2022年11月23日水曜日

サイレント・ナイト を観てきました


設定上は、ロシアからの毒ガス攻撃で、ガスがやがて到達するとともに、体内から出血して死に至る、との報道がなされ、この映画で登場する家族知人たちも最後のクリスマスパーティを執り行うことになったようであった。

ロシアの攻撃、というのは現在のロシアウクライナ戦争から見立てたものなのだろう。

白い大きな郊外の家の中で、着飾った人たちが再開を喜び合う。だが何か、無駄にテンションが高いというのか、奇妙な雰囲気を感じさせる中、みんながこの最後の時間を共に過ごすために集まったという共通の理解をもっているのだということがわかった。

それにしても異様なはしゃぎ方は気になる。西洋人のノリって、こんなのだろうか??ダンスだ、飲めや騒げのお祭り騒ぎが何とも言えないが、じっとしてもいられない感じがそこまで駆り立てるのだろうか。

最後は、毒ガスを吸って吐血し、死んだと思われた(仮死状態?)アート少年だけが息を吹き返し、政府から安楽死用の錠剤をのんだ他の人たちは(たぶん)死んでしまった、というラストだった。何かの脅威に対しての恐怖を駆り立てられ、死を選択させられるというのは、政府からしくまれた何かだったのだろうか。他の人のレビューも少し読んだところ、このような見解を示している人もいた。

2022年11月9日水曜日

スペンサーダイアナの決意 を観てきました

 

クリステン・スチュワートがダイアナ役を演じている。

王室で毎年、クリスマスを過ごすために女王の私邸に集まっている。おそらくダイアナはすでにチャールズと別居生活に入っていたのだろうか。詳しく調べないとわからないが、雰囲気からしてそんな感じもしてくる。

夫から送られた(カミラともおそろいであるという)真珠のネックレスをばらばらにして一粒ごとに食べるという幻想を抱いたり、摂食障害を起こしていて、吐いたり暴食したりの状況をくりかえし、精神的に追い詰められていたダイアナ。夫の王に殺された、妻のアン・ブーリンと自分を重ね合わせるようになっていた。その背景には、夫のチャールズ皇太子とカミラ夫人の不倫関係があり、アン・ブーリンも夫が侍女と結婚を望むために殺された、という物語があったためであった。

どうにか自分を取り戻したいと感じて荒れ果てた生家に立ち入ったダイアナ。アン・ブーリンのまぼろしも見えたりする中、ダイアナ・スペンサーであるという自覚をもって自分らしく生きていこうとする思いが芽生えたようだった。

結婚の失敗(一方が内心そう思っていて、他方が気づかなかったり、思いやりが足りないこともある)によって、本人として新たな気づきや強さを得ることは普通にあることだと思う。この場合もそうであり、ただし王室への嫁入りだったために、事態は周囲から大きく取りざたされてしまい、本人も大変傷ついたと思われる。

離婚に至るまでのほんのステップのような一幕を、切り取った感じの映画であったが、ダイアナの精神的な自立を描いた作品だったと思う。

2022年11月1日火曜日

貞子DX を観てきました

 

小芝風花がIQ200の大学院生を演じている。左側がエグザイル・ランページの川村が演じる自称・占い王子

 科学では説明できないことを完全否定する、IQ200の大学院生あやか。が、現実的にはすでに、その考え方は古臭いような気がする。あまり偏りすぎるとオカルト的にはなってしまうものの、当てられた予言など、科学で説明できない事象について、無知なのではないかと思うからである。

 あやかは自分の持論について自信がありすぎて、呪いを自ら踏んでしまう羽目になったが、そこから本題がスタートしていく。霊能力者・ケンシンとのテレビ出演をきっかけに、自称・占い王子を助け、ビデオを鑑賞した挙句、共にその呪いと戦うことになった。

ホラー要素についてだが、確かに迫りくる貞子や、家族親戚の姿を借りて現れる幽霊の形態は不気味で気持ち悪いが、全体的にはタイムリミットを気にしながら、幽霊を振り切りつつ、必死に解決策を探していくハラハラ感のほうが強いと思う。

以前までは呪いに殺されるまで7日間あったが、本作では24時間に短縮されてしまい、不気味感よりもスピード感が強まったようである。

 (ネタバレ)

