2021年4月26日月曜日

私は貝になりたい(2008年日本)

 

SMAP中居くんが主演。ひと昔前なので少々若い。

某邦画(幽霊は出てくるものの、コメディ系)を映画館に見に行ってからというもの、邦画は絶対にロードショーはいかないことにしている。映画が終わった後のさわやかさを全く得られないまま、どんよりとした後味しか得られず、代金を支払った対価を全く得られない不満だけが残ってしまったからである。

邦画というのは、海外映画のように巨額の制作資金が得られないため、アニメ以外だと、どうしても映画を見て旅に出るようなワクワク感が得られにくい作品ばかりになる。どうしても人の心の内面や、日常的なことに即した作品になったり、ちょっと想像した創作話でも、スケールが小さくなってしまいがちになったり、「そうだよね」みたいな内輪盛り上がりな感じのノリになったりと、当たり前すぎて感動量がものすごく小さいので、映画館での邦画とは、訣別しているのである。

したがって、こちらの映画も気にはなっていたものの、あらすじは大体わかってはいたものの、TVでしか見ないことにしていた。

本当は殺していないのに、捕虜の米兵を殺したという罪で戦犯に仕立て上げられ、奥さんが無罪のための署名をせっせと集めたにもかかわらず、とうとう絞首刑にされてしまったという話。殺していないから(はりつけ後に衰弱死)、「殺していません」ということを申し開きしなかったのだろうかと、そう言うシーンが見当たらなかったのであれっ、と思ったのだが、そこは大事なところではなかったのだろうか。そこは昔の日本人の奥ゆかしさであり、損なところだったのだろうか。

死刑になった主人公の、家族愛、生まれたばかりの幼子、奥さんが切り盛りする散髪屋、それらをみているうちに、無念のうちに死刑で死んでいくことがとても切なく感じられる。中居くんはちょっとお笑いの才能があるのか、どこかひょうきんな雰囲気もあって、そういった中でもあまりシリアスな雰囲気に包まれなかったのであるが。