2022年11月9日水曜日

スペンサーダイアナの決意 を観てきました

 

クリステン・スチュワートがダイアナ役を演じている。

王室で毎年、クリスマスを過ごすために女王の私邸に集まっている。おそらくダイアナはすでにチャールズと別居生活に入っていたのだろうか。詳しく調べないとわからないが、雰囲気からしてそんな感じもしてくる。

夫から送られた(カミラともおそろいであるという)真珠のネックレスをばらばらにして一粒ごとに食べるという幻想を抱いたり、摂食障害を起こしていて、吐いたり暴食したりの状況をくりかえし、精神的に追い詰められていたダイアナ。夫の王に殺された、妻のアン・ブーリンと自分を重ね合わせるようになっていた。その背景には、夫のチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫関係があり、アン・ブーリンも夫が侍女と結婚を望むために殺された、という物語があったためであった。

どうにか自分を取り戻したいと感じて荒れ果てた生家に立ち入ったダイアナ。アン・ブーリンのまぼろしも見えたりする中、ダイアナ・スペンサーであるという自覚をもって自分らしく生きていこうとする思いが芽生えたようだった。

結婚の失敗(一方が内心そう思っていて、他方が気づかなかったり、思いやりが足りないこともある)によって、本人として新たな気づきや強さを得ることは普通にあることだと思う。この場合もそうであり、ただし王室への嫁入りだったために、事態は周囲から大きく取りざたされてしまい、本人も大変傷ついたと思われる。

離婚に至るまでのほんのステップのような一幕を、切り取った感じの映画であったが、ダイアナの精神的な自立を描いた作品だったと思う。