24時間で宿主が死んでしまう。ウィルスも本来生存を目指すはずなのになぜ短縮されたのか。いろいろ考えた挙句、呪いを断つのではなく、その動画(ビデオ)を毎日24時間ごとにみんなで見ることで呪いに浸かる、という方法が見いだされ、主人公たちはとうとう生き抜くことができるようになった。そこが新しい。

(追記)

・占い王子の演出がねちっこくて気持ち悪いと思ってしまった。たいして親しくもないのにやたらと身を寄せてきたり、ささやいてきたり、下の名前で呼んだりと、うっとうしいことこの上ないキャラクターを演じている。思いついた名言を吐くようなゼスチャー(鼻の下をシュッと指でなぞって決め顔する)をして、決め台詞を吐くのもうっとうしく、面倒くさい。自宅の部屋が汚部屋(おべや)手前の汚さなのも、ドン引きである。

・偽霊能力者・ケンシンの実家の父親である神主さんを演じている渡辺裕之さんは、実際すでに今年の5月に亡くなっており、映像に出てきた瞬間にあれ?と思ったのだが、映画の収録が亡くなる前に行われていたと思われる。不気味な幽霊姿でも出演されているが、実際に亡くなっているので、ある意味本物の幽霊であるイメージもあり、シュールな感じがした。



2022年10月24日月曜日

「カラダ探し」を観てきました

 


 水泳大会を風邪で休んだのときっかけに、クラスからはぶられていわゆる「ボッチ」になってしまった主人公の明日香(橋本環奈)。

 体をバラバラにされた怪物「赤い人」の魔力によって、心に隙間のある同級生たちが6人選ばれ、バラバラになった体の断片を、夜の校内を探すことになった。探しきる前に毎回全員が赤い人に殺される。朝起きるとそれは夢だが、前の日と同じ一日が始まり、それが永遠にループしている。夜になるとまたカラダ探しに自動招集されて同じ死闘が繰り返される。

 毎日がループなので、好きなことを、と昼間に海辺で遊んだりして仲間のきずなを深める男女。明日香もすっかりその輪の中に溶け込んでいた。

 恐ろしいことに後半、赤い人が人形のエミリーと合体して巨大化、彼らを食べたりし始める。 そして食べられてしまうと、一夜明けても戻ってこれず、彼ら以外の生徒からも忘れ去られてしまう。つまり、同じ夜をループしていく中、食べられると仲間が減っていくことになる。勝機が減っていくということに、焦りを感じさせられる。

 校内図書室の先生から、彼がカラダ探しの元・経験者であり、仲間への大切な気持ちは残るが、記憶は消えていたという話を聞いた。カラダ探しが終わると、また自分はクラスで独りぼっちとなってしまうのか。

幼稚園からの幼馴染だった同級生から、忘れないしるしであるピンブローチ?を渡され、きずなを深める明日香。やがて怪物から最後のピースを得ることで、カラダ探しが完結する。


 現実世界でもなぜか、全員同じメンツでくじで選ばれ、クラス委員として晴れて集まることになった。そしてピンブローチを見つけたことで、幼馴染とのきずなを思い出す二人。偶然が重なる不思議もあるが、なにもかもがすばらしい再出発のようだった。

が最後に、校内の古井戸の水底に沈んだ古い新聞紙、その小児殺人被害者であった生前の「赤い人」の顔が、明日香の幼いころ(8歳?)の写真と名前に切り替わるラストエンドがあった。これは何を意味するのか。

公開後のレビューが書かれているのを見てみたが、最も同感できる推測は、本当のバラバラ殺人事件の被害者は、明日香であったかもしれない、ということ。「みんなから(ボッチの)私は見えないの」という明日香のセリフも、そう思うと思わせぶりである。そしてこれまでのすべての話は、彼女の作り出した世界だったのだろうか。 絵にかいたような青春、幼馴染との恋愛、素晴らしい偶然による再会、たしかに誰かの願望が再現された世界だったのだろうか?という感じもある。

もっとも、8歳の女の子が殺害されて果たせなくなった夢として、高校生になって学生生活を謳歌したい、という願望を抱くのだろうか?というのもあまりよくわからないが。


話的にいろいろ突っ込みどころはあり、どうして赤い人は、自分の体を探してほしいのに、皆の邪魔ばかりして殺そうとするのか?、井戸の新聞紙は、年数がたっているため古くなって、とっくに溶けてなくなっていそうな感じがするので、元の形状で現存するのは無理なのではないか、などなどある。

が、毎日の繰り返しゲームとなった殺されