小学校時代の学芸会で、他の学年がこの題目で演劇をやっていたのだが、内容についてはあまり覚えていなかった。同じく他の学年では「青い鳥」の演劇をやっていたのだが、こちらもアマゾンキンドルのアンリミテッドを使って読んでみたところだった。(別途記載)
森に入った主人公たちがいろんなことを見たり体験をしていく、という漠然とした記憶しかなかった中、ふと読んでみた。森の中には一年をつかさどる各月の精霊がいて、それぞれ月替わりに交互に担当月の精霊があらわれ、季節を塗り替えていくという世界のようだった。
そこへ、シンデレラのようなあらすじだが、器量が良く性格も良い女の子が、継母といじわるな姉に虐げられて、寒い森へまきを取りに行かされたり、わがままな女王の褒美の金貨が欲しくなった継母たちに、季節外の花を取りに行かされたりと、大変こき使われる。
そこを、老兵や、季節の精霊たちに助けられ、継母たちは犬に変えられたり、女王もやり取りの中でわがままを改めたりと、事態は好転していく。
物語の味わいどころは、森や花・雪・精霊たち・たき火のぬくもり、金貨、宝石、女王と家来たちを登場させることで、自然の美しさときらびやかさ、取り囲む大人数の人達、ということで華やかなクリスマス的な舞台が想像できるような、そんなところではないだろうか。
映像が発達していなかった過去ほど、自分の頭を使って空想する世界が、読書の醍醐味だったと思われる。ただ、こういう本を読むと、なんだかいろいろ話の展開の仕方や、全体的な雰囲気が、すでに昔っぽいという印象である。
話の設定的には「シンデレラ」ととてもよく似ているのだが、どちらが先にできた話かというと、シンデレラのようで、ディズニー映画は1950年製作だが、原作の話はもっと古く、フランスの作家シャルル・ペローによって1697年に書かれた「サンドリヨン」だということなので、シンデレラの方が古そうである。