2022年6月4日土曜日

as we see it (思うままの世界)

 

アマゾンプライムオリジナルドラマ。プライム会員無料のものだが、大変面白く興味深くみることができた。

3人の自閉症者を助ける、ライフコーチ的な存在の女性(写真右端)。自身も医学部入学を希望しながらもなかなかかなわない中、ヘルパーをしながら三人の個性のすばらしさ、それを受け入れていく自分の充実感を感じ始めていった。

ヘルパーの女性の仕事場は、「君は頭が悪い。体が臭い。」など、心の共感性がなく、かなり攻撃的な言葉も遠慮なく発してしまい、なかなか定職につけない男性、「音が怖い、人が怖い」などで家から出れずに口も聞かなくなって引き込もりになっていた男性、人の意見が聞けずに危険なことにとびこんだりだまされやすく、カッとなりやすく、また話すことも一方的で衝動的な女性、など、個性的なメンバーが集うアパート。

ヘルパーの女性を頼って24時間365日の完全介助を望む親や、施設への入所を検討し始めた兄弟など、愛情はあるものの手に負えずに入所や他者の手を希望する人たちもいる。

物語内の設定なので何とも言えないが、ある発達障碍者の男性は、親がアパートの家賃を支払い、週三日の洗濯介助者(掃除なども?)やライフコーチが自宅に訪れながらも、自身も書店でアルバイトをする、という本人の自立性を大切にした生活をさせてもらっている。

欧米では、ある程度重度の発達障碍者にもこういったライフスタイルの取り方が、一般的に浸透しているのだろうか。

どれが正解かわからないが、本人が少しでも望む場合は、できないかもしれないが、可能な範囲での援助と、本人の自立を助けられたら良いと思う。

2022年3月18日金曜日

ウエストサイド・ストーリー(2022年)を観てきました

 

スティーヴン・スピルバーグ監督作品。旧作からリニューアルされたものである。

スティーヴン・スピルバーグ監督作品といえば、E・TやジュラシックパークをはじめとするSF映画のイメージだが、「シンドラーのリスト」などの社会派のシリアス系作品も手掛けていたりする。

感想を言うと、各俳優さんたちの歌声は素晴らしい。が、1950年代、60年代のアメリカの時代背景と、現代の雰囲気があまりマッチしていないというのか。

カメラに映る風景も、すでにその当時のものとは同じ感じにするのは不可能だし、そこへもってきて不良少年たちが、俺たちはジェッツ団だ、シャーク団だなどと言いながら群れて粋がる姿もすでに今の時代にはマッチしていない。

そこの違和感は残念だったとして、素直に作品を見ていった。それぞれの名曲を歌う人物が、旧作のと違ったり、チノが悪者になってトニーを射殺するという流れになっていたりと、部分部分は違っている。が、前作が名作すぎて、リメイク版というのはなんとなく上滑りな感じのところもあり、作成は難しい、というのをまさに体現する感じだった。前作の雰囲気を再現しないと、あの懐かしい雰囲気にはならないし、かといって、同じものを作ればただのコピーとなる。逆に現代風にしてしまうと、時代のずれがあって違和感がひどくなる。

全体に統制がとれすぎていて、時代が合わない、という感じしかなかったが、もう少し俳優たちの泥臭い個性を強調していたら、違う意味で印象深い作品が出来上がったかもしれないと思う。

 そもそもリメイクはかなり難しい作品だという気がする。さらに思ったのが、トニー役の青年が、タイプとしてはクールな感じで、トニーの感じとややずれがあるかなと思ったところであった。それでも彼なりに好演していて、銃弾に倒れて一目マリアを見てほっとした表情を浮かべて息をひきとるというシーンには、引き込まれるものがあった。


2022年3月9日水曜日

タイタン

 

