がとれすぎていて、時代が合わない、という感じしかなかったが、もう少し俳優たちの泥臭い個性を強調していたら、違う意味で印象深い作品が出来上がったかもしれないと思う。

 そもそもリメイクはかなり難しい作品だという気がする。さらに思ったのが、トニー役の青年が、タイプとしてはクールな感じで、トニーの感じとややずれがあるかなと思ったところであった。それでも彼なりに好演していて、銃弾に倒れて一目マリアを見てほっとした表情を浮かべて息をひきとるというシーンには、引き込まれるものがあった。


2022年3月9日水曜日

タイタン

 

トランス・ヒューマン系を扱った感じのストーリー。タイタンへの移民計画のために、過酷な人体改造を行う主人公たち。


主演のサム・ワーシントン。「タイタンの戦い」(2010年)にも出演しているようである。ベン・アフレックにそっくりな感じがして、すっかりこちらと勘違いしたまま鑑賞した。

理論上は改造可能だとして、酸素濃度の低い場所、極寒地域、水中での長時間での生存などを目指して様々な注射だの手術だのを受け、人間でなくなっていく主人公たち。途中激しい副作用で発熱、吐血したり、悶絶死、ショック死、錯乱して射殺されたりと次々に死んでいき、残りは主人公一人となった。とうとう人間以外の生き物になった主人公に戸惑う、家族の感情についても描かれた。


2022年3月2日水曜日

ミッドナイト・スカイ

 

終わりを迎える地球に一人、残った男をジョージ・クルーニーが演じ、監督や製作も行っている。

世界観として、2013年公開のゼロ・グラビティに雰囲気が似ており、そこではクルーニーは自分は命を落とすも、幻となって主人公に助言を行って助けるという役割を演じていた。ここでは、ある一人の少女がそれに近い感じの役割を演じている。

カイリン・スプリンガルちゃん。幼い少女の愛くるしさを感じさせた。

地球に一人残った主人公(ジョージクルーニー)が、地球に戻ろうとした宇宙船に、地球はもう危険だから戻らないように警告を発したが、その乗組員は、実の娘であった(離別して娘本人は知らない)こと、幼い少女は実は娘の昔の姿で、幻であったという結末だったが、主人公の心を最後まで支える存在であった。そしてそれが物語に美しさを加えている感じであった。



2022年2月24日木曜日

ドント・ルック・アップ

 

ネットフリックス映画だが、豪華出演者をそろえ、アメリカ社会の風刺も描かれた、なかなかのエンターテイメント作品だった。


 終末予言による地球滅亡の一因とされている、惑星衝突がテーマ。

 核爆弾で、衝突予定の惑星の軌道を修正して解決するかと思いきや、億万長者の企業家が介入して惑星を細切れに砕いて資源を独占しようという計画に変更した。が、それが結局失敗するというあらすじだが、利害をはさんでのすったもんだがものすごく、権力者や利権者の利己主義、隠ぺい工作、はじめは長いものに巻かれろ的に動いていた主人公の苦悩などが描き出されている。

 爆破計画が失敗してもはやなすすべなし、という絶望感が広がったとき、離れていた家族の元に戻る主人公(デカプリオ演じる教授)。そして仲間たちと合流してご馳走を食べ、手をつないで祈り、最期の時を迎えた。

 地球の壊滅後2万年以上後経ってから、コールドスリープから目覚めたアメリカ大統領、権力者、億万長者たちが降り立ったある惑星。その土地も安全ではなく、大統領が怪鳥に食べられてしまう。スマホのアルゴリズムによって、大統領に予言されていたのはこれだったというオチで、最後まで楽しませてくれた。


アリアナ・グランデによる劇中歌 Just Look Up https://www.youtube.com/watch?v=BnyvDBGojoQ

アリアナグランデの美しさがこの世のものではない感があり、終末感をいっそうひき出している。



2022年2月10日木曜日

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ を観てきました

 


映画バイオハザードシリーズは、シリーズを通して20年来のフォロワーであり、観覧を逃すというのもなかなかできなかった。オミクロン株感染拡大の昨今、すいていそうな劇場・すいていそうな時間帯を探してからの予約となった。

