悪の心に支配されてすっかりやさぐれてしまった、ダークサイドスーパーマンがこの作品の見どころの一つ。高校同級生の美人シングルマザー役の女性は、映画「IT」にも出演しているようである。 |
クリストファー・リーブのさりげない演技の分け方(通常版スーパーマン・ダークサイド・クラークケントの三役)が見て取れて、演技力が意外に高いのかもしれないと思った。
悪の社長が、金儲けの邪魔になるスーパーマンを排除するためにクリプトナイトもどきを作ったが、スーパーマンは死ななかった。が、病気となって自堕落な生活を続けるようになってしまった。そこから自力で心の悪を排除して立ち上がっていくところはヒーローストーリーの典型である。
が、天才プログラマーによって作られたコンピューターが給与の操作をしたり、物事を都合のいいように指示をだして誘導したりと、現代のAI暴走への危機感を匂わせるあらすじもある。また、ガソリン価格の高騰によってインフレが起きるが、それによって誰かが大儲けしている、という登場人物の言葉が、現代の闇を匂わせたりもしている。そういった切り口で見ると、この映画の隠れたテーマは、全く古びていない。