同僚を誤射して停職中となった刑事が、警備員の仕事を見つけ、廃デパート内を巡回したときから怪異現象が起き出した。 先日亡くなられた、ドナルド・サザーランドさんの息子、キーファー・サザーランドの主演。 |
エクソシスト映画のエッセンスも取り入れた感じである。火事で廃屋になったデパートの地下には、精神病院が隠されていた。そこに入院していた少女・エシカには悪霊が取りついており、彼女から分離された悪霊が鏡に入って暴れ出した、という話。
一度鏡に取りつかれてしまうと、家に帰ってからも鏡の霊障がバンバン起き、家族まで巻き込まれるというありさまである。鏡を離れても、映っていた自分が一緒に移動せず、鏡の中からにらみつけている、という鏡にまつわる怪談・あるある現象も起きる。が、鏡がそこから自殺行為を行うと(例えばするどい刃物で自分の首を掻き切ったり、顎を引きちぎるなど)、現実の本人もその同じ通りに死んでしまう。かなり過激な殺害を行う、狂暴性の強い恐ろしい相手である。
刑事の同僚に頼んでエシカを見つけ出し、再度霊を呼び込んでもらう。取りつかれたエシカは結局、爆発に巻き込まれて死亡。 悪霊の目当てはエシカ、その本人が死亡したことから悪霊は取りつく対象がなくなり、退散したのか?いまいちよくわからない。それとも、爆発は全てを吹き飛ばすのだから、霊も例外なく吹き飛んだのだという爆弾最強説か?とも思える一段落である。 が、そんな悪霊の行く先への疑問を残したまま、主人公の刑事は、生きながら鏡の世界に閉じ込められてしまったらしい、というアンハッピーエンドを迎える。
脱出したと思いきや、現実世界とそっくりなアナザーワールドに迷い込んでしまった結末は、映画「サイレントヒル」のラストにも言えるような、何とも言えない殺伐とした孤独感のようなものを感じさせる。