 コロナ感染とゾンビ感染の感じが微妙にリンクして不気味さが増してしまうが、逆に見ていくにつれて、アメリカンなヒャッハー感というのか、最後はやはり、爆弾を落としてドカンといった、大胆にして一瞬の終わりを迎える流れというのが待っていた。

 カプコンのゲーム「バイオハザード」をプレイしたり見たことのある人ならわかるが、まずは洋館へ足を踏み入れたあと、不気味な「振りむきゾンビ」と遭遇し、そのあとは洋館内のいたるところに潜むゾンビと遭遇しながら「かゆうま」日記や鍵、メモなどを見つけながら話を読み解いていく。絶えず不気味な雰囲気が流れていく。

 ステージが進むと、犬のゾンビや、ハンターという半爬虫類系の極めて機敏で狂暴なモンスターが登場し、最後は最強のバイオモンスターと遭遇して、それを倒すと完結したと思う。ゲーム好きな兄にゲーム機ごと貸し出しを受け、プレイを勧められたので、20歳台の時はそれなりのゲーム通にさせられた感がある。

 バイオハザード映画の1と同様、洋館への第一歩は比較的原作ゲームの雰囲気を踏襲している感じがでているものの、すぐにボスキャラのようなものが出てきてドタバタとなり、爆破だの脱出だのと急展開になっていき、そこにはもう原作の雰囲気はほぼ、ない。

 観覧者の勝手な感想ではあるが、一度はゲームと同じ流れのストーリー、音楽もできれば原作とほぼ同じ感じで映画を作ってはもらえないものだろうか。ドタバタ感よりもヒタヒタとくる不気味感があって、一味も二味も違い、ゲームファンも納得の一品になるのではないだろうか。

 大筋の感想はおいておいて、本作品に戻るが、感染者の登場シーンで、犬がその血のりをベロベロなめて感染するが、そんなものをすすんでなめる犬は果たしているのだろうかという疑問が少しあったこと、ラクーンシティに左遷された警官の青年、はじめはとても愚鈍な感じであったが、警察署の入り口を閉ざすことができた幸運から始まり、一緒にいた機敏な女性によって何度も命を救われ続けたりと、ちょっとないだろうなという演出があったものの、エンタテイメントとして全体的には楽しめた。

 人間兵器として開発のために毒を飲まされ続けたらしい?シティの住民たち。警官たちは、ワクチンや薬品を投与されることで、ゾンビ化発症を防げたらしいが、住民たちとは別に、洋館の研究所の中でもモンスターが作られていたようだった。そしてヒロイン?女性も以前、孤児だった時に研究所送りになりそうだったのを自力で脱出して難を免れた、ということだった。

 感染爆発が止められなくなったので、地域一帯を爆破、というのは先日見終えた韓国ドラマ「今、私たちの学校は・・」と変わりがない顛末だった。


2022年2月7日月曜日

今、私たちの学校は… (Netflixドラマ)

  私は2時間前後で完結する映画を見るのが趣味なのだが、子供のほうで好きな芸能人の動画見たさでネトフリを解約したくない、というのがあり、全く使えないわけでもないので一度解約したWOWWOWをそのまま放置し、ネトフリに付き合っている。

 そういった中で仕方なく、興味のありそうなものを視聴しているのだが、今回はこちらのドラマを視聴した。

いわゆる学園ゾンビもの。学校という集団空間の中、あっという間に感染が広がっていく。

ゾンビとの戦い方。大きめの窓枠やロッカー、運搬カートなどを使って足止めをしながら場所移動を試みる。

感染拡大の中、ゾンビにかまれても発症しないものの、空腹を満たすときは人肉を食べることでしか生きられない半ゾンビの存在も出始め、札付きの不良少年もその一人となって主人公たちに執拗に襲い掛かってきたり、家族を救うために危険なところに助けに来る父親、などさまざまなドラマが織り込まれている。

救助対象として、学校が後回しにばかりされており、世の中の優先順位は権力者や大人が先で、子供たちは後回し、というのが浮き彫りにされているが、韓国の世相がそこに描かれているのだろうか?なんにしても、若い世代をないがしろにするツケは、社会の発展を阻害すること間違いなしで、暗い世の中が、優先されてきた世代、恵まれてきた人たちの子供や子孫たちにも待っていると思われる。