2024年4月9日火曜日

ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007年)

 


死んだ人が起き上がって襲ってきた、というニュースがちらほら入ってくる中、自主映画製作で野山でフィルムを回す大学生ら。教授も監督している中、ミイラ役をしていたボンボン学生が、家に帰りたいと言って、もう一人希望してきた女子学生と一緒に車でそこを離れた。そんな中、不審な叫び声などが聞こえ、一行もキャンピングカーに乗ってそこを離れた。

道中、人をはねてしまった罪悪感にさいなまれて、自殺を試みて重傷を負った女子学生、それを助けるために立ち寄った病院でゾンビに囲まれながらなんとか脱出。車修理で小屋に立ち寄ったり、そして黒人たちにつかまったものの物資を譲ってもらったり、後から遭遇した軍人たちに武器を奪われたりして、道中何人か死んでしまうが、結局ミイラ役をしていた資産家の息子宅(豪邸)に逃げていく。

家族も同級生も死んだりゾンビ化したためにプールに放り込んだというボンボン息子。ゾンビらは息をしないので、頭上にまである水面のその下を、さまよい続けるだろう。だが、彼もじつはゾンビにかまれて負傷していた。そしてその後倒れて変身してしまい、襲ってきた。かたや、襲われかけてブチ切れた女の子がなぜか、一行のキャンピングカーに乗って、一人で脱出していってしまった。その後、主人公女性の彼氏もやられてしまい、生き残った者たちで、事態の収束を待つことにして、ボンボン息子の避難していたパニックルーム(避難部屋)に避難する。

そしていつのまにやら、屋敷の内外にもわらわらとゾンビが集まり、すでに脱出の道は完全に断たれてしまった。

と、くわしいあらすじがなかったので書いてみたが、ストーリーの中で、学生たちが後世に伝える、と言いながら、あきらかに非常に危険な状態になっているのに撮影するというのは、あまりにKYというか、事態に向き合っていなさすぎで、その姿を見ているとむかついてくる感じがする。SNSなどに害されてそういう傾向になる世の中に警鐘を鳴らしている感じもあるが、さすがに逃げている最中に動画撮影、というのは実際は多分無理だと思われる。

「ゾンゲリア」

 

公開当時のころ、たしかこのCMが流れていて、看護師が光る注射針を寝ている患者の目に向かって突き刺してくる映像が流れていたと思う。問題のシーンがジャケットにもなっている。

ポスター画像

映画の概要は、こちら。

https://eiga.com/movie/46340/

小さな田舎町で起こった残忍な殺人。だがそれはほんの始まりであり、よそからその町に立ち寄る人たちもそうだが、街の住民も残忍な手口で襲われ、殺されてしまう。どんどんまともな人が減り、見かけは普通なのだが、雰囲気のおかしい人が増えていく。小さな町だからこそ、それがひしひしと伝わってくる。

ここに出てくる死人たちが他のゾンビ映画と違うのは、一般ゾンビ映画のように、腐敗したり血をしたたらせながら唸り声をあげておそいかかってくる、いつものゾンビタイプとは違うところである。が、見かけは生前そのままであるものの、心が完全に死人となっており、単独での恐ろしい殺害もするが、仲間同士で徒党を組むこともあり、生きている人間を捕まえてその惨殺シーンを皆で写真撮影しながら殺していく、ということもする。そこがとても恐ろしい、寒々とした世界を作り出している。

その黒幕はサイコパスの葬儀屋で、復活するのは「暴力によって殺された人の死体」で、その心臓を抜き出し管理することで、ゾンビとして支配することができるということで、次々とそれらを増やしていく。激しく損傷した死体を、天才的な技術によってきれいに修復してよみがえらせ、彼は作品だとして扱っている。

真相に気づいた主人公の保安官も実は、彼自身も殺されて蘇ったという事実に気づいたのだが、ゾンビという割にはまだまだ人間性や良心は残り、懸命な捜索活動を続けていたわけなのだが、やはり死者だったというところで、深い絶望の底に突き落とされてしまう。葬儀屋のメンテナンスを繰り返さないと、いずれ朽ち果てていってしまうという。(それがあったとしても、どのくらいもつかわからない。)自分が生きた人間ではなかった、というエンディングで幕を閉じた。

2024年4月7日日曜日

「変な家」を観てきました

 




雨穴というユーチューバーは、以前よくおすすめ動画に上がってきていて何度か動画を見たことがある。家の間取りの解説をして、これは変ですよね、といった内容だった。

オバケなどは出てこないものの、人間心理が起こす奇妙な事象を集め、解説を加えていくスタイルのミステリー系な動画のようだが、これがかなり人気となって、書籍なども出版され、映画化もされたようだ。

が、さすがにヘンな間取りを作った人間心理を解説するだけでは映画として見世物にならないようなので、「左手供養」というおかしな風習によって呪いにかけられた一族の人々が、とんでもないことをし続けているという展開が描かれていた。

ここは脚色だと思われるが、ホラーチックな人間の狂気が描かれていて不気味な怖さがあった。

おかしな間取りに住んだ家族の後ろには、密かに人を3人を殺してその左手を3つ、呪い神に捧げる、という狂気にとりつかれた人々がいるのだが、そんなお告げを口にして人々を狂わせた巫女の罪深さと、それにすがることで救われるのだという一族たち。その狂気がそもそも、呪いであるとしか言いようがなかった。

雨穴の動画のファンの人だと展開が違いすぎて、残念だという酷評が多い感じがするが、たんなるホラーだという取り扱いなら、まあ、こういう展開に持って行ったんだなあと、そういう理解をしておこうと思う。