2017年10月31日火曜日

コーマ(1978年アメリカ)

40年ほど前の映画で、若き日のマイケル・ダグラスとジュヌヴィエーヴ・ビュジョルドというかわいらしい感じの女優さんが出演している。床ずれが起きないように天井からワイヤーで吊り下げられた人々はみな、脳死患者で、24時間機械監視の下で体調管理がなされている。やがて臓器が高額で競売にかけられ、患者は解体される。

病院が舞台となり、特定の手術室で軽傷の手術を受けただけの患者が、かなりの確率で昏睡・脳死状態に陥り、とある研究所に送られていくことを女性医師がつきとめる。

そこは臓器売買の温床となっていて、黒幕医師が目をつけた患者を故意に脳死させてそこに送り込むという悪事がなされていた。「優柔不断な世の中が悪いのだ。一般人はみな医者を頼り切って何も考えないじゃないか。」彼の言い訳のような言葉。

たしかに世の中の縮図がここにあるような気がしないでもない。病院の医者、政治の世界での政治家、専門家に任せっきりで、こちらは安心してお任せしようという心理が働きがちである。その一方で、だれの目も届かないところで、日々、目を疑ってしまうようなことが行われているかもしれない、という暗示を含めたエンディングだったようにも思える。

2017年10月23日月曜日

タービュランス(1997米)

ツインピークスThe Returnを見るためにWOWWOWの視聴をしている。せっかくなので、放送中の映画もいろいろ見ることにした。

こちらは航空パニックサスペンスの映画。
 サイコ系殺人鬼が機内で乗員乗客を殺害しながら、客室乗務員である主人公の女性に迫っていく恐怖。パイロット不在の飛行機が嵐にもまれ、墜落の危機に見舞われていく中、迫りくる恐怖が描かれている。

機内はクリスマスのイルミネーションで飾られ、なごやかで温かみのある装飾が施されている。画質のせいだろうか、1980年代風の雰囲気すら画面から感じられる。

 無事な着陸がつまり、逮捕と死刑につながるサイコ殺人鬼の男は、なんとか飛行機を墜落させようと企む。主人公女性が管制からの指示でどうにか飛行機を運転しているのを、だまして操縦室からひきずりだそうとする殺人鬼の狡猾さ。
 飛行機が完全に逆さ向きになり、落ちるのでは、というシーンもあったが、ビルにぶつかりそうになったりのアクションシーンと合わせ、一つの見どころだろうか。

 このサイコ男を演じるレイ・リオッタさんは、別作品では映画「ハンニバル」のポール・クレンドラー役で、脳みそを生きたまま食べられてしまう衝撃的なシーンに出演しているが、恐怖系に縁のある俳優なのかもしれない。



2017年9月14日木曜日

新感染 を観てきました。

特急列車の車内を主な舞台とした、韓国版ゾンビ映画で、離婚問題を抱えた会社員の父とゆれ動く心を抱えた少女のストーリーを軸に、騒動が繰り広げられていく。

主演男優さんは、コン・ユというそれはとても簡素な名前の方で、俳優の東出昌大さんを思わせるようなルックスだが、どこかしらその目つきは猛禽類的というのか、野性味を帯びたワイルドな目線が印象的な人だった。

レディースデイの深夜枠で見に行ってみた。ひとときの娯楽ものとして楽しめたと思う。


2017年8月31日木曜日

午後ロー・サイレントワールド2012 (原題 2012: Ice Age)

 CG満載のDVDレンタル専用に作られた?かと思われる映画。火山の噴火により氷山が高速で襲い掛かる移動山脈と化し、アメリカに大災害をもたらす話。

 コメディ顔で小太り、どう見ても設定上の科学者には見えないおじさんが、パパについてこい、的なノリでもって家族を車や飛行機に乗せながらひたすら、襲い来る氷河から逃げ切る話あった。



 自らも氷河に追われて車を走らせる中、他人を助けようとするのはいいが、もたもたしたり、追いはぎに引っかかって車を乗っ取られたり、ろくなことを招いていない。が、それでもこのおっさんについていけば、どうにかなるさ的な独特なノリがずっと支配していた感がある。たくさんの大きな氷の柱が降り注ぎ、目の前に落下してくる。自分たちの車もいつ潰されるかわからない中を、奇跡のように切り抜けてしまうのが、ちょっとご都合主義的であった。

 実際に撮影しているのは車内か建物内のシーンで、あとの災害シーンなどはほぼ、CGなので、なんちゃって災害ドラマのようだ、とつっこみを入れたかった。が、ストーリー展開はまあまあテンポよく、また、それなりに想像力は掻き立ててくれたので、ここは割り切って楽しんで鑑賞しようと思った。


 


ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 を観てきました。

邪悪な王女が魔法の力で自ら神になり、すべてを支配しようとたくらむ話。

2017年7月14日金曜日

美女と野獣(Beauty and the Beast 2017米)

2017年制作、エマ・ワトソン主演版の映画を先月、観てきました。
エマ・ワトソンのハリー・ポッターシリーズでも見られた、アグレッシブさのある魅力がやはり良いのではないかと思う。

野獣は、特殊メイクやらCGやら?で演出されていたのだと思うが。
脇を固める俳優、主人公の父親を演じるケビン・クライン、数年前に亡くなったロビン・ウィリアムズを思わせるような柔和な顔つきのおじさんであった。どうしてもこの二人は容貌がかぶってしまう。

ケビン・クラインさん

故ロビン・ウィリアムズさん
目の形は微妙に違えど、鼻の形やら他のパーツは、そっくり?!!
ロビン・ウィリアムズさん的なイメージ起用の際に、この俳優さんがしばしばあらわれるかどうかはわからないが。


それと、思ったのだが、野獣が、野獣状態のままだったほうがどう見ても声も重低音で貫録があったし、野獣なりのいい男??だったのに対し、普通の人間に戻ったとたん、野獣の面影もどこにも見当たらない「ただのつるん、とした若いだけの男」になってしまって、逆にがっかりしてしまった、と感じたのは、私だけだろうか。

2017年7月13日木曜日

サマー・インフェルノ(SUMMER CAMP /2015 米伊)

ゾンビ映画の亜流、というのか、一時的にゾンビの様になるが時間の経過とともに我に返って普通の人間に戻る、というパターン。



ある地域で、登場人物たちがいきなり黒い血を吐き出して凶暴化するという事件が起きた。一緒にいた友人たちに襲いかかって、殺害してしまう。かみつく、人肉を食らう、といういつものゾンビ行動ではなく、普通の殺人であるが、凶暴化中は獣のような叫び声をあげながら発狂状態になり、見た目はゾンビそのままである。

井戸水を介して広まってしまった毒物、その水を飲んでしまうと、その効力が切れるまで凶暴化し、正常な人間を襲い続ける、ということが後からわかった。

 この映画を見て、いわゆる追いかけっこのスリルが味わえるのであるが、終盤くらいまで何が原因でゾンビ化するのか、また、いつだれが発症するのかがわからないところが、この映画の見どころだったのではないか、と思う。