2024年12月18日水曜日
思い出のマーニー(2014年 日本)
懐古趣味「青い鳥」
2024年12月17日火曜日
(懐古趣味)「森は生きている」(1943年ソ連)の読書感想
小学校時代の学芸会で、他の学年がこの題目で演劇をやっていたのだが、内容についてはあまり覚えていなかった。同じく他の学年では「青い鳥」の演劇をやっていたのだが、こちらもアマゾンキンドルのアンリミテッドを使って読んでみたところだった。(別途記載)
森に入った主人公たちがいろんなことを見たり体験をしていく、という漠然とした記憶しかなかった中、ふと読んでみた。森の中には一年をつかさどる各月の精霊がいて、それぞれ月替わりに交互に担当月の精霊があらわれ、季節を塗り替えていくという世界のようだった。
そこへ、シンデレラのようなあらすじだが、器量が良く性格も良い女の子が、継母といじわるな姉に虐げられて、寒い森へまきを取りに行かされたり、わがままな女王の褒美の金貨が欲しくなった継母たちに、季節外の花を取りに行かされたりと、大変こき使われる。
そこを、老兵や、季節の精霊たちに助けられ、継母たちは犬に変えられたり、女王もやり取りの中でわがままを改めたりと、事態は好転していく。
物語の味わいどころは、森や花・雪・精霊たち・たき火のぬくもり、金貨、宝石、女王と家来たちを登場させることで、自然の美しさときらびやかさ、取り囲む大人数の人達、ということで華やかなクリスマス的な舞台が想像できるような、そんなところではないだろうか。
映像が発達していなかった過去ほど、自分の頭を使って空想する世界が、読書の醍醐味だったと思われる。ただ、こういう本を読むと、なんだかいろいろ話の展開の仕方や、全体的な雰囲気が、すでに昔っぽいという印象である。
話の設定的には「シンデレラ」ととてもよく似ているのだが、どちらが先にできた話かというと、シンデレラのようで、ディズニー映画は1950年製作だが、原作の話はもっと古く、フランスの作家シャルル・ペローによって1697年に書かれた「サンドリヨン」だということなので、シンデレラの方が古そうである。
2024年12月11日水曜日
日本以外全部沈没(2006年 日本)
筒井康隆原作、小松左京の「日本沈没」のパロディを映画化したもの。 |
小松左京のSF小説「日本沈没」は、古くは1970年代~映画やドラマにもなり、近年もリメイク版が出ているが、こちらの映像化はこの映画一本のみとなっている。
日本以外の世界の国々が、地殻変動によってすべて沈没し、日本の人口の数倍の外国人たちが、狭い日本に押し寄せてきた。食料自給率の低い日本なので、多くの食料価格は高騰したが、一部の食品は制度変革で低価格化もすすんだ。各国貨幣は暴落し、多くの外国人が持ち金の無価値化でホームレスとなり、治安も悪化。某国の者たちが謀反を起こして日本の首相を人質にとり、クーデターのようなものを起こすが、駆け付けた田所博士の予言のとおり、日本も沈没していった。田所博士が冒頭で、今後のマントルの動きについての説明をするときになぜか要領を得ない、めちゃくちゃな感じでお茶を濁し、ケムを巻くように退散したのが気になっていたが、これは最後の伏線であった。
話の顛末は別として、どこか既視感を感じさせる内容であり、少し不気味な感じもしないでもなかった。
それはさておき、パロディだけあり、ところどころにそれを感じさせるものがあった。「日本沈没」の1970年代作で小野寺を演じた村野武則や藤岡弘がそれぞれ、日本の首相や防衛庁幹部などを演じていた。他にも、よく見ると海外著名人のそっくりさん的な配役の人が、ところどころで面白おかしく登場している。
日本も最後に沈没するとわかったとたん、お互いに覇権を争いドタバタと取っ組み合いしていた者たちの間に、つかの間の平和が訪れた。どうしてもっと早くこれを迎えることができなかったのか。いつまでも醜い人間たちを、神様が見捨てて滅亡させることにした、そう思ってしまっても仕方がないなあという、そんな後味を残しながら終わった。
2024年12月10日火曜日
ディープブルーライジング
設定がありえないことばかり。南極で暴れる変異型オンデンザメ。 |
氷の海を元気に泳ぎ回り、かつ、背びれだけで南極研究所の周辺の氷をカットし(ありえない)、漂流させて研究所を丸ごと襲う、というサメたちの驚きの手法。
むちゃくちゃトンデモ映画でばかばかしいとは思いつつも、娯楽の内だと思えば展開はまあまあな感じだろうか。
氷上の犬や人を、海中から氷を破壊しつつ襲って食う。また、研究所を周辺の氷から切り離したうえで海底まで沈没させて、まわりをぐるぐる泳いで捕食の機会をうかがうサメたち。そして様々な脱出方法を試みて建物外に出る研究員たちを襲ってパクリ、パクリ。サメ映画としてのサービス充実感はあった。
最後に救助してくれた大型船に乗り換え、生き残った男女が3名助かった。が、問題を起こしている変異ザメは放置のまま、助かって良かったね的なエンディングを迎えて映画が終了した。
おそらくこのまま、サメの危険性が周知されず、周辺の町などはやられっぱなしの状態となり、かなりの被害が出ることが予想される。そんな結末であった。