2016年4月26日火曜日

高港基資の漫画より



数年前に入手したマンガを読み直した。一つ一つ面白い。創作したストーリーが多いだろうが、本当にあったらぞっとするような身近な話もある。

駅の人身事故の話。バラバラになった遺体を回収する駅員が、パーツが多いのに気づくところからもののけの世界に引き込まれていく。ホーム下のくぼみには、何かが住んでいる。それと目が合ってしまってから、彼もホームに何者かの力によって、転落させられてしまう、という話。

2016年4月20日水曜日

ゾンビ・クロニクル

完全に低予算のB級映画である。パラノーマル・アクティヴィティという映画がヒットして以降、ドキュメンタリー風の味わいの映画が出回っているようであるが、こちらもそんな感じである。

従軍カメラマンがビデオを回して撮影していくという流れだが、舞台はイギリス、ゾンビたちに侵攻されていく母国イギリスを離れ、船に乗って隣国オランダに脱出しようという軍人である主人公の話。



数人グループで脱出を試みる。軍隊仕込みの軽快なフットワークで敵を狙撃し、迂回したり追い込んだりかなり効率的な動きではあるものの、ゾンビや盗賊たちに襲われ、人数が減っていく。
 やっとたどり着いた砂浜でも、伍長が一人生き残り、オランダから逃げ延びてきたカップルに「ここなら大丈夫ですよね?」と話しかけられておわるところが、味わいどころだったかもしれない。

とにかく、大きな何かが起こる、出てくる、あるいは、壮大な人間ドラマでもなく、ドキュメンタリータッチな映画であり、B級ホラーである。

2016年2月1日月曜日

ディープ・ライジング

お手軽なB級サメ映画である。
まず、最初から、サメの映像が、どこかのホオジロザメの映像を引用しているのがバレバレで、人間との絡みノシーンでは、ハリボテ感満載のお人形が追いかけてくるという展開。
 映像を引用している時点で、ああ、これはもう超・低予算のB級映画だなとピンときた。極上のものを求めなければ、あとはストーリーのテンポなどはまずまずで、見るに堪えれたので、良しとしたい。



 ガオー、と吠えて追いかけてくる鮫が、なかなかいい味をだしてくれている。が、お人形を出すにしても、もうちょっとそのクオリティをどうにかできなかったのか・・。

 それは目をつぶり、姉の敵討ちに燃えるヒロイン、それといい仲になってしまう(最後に恋に落ちたほうがすっきりするのに、この演出は暑苦しかった)、ナイスガイの主人公(生物学者という設定)、ナショジオチャンネル出演もしていて自信に満ち溢れるシャークハンター、安全をないがしろにしてまで観光業を推進させたい水族館館長や市長、さまざまな濃い人間関係を織り交ぜながら退屈はさせなかった、そこを評価したいと思う。



ポゼッション

ガレージセールでたまたま見つけた木彫りの箱に魅入られ、女の子がそれを入手する。そこから惨事がはじまる。

かたときも箱をはなさず、人格も攻撃的になる少女。おびただしい蛾の大群が室内に大量発生するという怪奇現象も起こる。両親の離婚という複雑な環境下、心配する両親の思いもむなしく、悪化の一途をたどった。とうとう悪魔祓いに頼み込むことに。

箱に魅入られたときから少女がはめていた指輪がはずれ、間もなくして悪魔が具現化して箱にとじこめられる。除霊が終わってその指輪を拾い上げたエクソシストの男性、その呪われた指輪はどうするのだろうというちょっとした不安を残す。ほどなくして彼は交通事故に見舞われ、乗っていた車は大破し、木箱が路上に投げ出されるラストシーン。これをまた、誰かが拾うのでは?という予測をさせるエンディングである。

2016年1月30日土曜日

女優霊 Joyurei




1996年の作品である。映画の撮影所で起こる、怪異現象を描いている。




 映画の撮影所というのは、大きな倉庫のような建物の中に、舞台装置のセットと、上には木の梁が張りめぐらされ、ライトをそこに設置したりできるようにしてある。梁のほうにはハシゴも通路もあって、暗い天井が上に広がっているため、舞台セットのほうは明るいが、上の方はとても暗く、見えづらい。
 その暗い雰囲気をうまく生かした演出がなされている。そこに上った女優の転落死、監督が梁の上から手招きする出演者の女の子につられて行ったが、かき消すように消える場面で、その雰囲気が不気味に演出されている。

 撮影所には何かが出る、という業界のうわさや雰囲気を、女優霊という形であらわした映画だと言える。ふと目をやった先に、死んだ女優の女の子が、セットの床下からこちらをのぞいていた、というシーンも恐ろしい感じが出ている。
 出演者クレジットには大きくでていないが、上の写真の、あでやかな雰囲気の女優は小島なおみという女優で、女優霊(黒髪の女)は、李丹という中国の女優である。セリフはないものの、物語を作っていく重要な役柄を務めている。

2016年1月29日金曜日

不安の種 Pet Peeve




漫画が原作のホラー映画。ある呪われた町に引っ越していく家族。車内の後部座席で、映画のテーマソングに使われている歌を口ずさむ家族、それをききながら運転し、頭を振って歌にノリノリのお父さん。

オープニングから、のたくる眼球が出てきたり、引っ越してそうそう何者かに惨殺される家族、半身が壁にのめりこんでつぶれたまま助けをもとめるバイクドライバー。はじめからショッキングでおどろおどろしい。
 喫茶店の幽霊が自宅までついてきてとりつかれたり、モンスターも闊歩する。
顔が藁(わら)でできた女や、「おちょなんさん」という目と口が縦についたお化けが出てきたりして、みな恐ろしい。

 惨殺された家族の生き残りの女性は、この町で育ったからという理由で町から出ず、やがて自分も顔が藁に変わり、化物の一員となっていく。
個々の家庭レベルで恐ろしいことが起きているのだが、問題がそこから広がらず、みなその町を恐れながらも、逃げ出そうとしない。そして普通の生活をしていくところに、空気のよどみが感じられて、暗い雰囲気となっている。
歌はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=0xg2b1jQAoI

2016年1月27日水曜日

お姉チャンバラ THE MOVIE

女の子が刀を振り回して、ゾンビをバッサバッサとなぎ倒していくストーリーである。ゾンビの開発を行ったマッドサイエンティストを倒しながら、剣の道のライバルであり敵となった妹をも、倒さざるを得ない運命を背負わされたヒロイン。もとは、ゲームが原作だったらしい。この原作ゲームには、若い女の子が日本刀を構えて戦う、という日本の萌え(moe)文化が背景にあると思われる。
こちらの映画でもゲームと同じように、ビキニにちょっと帽子にマフラーやらブーツを足したくらいの露出度の高い姿で、乙黒えりという女優が演じている。セクシー系をねらった作品でもあるので、鼻についた演技を多少は想像していたが、そんなことはなく、哀愁を感じさせる真摯な姿勢が感じられた。