2024年6月28日金曜日

ミラーズ(2008年)

 

同僚を誤射して停職中となった刑事が、警備員の仕事を見つけ、廃デパート内を巡回したときから怪異現象が起き出した。 先日亡くなられた、ドナルド・サザーランドさんの息子、キーファー・サザーランドの主演。

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エクソシスト映画のエッセンスも取り入れた感じである。火事で廃屋になったデパートの地下には、精神病院が隠されていた。そこに入院していた少女・エシカには悪霊が取りついており、彼女から分離された悪霊が鏡に入って暴れ出した、という話。

一度鏡に取りつかれてしまうと、家に帰ってからも鏡の霊障がバンバン起き、家族まで巻き込まれるというありさまである。鏡を離れても、映っていた自分が一緒に移動せず、鏡の中からにらみつけている、という鏡にまつわる怪談・あるある現象も起きる。が、鏡がそこから自殺行為を行うと(例えばするどい刃物で自分の首を掻き切ったり、顎を引きちぎるなど)、現実の本人もその同じ通りに死んでしまう。かなり過激な殺害を行う、狂暴性の強い恐ろしい相手である。 

刑事の同僚に頼んでエシカを見つけ出し、再度霊を呼び込んでもらう。取りつかれたエシカは結局、爆発に巻き込まれて死亡。 悪霊の目当てはエシカ、その本人が死亡したことから悪霊は取りつく対象がなくなり、退散したのか?いまいちよくわからない。それとも、爆発は全てを吹き飛ばすのだから、霊も例外なく吹き飛んだのだという爆弾最強説か?とも思える一段落である。 が、そんな悪霊の行く先への疑問を残したまま、主人公の刑事は、生きながら鏡の世界に閉じ込められてしまったらしい、というアンハッピーエンドを迎える。

脱出したと思いきや、現実世界とそっくりなアナザーワールドに迷い込んでしまった結末は、映画「サイレントヒル」のラストにも言えるような、何とも言えない殺伐とした孤独感のようなものを感じさせる。


ザ・ウォッチャーズ を観てきました

昼間のうちに食料を森から調達し(狩り・採集)、日が落ちたときには通称「鳥かご」という建物にこもらないと、化け物に襲われてしまう。森には結界のようなものがあって脱出できない。

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「助けて」と鳥かごの外から、夫そっくりな声で叫ぶ声。モニターには夫が映っていたが(衣服を付けていないようにも見えたが、そこが怪しかった)、間に合わず襲われ、建物内に招き入れることができなかった。が、後から考えるとやはり、化け物の変身であったということがわかる。疑心暗鬼の怖さを感じさせるシーンであった。

建物にあった謎の地下室を発見したことから、ことの真相のような状況を把握し、森外れの沼に留めてある船での脱出を試みることになった。化け物たちは変身能力を持っており、家族に化けたそれに囚われ一名脱落するも、なんとか森からの脱出に成功した。

が、そこで話が終わるのはあまりに単純すぎる上につまらない。真相を、録画された動画で語っていた教授、彼がもしかすると実在しない人物とかだったり?と勝手に想像していた。すると、一緒に脱出し、人間だとばかり思っていたマデリンという女性がじつは、化け物「妖精と人間のハーフ」だったということがわかった。それは、教授が自分の亡くなった奥さんへの未練があって、それに化けさせていた、という真相であった。



2024年6月21日金曜日

ドナルド・サザーランドさん死去


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この方は、名バイプレイヤーとして本当にさまざまな映画に出演しており、TVなどでも見た映画では古くは、「ボディ・スナッチャー」(1978年)、最近だと「ハンガーゲーム」(2012年~)スノウ役で見ており、見る回数が多いだけに、非常に存在感のある俳優であったと思う。

2024年6月20日木曜日

ヒューマンキャッチャー

 

いわゆる怪物ものであるが、ストーリー展開や演出にぐだつきがなく、見ごたえがあって面白い。

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冒頭は、案山子(かかし)に紛れて杭にぶら下がっていた怪物だったが、それが動き出し、農家の少年を襲った。案山子は不気味だなあ、動いたら怖いなあ、だがよく見てみると、動くかもしれない?という恐怖心を煽り立てるような、そんな展開である。

