向井理さん主演のドラマ。AIの台頭によって職場を追われる危機に瀕する医師たち。人に頭を下げられることに慣れ切り、医師になれば一生安泰だと思っていた人たちが、環境の変化によってパニックに陥り、AIとの交戦を臨もうと考えたりする。
AIが正確な診断を下せるというのが実証されてすぐに、医師の人員整理を行う考えを示した経営者。死期がせまっていると言われたにしても(AIがわざと誤診)、あまりにやっていることがムチャクチャすぎ、やはり、最後に手痛いしっぺ返しをくらう。
渡部篤郎がこのクセの強い役どころをうまく演じていた。勝手気ままな感想を言うと、お金持ちの役なのだが、老けて痩せすぎてみすぼらしい感じが出ないように、もう少し筋肉と脂肪をつけたほうがいいかなと思った。
リアリティを感じさせたのが、AIが起こしたミスについて、AIは自分で判断しながら物事を学んでいく進化の過程上、わざとミスを犯して破壊的なことをしている、という分析結果が出た、ということ。子供がわざと積み木ブロックを崩したりしながらうまい積み上げ方を学ぶのと同じように、という話。本当かどうかわからないが、なんとなく納得するような展開となった。
AIの一部品だとまで言われた主人公だったが、母親の死や思い出、山里での老医師との出会いを通じて考え直し、のちに山里の小さな診療所で「人対人」を大事にした診療を始める。だが、諸事情で収監された経営者社長が、今後もAI事業をあきらめないように、主人公も人間と共存できるAIを復活させたいと思っている、という演出で、最後をしめくくっていた。