トランス・ヒューマン系を扱った感じのストーリー。タイタンへの移民計画のために、過酷な人体改造を行う主人公たち。


主演のサム・ワーシントン。「タイタンの戦い」(2010年)にも出演しているようである。ベン・アフレックにそっくりな感じがして、すっかりこちらと勘違いしたまま鑑賞した。

理論上は改造可能だとして、酸素濃度の低い場所、極寒地域、水中での長時間での生存などを目指して様々な注射だの手術だのを受け、人間でなくなっていく主人公たち。途中激しい副作用で発熱、吐血したり、悶絶死、ショック死、錯乱して射殺されたりと次々に死んでいき、残りは主人公一人となった。とうとう人間以外の生き物になった主人公に戸惑う、家族の感情についても描かれた。


2022年3月2日水曜日

ミッドナイト・スカイ

 

終わりを迎える地球に一人、残った男をジョージ・クルーニーが演じ、監督や製作も行っている。

世界観として、2013年公開のゼロ・グラビティに雰囲気が似ており、そこではクルーニーは自分は命を落とすも、幻となって主人公に助言を行って助けるという役割を演じていた。ここでは、ある一人の少女がそれに近い感じの役割を演じている。

カイリン・スプリンガルちゃん。幼い少女の愛くるしさを感じさせた。

地球に一人残った主人公(ジョージクルーニー)が、地球に戻ろうとした宇宙船に、地球はもう危険だから戻らないように警告を発したが、その乗組員は、実の娘であった(離別して娘本人は知らない)こと、幼い少女は実は娘の昔の姿で、幻であったという結末だったが、主人公の心を最後まで支える存在であった。そしてそれが物語に美しさを加えている感じであった。



2022年2月24日木曜日

ドント・ルック・アップ

 

ネットフリックス映画だが、豪華出演者をそろえ、アメリカ社会の風刺も描かれた、なかなかのエンターテイメント作品だった。


 終末予言による地球滅亡の一因とされている、惑星衝突がテーマ。

 核爆弾で、衝突予定の惑星の軌道を修正して解決するかと思いきや、億万長者の企業家が介入して惑星を細切れに砕いて資源を独占しようという計画に変更した。が、それが結局失敗するというあらすじだが、利害をはさんでのすったもんだがものすごく、権力者や利権者の利己主義、隠ぺい工作、はじめは長いものに巻かれろ的に動いていた主人公の苦悩などが描き出されている。

 爆破計画が失敗してもはやなすすべなし、という絶望感が広がったとき、離れていた家族の元に戻る主人公(デカプリオ演じる教授)。そして仲間たちと合流してご馳走を食べ、手をつないで祈り、最期の時を迎えた。

 地球の壊滅後2万年以上後経ってから、コールドスリープから目覚めたアメリカ大統領、権力者、億万長者たちが降り立ったある惑星。その土地も安全ではなく、大統領が怪鳥に食べられてしまう。スマホのアルゴリズムによって、大統領に予言されていたのはこれだったというオチで、最後まで楽しませてくれた。


アリアナ・グランデによる劇中歌 Just Look Up https://www.youtube.com/watch?v=BnyvDBGojoQ

アリアナグランデの美しさがこの世のものではない感があり、終末感をいっそうひき出している。



2022年2月10日木曜日

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ を観てきました

 


映画バイオハザードシリーズは、シリーズを通して20年来のフォロワーであり、観覧を逃すというのもなかなかできなかった。オミクロン株感染拡大の昨今、すいていそうな劇場・すいていそうな時間帯を探してからの予約となった。

 コロナ感染とゾンビ感染の感じが微妙にリンクして不気味さが増してしまうが、逆に見ていくにつれて、アメリカンなヒャッハー感というのか、最後はやはり、爆弾を落としてドカンといった、大胆にして一瞬の終わりを迎える流れというのが待っていた。

