2021年4月10日土曜日

ウォール・ストリート(2010年)

 

チャーリー・シーンが主演を務めた前作「ウォール街」の続編。今回は、シャイア・ラブーフさんがやり手証券マンを演じている。

 ある会社がその危機を同業他社や政府からの資金援助で倒産を免れたが、その時、たった一社だけ資金援助を断った。それを逆恨みして風説流布・株の空売りをしてその会社を追い詰め、社長を自殺に追いやった。犯人は、倒産しかけた投資顧問会社の悪徳社長。アメリカのウォール街は、なんと恐ろしいところなのか、実際の事件かどうかよりも、考えられる悪事だからこそ恐ろしい。

 証券業界、不動産業界、みんなお金を儲けようとしていて、特にウォールストリートの証券マンは、いくら稼いだらリタイアして悠々自適の人生を送るかを計算しているのだということだ。 たしかに知り合いの話で、リタイア後の資金で不動産購入し、事業を起こした、という話を聞いたことがある。(米国の証券会社の人)

 一方、クリーンエネルギー、無限エネルギーという理想的な技術を作っていく研究者に莫大な出資をしよう、というロマンというのか夢を追う人は少なく、自分が儲かるために、あまり将来性のないエネルギー資源(油)の会社に出資をして、目先の利益ばかりを追求しようとする業界人たち。なんだかがっかりする話である。そして2008年に起きたリーマンショックの話も、この映画の中で描かれている。

 服役を終えて世間に戻ったゲッコー(マイケル・ダグラス)、やはり金に汚いだけの亡者かとおもいきや、最後は主人公の夢をかなえ、娘の幸福を祈る人間らしい一面を見せ、ほっとしたエンディングとなった。

追いつめられて自殺した会社社長を演じた、若き日のフランク・ランジェラさん。映画「スフィンクス」で観た若い時の面影でピンときたが、やはりこの人だった。知的で気品がありつつ、どことなくメランコリックな影のある、二枚目俳優であった。観ていないが他に、「ドラキュラ」(1970年代)も代表的な出演作のようである。