舞台となったのは熱海市をもじった、暑海(あつみ)市。観光産業を盛り上げたいがために、はじめはサメ被害をもみ消したがっていたが、やがてサメの駆除作戦に本気でとりくむこととなった市長、サメ事件を扱ううちにその被害の大きさに危機感を示していく警察署長、サメの研究をすすめる女性博士、サメに対して断固とした姿勢で肉弾戦で戦うマッチョマンらが織りなすコミカルなサメ映画。
温泉の風呂、普通の家庭の浴室の湯船に突如として現れるサメは、温泉の源泉から、地震の柔らかい軟骨の体を使って各浴場にパイプ越しに通って現れる、というむちゃくちゃな設定であった。
さらに、サメが砂浜や、アスファルト舗装道も水中のように泳いでしまうという状況、市長・博士・マッチョで乗り組む小型艇での戦闘もハチャメチャ感があった。そのハチャメチャ設定を理解して見ていくなら、とにかくサメが飛び出してきて襲い掛かって人々を飲み込む、というサメ映画の見どころに焦点を置いた映画のため、何度も見どころがあって面白く見ることができる、といえる。
また、ロングヘアーで痩せて貧しいアーティスト風、といった感じのオジサンが、警察署長を演じていたので、最初の時点では映画のB級感がすごかった。非協力的だった市長とコンビを組み、テキトーな捜査ばかりして、人災を増やしていくストーリーなのかと思いきや、業務に一生懸命に取り組んでおり、作品内では職務遂行上、信頼できる人というイメージとなった。あまり有名な俳優さんではなさそうだが、中高の名門校出身であったようなのが意外であった。https://www.google.com/search?q=%E9%87%91%E5%AD%90%E6%B8%85%E6%96%87&rlz=1C1FHFK_enJP1154JP1154&sourceid=chrome&ie=UTF-8
市長が巨額の投資を行って建設したビルを爆破することによって、大群となっていたサメを一網打尽にして撲滅することに成功したかに見えた。が、最後のエンドロールで、道端の温泉に入ったと思ったオジサンが、じつはサメの口だったそれに食われてしまうというシーンがあり、サメの完全駆除には成功していないのだろう、という結論で終わっていた。
見かけによらずまじめで献身的だった警察署長と、はじめは非協力的だったが市のために戦って、自らの投資を犠牲にしながらもサメのせん滅に貢献した市長、市の要職者達の良心を感じられて良かったと思った。(マッチョも見ているとコミカルで笑ってしまうが、大変良い人だったと思う。)