2017年10月31日火曜日

コーマ(1978年アメリカ)

40年ほど前の映画で、若き日のマイケル・ダグラスとジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドというかわいらしい感じの女優さんが出演している。床ずれが起きないように天井からワイヤーで吊り下げられた人々はみな、脳死患者で、24時間機械監視の下で体調管理がなされている。やがて臓器が高額で競売にかけられ、患者は解体される。

病院が舞台となり、特定の手術室で軽傷の手術を受けただけの患者が、かなりの確率で昏睡・脳死状態に陥り、とある研究所に送られていくことを女性医師がつきとめる。

そこは臓器売買の温床となっていて、黒幕医師が目をつけた患者を故意に脳死させてそこに送り込むという悪事がなされていた。「優柔不断な世の中が悪いのだ。一般人はみな医者を頼り切って何も考えないじゃないか。」彼の言い訳のような言葉。

たしかに世の中の縮図がここにあるような気がしないでもない。病院の医者、政治の世界での政治家、専門家に任せっきりで、こちらは安心してお任せしようという心理が働きがちである。その一方で、だれの目も届かないところで、日々、目を疑ってしまうようなことが行われているかもしれない、という暗示を含めたエンディングだったようにも思える。