2017年11月9日木曜日

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を観てきました

1990年に制作されたTV映画版「IT」は、ほぼリアルタイムで見た記憶があり、ホラーメーカーである原作者のスティーブン・キングの名前も、そのころから目にするようになったのでは、と思う。

ヤフーブログ(シーサーブログに移転)にも以前書いたと思ったが、1990年版ITも当然怖かった。なんといってもあのピエロ、ペニーワイズの狂気と殺気を秘めた恐ろしい顔が印象的だった。

どうして排水溝にピエロが・・。

幼いジョージー君は、そんなことに疑問を抱くこともなく、ピエロと会話を始めてしまう。とにかく、お兄ちゃんからもらった紙船をなくしたら、こっぴどく怒られてしまうのだ。ジョージー君はなんとしてもピエロに船を返してほしかった。

おどけているのに、怖い。何もしなくてたたずんでいるだけで、不気味さや気持ち悪さを感じる。この存在感と邪悪さはすごい。(ティム・カリー演)

2017年版は、ケチをつけるわけではないが、ストーリーもリニューアルによって怖さや映像処理のうまさが加わっていい出来になっているが、ペニーワイズに関しては、どうしても90年代のほうがいい、と個人的には感じてしまった。

目つきは悪そうだが、このキャラ自体からは、底知れぬ狡猾さというのか奥底の深い恐怖感はあまり感じられない。むしろ俳優の年齢も若く、地顔はきっとかわいいきれいな顔なのだろうな、という想像もできてしまい、顔形の美しさのほうがクローズアップされてしまうのだろうか。目つきの悪い、ミッキーマウス的な、というのか。
とても個人的で失礼かもしれない見方なのだが、ドラゴンボールのフリーザ的な表情?を連想させるのである。

で、調べると、17年版のペニーワイズを演じるのは、こちらの俳優さんだったようだ。
ビル・スカルドガルドさん27才。きれいな顔立ちの青年である。たしかにこの眼もとで邪悪な笑いを浮かべられると、ちょっと怖いかもしれない。

怖いのだが、かわいい。邪悪なネズミ、というのか。(2017年)
かわいさのかけらもない。(1990年)

ストーリーに関しては、周りの大人には見えないが、子供たちだけに見える怪異現象に襲われていく、というのが孤立感を深めて怖いと感じさせること、それと今回のITは、子供たちの各家庭での問題点(親からの精神的肉体的な虐待)も描かれ、さらに子供が自分の親を殺害してしまうシーンが二度ほどあり、これはこれでひどい・・、という衝撃もあった。

後年追記;
初代ペニーワイズを演じていたのは、ティム・カリーさんという方。

他にも、似た意見を代弁してくれている記事がネット上に見当たったので、一部抜粋。
「ペニー・ワイズというキャラ自体、ピエロという土台があってのキャラであり、
旧作のペニーワイズではピエロというキャラ特性をしっかり踏まえ、ただ怖がらせるだけでなく、おどけてみせたり困った顔を見せたりと、ユーモラスで多種多様な表情を見せてくれる。そこから恐ろしい顔に変貌するその緩急こそが怖いのであり、そこがペニー・ワイズの最大の魅力でもある。」