2025年6月30日月曜日

「ドールハウス」を観てきました

 

走る、かみつく、ひっかく、といったとてもアクティブな人形だが、その身元は忌まわしいストーリーに包まれた家族とその女の子だった。

https://www.google.com/search?q=%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sourceid=chrome&ie=UTF-8

人形が動いたら怖い、日本人形は見るからにミステリアス、かつ不気味な表情をたたえている、といった人形にまつわる怖いイメージ。このストーリーは、事実と作り話をうまく織り交ぜ、かなり怖い作品に仕上がっていると思った。人形に関する恐怖ミステリーで、事実とされている話もある。

日本では「お菊人形」、海外では「アナベル人形」が有名どころだろうか。人型をしたものにはやはり、霊が入り込みやすく、霊が入り込んだものにはやはり、超常現象が起きやすいということである。なので人形はあなどれない。そこに持ってきて不気味な演出が施されているので、気持ち悪さが増幅している作品となっている。

まずは、子供を事故で亡くした母親が精神的ショックをかかえ、骨とう品売り場で日本人形を買ってきてしまう。お直しをして洋服を着せ、本当の人間の子供であるかのように相手をするところがとても痛々しく、病的であった。そこからしてホラーである。第二子の出生で人形がいい加減に扱われ始めるが、第二子が5歳になるころ、人形とだんだん仲良しになるあたりから、いやな予感しかなかった。

子供にうらやむような発言をしたり?子供をひっかいたりと徐々に凶悪さを増していき、母親も恐怖を感じ始めたりする中、人形のお焚き上げ(失敗)、供養(ラストで失敗が判明)、と混とん感が増していく。人形がものすごい形相でポラロイドカメラに写っていたり、その体内には不幸の中死んでいった子供の遺骨が一体分埋め込まれていたり、と恐怖演出がたくさんちりばめられている。

夫婦が供養を終えた、と思ったはずが、帰宅したと思ったマンションでは、夫の母が「一週間連絡がとれていない」と言ったところから違和感がはっきりした。外気に触れた室内の花が急速に枯れたこと、最後の不気味な演出により、どう見てもハッピーエンドとはいいがたい。この夫婦はやはり、娘となった人形にだまされ、そのまま異世界で気づかずに暮らし始めてしまったのだろうか?という推測がされてくる。

-------おまけ-------

お菊人形

https://www.google.com/search?q=%E3%81%8A%E8%8F%8A%E4%BA%BA%E5%BD%A2&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sourceid=chrome&ie=UTF-8

アナベル人形

https://www.google.com/search?q=%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8%E3%80%80%E4%BA%BA%E5%BD%A2&sca_esv=7fc33b6cf946bf12&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sxsrf=AE3TifMyvUiVJCJ4roQn1b69N3_owMLhGw%3A1751254723392&ei=wwZiaNTdF76r0-kP9OTU-As&ved=0ahUKEwiUy8udnJiOAxW-1TQHHXQyFb8Q4dUDCBA&uact=5&oq=%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8%E3%80%80%E4%BA%BA%E5%BD%A2&gs_lp=Egxnd3Mtd2l6LXNlcnAiMOOCpuOCqeODvOODrOODs-ODu-OCquOCq-ODq-ODiOWNmueJqemkqOOAgOS6uuW9ojIIEAAYgAQYogQyCBAAGIAEGKIEMggQABiABBiiBDIFEAAY7wUyCBAAGKIEGIkFSLYPUPYGWIoKcAF4AZABAJgBgQGgAecBqgEDMC4yuAEDyAEA-AEBmAIDoALzAcICChAAGLADGNYEGEeYAwCIBgGQBgqSBwMxLjKgB9UFsgcDMC4yuAfvAcIHBTAuMi4xyAcJ&sclient=gws-wiz-serp

世界のいわくつき人形

https://www.google.com/search?q=%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8F%E3%81%A4%E3%81%8D%E4%BA%BA%E5%BD%A2&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sourceid=chrome&ie=UTF-8

2025年6月27日金曜日

28年後・・・を観てきました。

 