 カプコンのゲーム「バイオハザード」をプレイしたり見たことのある人ならわかるが、まずは洋館へ足を踏み入れたあと、不気味な「振りむきゾンビ」と遭遇し、そのあとは洋館内のいたるところに潜むゾンビと遭遇しながら「かゆうま」日記や鍵、メモなどを見つけながら話を読み解いていく。絶えず不気味な雰囲気が流れていく。

 ステージが進むと、犬のゾンビや、ハンターという半爬虫類系の極めて機敏で狂暴なモンスターが登場し、最後は最強のバイオモンスターと遭遇して、それを倒すと完結したと思う。ゲーム好きな兄にゲーム機ごと貸し出しを受け、プレイを勧められたので、20歳台の時はそれなりのゲーム通にさせられた感がある。

 バイオハザード映画の1と同様、洋館への第一歩は比較的原作ゲームの雰囲気を踏襲している感じがでているものの、すぐにボスキャラのようなものが出てきてドタバタとなり、爆破だの脱出だのと急展開になっていき、そこにはもう原作の雰囲気はほぼ、ない。

 観覧者の勝手な感想ではあるが、一度はゲームと同じ流れのストーリー、音楽もできれば原作とほぼ同じ感じで映画を作ってはもらえないものだろうか。ドタバタ感よりもヒタヒタとくる不気味感があって、一味も二味も違い、ゲームファンも納得の一品になるのではないだろうか。

 大筋の感想はおいておいて、本作品に戻るが、感染者の登場シーンで、犬がその血のりをベロベロなめて感染するが、そんなものをすすんでなめる犬は果たしているのだろうかという疑問が少しあったこと、ラクーンシティに左遷された警官の青年、はじめはとても愚鈍な感じであったが、警察署の入り口を閉ざすことができた幸運から始まり、一緒にいた機敏な女性によって何度も命を救われ続けたりと、ちょっとないだろうなという演出があったものの、エンタテイメントとして全体的には楽しめた。

 人間兵器として開発のために毒を飲まされ続けたらしい?シティの住民たち。警官たちは、ワクチンや薬品を投与されることで、ゾンビ化発症を防げたらしいが、住民たちとは別に、洋館の研究所の中でもモンスターが作られていたようだった。そしてヒロイン?女性も以前、孤児だった時に研究所送りになりそうだったのを自力で脱出して難を免れた、ということだった。

 感染爆発が止められなくなったので、地域一帯を爆破、というのは先日見終えた韓国ドラマ「今、私たちの学校は・・」と変わりがない顛末だった。


2022年2月7日月曜日

今、私たちの学校は… (Netflixドラマ)

  私は2時間前後で完結する映画を見るのが趣味なのだが、子供のほうで好きな芸能人の動画見たさでネトフリを解約したくない、というのがあり、全く使えないわけでもないので一度解約したWOWWOWをそのまま放置し、ネトフリに付き合っている。

 そういった中で仕方なく、興味のありそうなものを視聴しているのだが、今回はこちらのドラマを視聴した。

いわゆる学園ゾンビもの。学校という集団空間の中、あっという間に感染が広がっていく。

ゾンビとの戦い方。大きめの窓枠やロッカー、運搬カートなどを使って足止めをしながら場所移動を試みる。

感染拡大の中、ゾンビにかまれても発症しないものの、空腹を満たすときは人肉を食べることでしか生きられない半ゾンビの存在も出始め、札付きの不良少年もその一人となって主人公たちに執拗に襲い掛かってきたり、家族を救うために危険なところに助けに来る父親、などさまざまなドラマが織り込まれている。

救助対象として、学校が後回しにばかりされており、世の中の優先順位は権力者や大人が先で、子供たちは後回し、というのが浮き彫りにされているが、韓国の世相がそこに描かれているのだろうか?なんにしても、若い世代をないがしろにするツケは、社会の発展を阻害すること間違いなしで、暗い世の中が、優先されてきた世代、恵まれてきた人たちの子供や子孫たちにも待っていると思われる。