2022年3月18日金曜日

ウエストサイド・ストーリー(2022年)を観てきました

 

スティーヴン・スピルバーグ監督作品。旧作からリニューアルされたものである。

スティーヴン・スピルバーグ監督作品といえば、E・TやジュラシックパークをはじめとするSF映画のイメージだが、「シンドラーのリスト」などの社会派のシリアス系作品も手掛けていたりする。

感想を言うと、各俳優さんたちの歌声は素晴らしい。が、1950年代、60年代のアメリカの時代背景と、現代の雰囲気があまりマッチしていないというのか。

カメラに映る風景も、すでにその当時のものとは同じ感じにするのは不可能だし、そこへもってきて不良少年たちが、俺たちはジェッツ団だ、シャーク団だなどと言いながら群れて粋がる姿もすでに今の時代にはマッチしていない。

そこの違和感は残念だったとして、素直に作品を見ていった。それぞれの名曲を歌う人物が、旧作のと違ったり、チノが悪者になってトニーを射殺するという流れになっていたりと、部分部分は違っている。が、前作が名作すぎて、リメイク版というのはなんとなく上滑りな感じのところもあり、作成は難しい、というのをまさに体現する感じだった。前作の雰囲気を再現しないと、あの懐かしい雰囲気にはならないし、かといって、同じものを作ればただのコピーとなる。逆に現代風にしてしまうと、時代のずれがあって違和感がひどくなる。

全体に統制がとれすぎていて、時代が合わない、という感じしかなかったが、もう少し俳優たちの泥臭い個性を強調していたら、違う意味で印象深い作品が出来上がったかもしれないと思う。

 そもそもリメイクはかなり難しい作品だという気がする。さらに思ったのが、トニー役の青年が、タイプとしてはクールな感じで、トニーの感じとややずれがあるかなと思ったところであった。それでも彼なりに好演していて、銃弾に倒れて一目マリアを見てほっとした表情を浮かべて息をひきとるというシーンには、引き込まれるものがあった。