いわゆる食人コウモリ的な怪物で、黒ずんだ不気味な形相の男、その背中に巨大なコウモリのような羽がついていて、ものすごいスピードで追いかけてくるのである。

バスケットボールチームの少年や大人たちの乗った、走行中のバスを、飛び道具も使ってパンク停止させ、バスの天井や窓を破壊して襲って食う。脳が半分破壊されてなくなっても死なないという、13金のジェイソンのような生命力がある。

予言夢のようなものを見る少女によって、それが何か説明された。23年に一度戻ってきて、23日間、人間を食い続けるという怪物らしい。

手動兵器のモリで大ダメージを与えたが、途中で動かなくなった怪物。23年周期のそれの時間がきたため、休眠状態になったようである。が、それを家に持ち帰り、23年後の再会を待つ、という農家の親子もすごい。決して倒せない、という設定のようだが、また起きてしまったら今度はやられるのではないだろうか、という不安を感じさせる。が、懲りずに23年後もその怪物を「地獄のコウモリ」といってミイラを家に展示しつづけている。それが目を覚ます前に、せめて、動けないように手足胴体・首などバラバラにしておいたほうが良いのでは、と思わせながら物語は終わった。



2024年5月12日日曜日

(なんじゃこりゃ映画)シー・オブ・ザ・デッド(2014年 ブラジル)amazon prime videoより

 

ブラジルの片田舎の漁村が舞台になっているようである。

冒頭の二人の漁師のシーンからして、南米な香りとともに、B級映画を予感させる感じがしていたが、凶悪人魚(ここも見どころと言えば見どころ)にかみつかれて襲われるところから、感染が始まった。ゾンビ化したアカエイが動き出したりと、人間以外でもゾンビが活躍する。

話のあらすじは、ほぼネットから拾える。

https://eiga.com/extra/horror/34/

https://www.google.com/search?q=%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89&rlz=1C1OLVV_enJP984JP984&sourceid=chrome&ie=UTF-8#ip=1

ドロドロぐちゃぐちゃな赤黒い血しぶき、血のりの目立つシーンも多々あり、汚らしいが、どこか面白おかしく楽しめる映画である。

突っ込みどころはいろいろあるが、後半で、黒魔術で呼び出した悪魔になぜか、ローソクの火が引火し、せっかく召喚したのに焼け死んでしまったのかと思い唖然としかけたが、よく見ると襲い掛かってきたゾンビであったようだった。(もう一度見返してわかった)一体どうなっているのだろう、と考えるひまもあまりなく、あれよあれよという展開で話が進んでいく。バーの主人マダム・ウルスラはオカマで、自身の店の開店パーティが、ゾンビ騒動でめちゃくちゃになったためににヒステリー状態で怒り狂い、ガトリングガンを連射しまくった。歌手のマネージャーも射殺したため、歌手から報復で刺殺されてしまう。そのほかにも、恐ろしいというよりも、唖然としてしまうシーン多数。

刃物で切られて死んでしまった片思いの女性の遺体を、貯蔵庫の樽に付け込む男。肉と同じ方法で保存することにし、必ず生き返らせると誓って出ていく。映画「バタリアン」のタールマンのように腐敗しそうで怖い。

ゾンビ化してしまった弟の叫び声から逃げ、岩肌の途中にあらわれた巨大な目におののきあわてた少女だったがそれは、ゾンビ化したクジラだった・・。そしてそれが、空と山をバックにして少女の前にそびえ立つ。山の頂上まで逃げた少女。 異形の生物たちがうようよとうごめくような陰が、海の、そこらじゅうの海面に浮かんでいる景色が広がった。ダメダコリャ感を感じさせて、ストーリーは終了する。


2024年4月9日火曜日

ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007年)

 