疾走系ゾンビ映画の元祖、シリーズ第三弾。

28日後、28週後、と連作で出ている映画の続編版。あらすじは、こちら。

https://eiga.com/news/20250626/9/

通過儀礼として、感染者のいる「本土」に狩りに出たが、父親がいなければ完全にやられてしまうくらいにオタオタしてまともに弓を引けない息子。感染者たちは進化していて、肥満した体形で地面をはいつくばる「クローロー」と圧倒的な疾走力、ある程度の知能を持っている「アルファ」という種類に分かれており、アルファからは執拗な追跡を受けて必死に逃走する。なんとか命からがら、住まいのある孤島にいったんは帰るのだが、病気の母親を連れて、再び息子は本土へと「医者」に連れていく決心をする。

医者の言葉から、「モメント・モーリ」とはラテン語で、「死を忘れるな」という言葉の意味であることを知った。

全力疾走ゾンビたちが生息する中で、どう考えても普通の人間が暮らすにはしんどすぎる「本土」の環境の中、医者や、最後に出てくる戦闘集団的な人たちはどうやって、食料や住居を確保しているのだろうか。(医者の家に避難スペースはあったが、ひどく狭いうえに格子越しに腕をつかまれたりと、かなりお粗末なものだった)そこで暮らすのは、ちょっと無理だろうなという印象はぬぐえなかった。


2025年6月8日日曜日

サブスタンス を観てきました

 

自身の問題に悩み、クローン技術に手をだしたところ、とんでもないことが起きた。

https://www.google.com/search?q=%E3%82%B5%E3%83%96%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sourceid=chrome&ie=UTF-8

ショービジネス界に身を置く立場からすると、老いとはなおのこと、避けられない永遠のテーマだというのは感じる。

デミー・ムーアは1990年の「ゴースト」や、チャーリーズエンジェル・フルスロットルへの出演で存在感を大きく感じる女優であるが、チャーリーズ・・の時にすでに、数千万円の費用をかけて全身整形を行ったということが何かの記事に乗っていたのを読み、うわあ、すごいこの人・・。と、自身の美を磨くことへの執着的な本気度を感じたものだった。

その執着心の強さが役柄にも出ているというのか、したたかで何か毒を含んだ感じのキャラクターに変身したかのようなイメージである。

そんな彼女にぴったり?な役どころが今回のものだった。老いを理由にテレビ番組をクビになり、失意にくれる日々。人生を変えるためにある薬を使い始めるのだが、おそろしい結末が待っていたのであった。

交通事故で搬送された病院で、異様にきれいな顔をした看護師の男性が、意味深な言葉と手紙を残した。その看護師男性もじつは、ある老人のクローンだったのだ。

自分が変われて幸福な人生を歩めるのではない、というのは最初からわかっていなかったのだろうか。クローンが勝手に体から分離して別人として好き勝手にふるまい始める。活動を1週間交代しないといけなくて、活動している方が、ぐったりと寝ているペアの体に栄養を与えたりして次の一週間に備えるのである。整形手術や特殊薬物の接種後に、ダウンタイムをとるという芸能界のパロディ的なものも入っているのだろうか。

デミームーアは年齢からすると十分きれいで若いし、ストーリーの中で同級生の男性に飲みに誘われた時、赤いショートドレスなどに身をつつまなくても、地味な格好でも全然素敵であった。気後れしないで出かければよかったのにと思いながら見ていた。ショービジネス界の基準だと若いことも必要になるが、普通の世界はそうでもない。気持ちの持ちようで、自分を正当評価できないのもつらい。

サスペンス系かと思っていたら、どんどん残酷なことになっていった。分身スーの行いがとにかくひどく、活動時間を延長するためにルール違反を続け、規定日数を超えても本体から活性化エキス(骨髄液?)を毎日しぼりとり、そのことによって、本体がみにくく老いさらばえてしまった描写。リアルで美と若さへの執着があるデミームーアにとって、反対イメージの象徴のようなストーリーである。

スーはシステムの停止を図った本体を本気でメッタ殺しにし(本体が死ぬと自分も同じ目にあうのは知らなかったのだろうか)、自身の体が徐々に崩壊してきたのであわてて自分の分身を作ったところ(正当使用方法ではなく)、モンスターが生まれて撮影会場で大暴れしまくり、会場を血まみれにするという、スプラッターな展開となって驚いた。とにかく、スーが愚かすぎて取り扱い説明を全無視するという暴挙に出て、すべてメチャクチャにしてしまったという話。

不気味で微妙な均衡と緊張の中で、どうにか保てていたものがやがて崩壊する、というのが見たいという欲求には、十分応えてくれすぎる作品であった。