2020年11月30日月曜日

ロボコップ(1987年)

 リアルタイムで観たという記憶があるが、最近まで再放送をまじまじと見ることはなかった。この映画の背景には近年、少し改善されたらしいが、デトロイトという大変治安の悪いアメリカの都市での凶悪犯罪の数々が象徴されているようである。

 相棒警官の女性、ルイス巡査は、明らかにマドンナ枠でマーフィのフォローをするという役割であり、警官としてはほとんど役に立っていない。ギャングの巣窟に潜入した後にあっけなくすきを突かれて蹴り倒されて気絶、結果、マーフィが一人つかまって殺されてしまう、という結果をたどる。物語の進行上にはしかたのない演出だったかもしれないが、男女警官ペアのみでギャングのたまりどころに潜入するのはいかがなものか、というのは実際の場合に問題になりそうである。

 腕をライフルで吹き飛ばされ、ハチの巣状態で銃撃された後、脳天に一発、とどめをさされるという散々な状況の中で息絶えたマーフィー。

 表向きには死亡扱いとなったため、マーフィの家族が家を売り払い、移転していなくなってしまったのをマーフィが後から知ることになったシーンは、ちょっと悲しかった。
 が、ロボとして再生するまでのチューニングシーンは面白く描かれている。

 ギャングのリーダー、クラレンスもかけたメガネが逆に厭味ったらしい感じで、悪役な雰囲気がよく出ていた。
 が、個人的には私はポンコツロボのED209がお気に入りである。コマ送りアニメ撮影によるぎこちない動き、渋い、威嚇的な音声も不気味で、大変良い味が出ている。そして、階段の上り下りができない情けなさがなんとも言えない感じである。

 クラレンスたちの追跡劇の中、ギャング仲間が工場廃液でドロドロにとけてしまうシーンもあったが、クラレンス自身は、意外に首への一撃であっさりと死んでしまうのがちょっとあっけなかった。


ポンコツロボットのED209。初登場シーンでいきなり、無実の人をなぶり殺しにしてしまった。威圧感のものすごい、しぶい声がとても魅力的である。

劇中の報道番組の合間のCM。恐竜の仕上がりや動きは少しちゃちだが、大変ユーモアにあふれている。「大きいことはいいことだ」、といういかにもアメリカらしいコピーのついた、車のコマーシャル。だがそれは、広大な国土があるからこそであり、日本とは事情が違いすぎる。