死んだ人が起き上がって襲ってきた、というニュースがちらほら入ってくる中、自主映画製作で野山でフィルムを回す大学生ら。教授も監督している中、ミイラ役をしていたボンボン学生が、家に帰りたいと言って、もう一人希望してきた女子学生と一緒に車でそこを離れた。そんな中、不審な叫び声などが聞こえ、一行もキャンピングカーに乗ってそこを離れた。

道中、人をはねてしまった罪悪感にさいなまれて、自殺を試みて重傷を負った女子学生、それを助けるために立ち寄った病院でゾンビに囲まれながらなんとか脱出。車修理で小屋に立ち寄ったり、そして黒人たちにつかまったものの物資を譲ってもらったり、後から遭遇した軍人たちに武器を奪われたりして、道中何人か死んでしまうが、結局ミイラ役をしていた資産家の息子宅(豪邸)に逃げていく。

家族も同級生も死んだりゾンビ化したためにプールに放り込んだというボンボン息子。ゾンビらは息をしないので、頭上にまである水面のその下を、さまよい続けるだろう。だが、彼もじつはゾンビにかまれて負傷していた。そしてその後倒れて変身してしまい、襲ってきた。かたや、襲われかけてブチ切れた女の子がなぜか、一行のキャンピングカーに乗って、一人で脱出していってしまった。その後、主人公女性の彼氏もやられてしまい、生き残った者たちで、事態の収束を待つことにして、ボンボン息子の避難していたパニックルーム(避難部屋)に避難する。

そしていつのまにやら、屋敷の内外にもわらわらとゾンビが集まり、すでに脱出の道は完全に断たれてしまった。

と、くわしいあらすじがなかったので書いてみたが、ストーリーの中で、学生たちが後世に伝える、と言いながら、あきらかに非常に危険な状態になっているのに撮影するというのは、あまりにKYというか、事態に向き合っていなさすぎで、その姿を見ているとむかついてくる感じがする。SNSなどに害されてそういう傾向になる世の中に警鐘を鳴らしている感じもあるが、さすがに逃げている最中に動画撮影、というのは実際は多分無理だと思われる。

「ゾンゲリア」

 

公開当時のころ、たしかこのCMが流れていて、看護師が光る注射針を寝ている患者の目に向かって突き刺してくる映像が流れていたと思う。問題のシーンがジャケットにもなっている。

ポスター画像

映画の概要は、こちら。

https://eiga.com/movie/46340/

小さな田舎町で起こった残忍な殺人。だがそれはほんの始まりであり、よそからその町に立ち寄る人たちもそうだが、街の住民も残忍な手口で襲われ、殺されてしまう。どんどんまともな人が減り、見かけは普通なのだが、雰囲気のおかしい人が増えていく。小さな町だからこそ、それがひしひしと伝わってくる。

ここに出てくる死人たちが他のゾンビ映画と違うのは、一般ゾンビ映画のように、腐敗したり血をしたたらせながら唸り声をあげておそいかかってくる、いつものゾンビタイプとは違うところである。が、見かけは生前そのままであるものの、心が完全に死人となっており、単独での恐ろしい殺害もするが、仲間同士で徒党を組むこともあり、生きている人間を捕まえてその惨殺シーンを皆で写真撮影しながら殺していく、ということもする。そこがとても恐ろしい、寒々とした世界を作り出している。

その黒幕はサイコパスの葬儀屋で、復活するのは「暴力によって殺された人の死体」で、その心臓を抜き出し管理することで、ゾンビとして支配することができるということで、次々とそれらを増やしていく。激しく損傷した死体を、天才的な技術によってきれいに修復してよみがえらせ、彼は作品だとして扱っている。

真相に気づいた主人公の保安官も実は、彼自身も殺されて蘇ったという事実に気づいたのだが、ゾンビという割にはまだまだ人間性や良心は残り、懸命な捜索活動を続けていたわけなのだが、やはり死者だったというところで、深い絶望の底に突き落とされてしまう。葬儀屋のメンテナンスを繰り返さないと、いずれ朽ち果てていってしまうという。(それがあったとしても、どのくらいもつかわからない。)自分が生きた人間ではなかった、というエンディングで幕を閉じた。