包帯を巻いて、様子がいつもと違う母親をみて、少年は恐怖を抱き・・。
という内容なのだが、母親が別人のように変わり、冷酷になって恐ろしくなったために殺されないように双子の兄弟と力を合わせて戦う映画なのかと思いきや、そうではなく、死んだ兄弟の魂に操られて母親を惨殺してしまう、という恐るべき内容であった。
母親の様子が違うというのは子供にとって大きなトラウマだと思われるが、母親を縛り付けた挙句リンチし、最期には焼き殺してしまうという残虐さのある展開だった。が、母親が妖怪化してしまったほうが、ストーリー的にはホラー要素があって面白かったのに、と残念に思った。
母親は、父親と別れていてシングルマザー。少年のほうも学校に通わず、どちらもなんとなく孤立感を感じさせている。郊外の、周りに家のない静かな戸建に住む、という幻想的な環境の中、物語がすすんでいく。
母親のアルバムに、母と同じような背格好のそっくりな女性が、母と二人で仲良く、同じ服装とヘアメイクでツーショット写真をとっているのが映っていた。とても奇妙な写真で、その女性が、仲の良い友達なのか、双子の姉妹なのかは少し謎であった。だがそれは遺伝子として、少年が双子の兄弟の幻影からずっと離れられずににとらわれ続ける、という形で受け継がせたのだろうか。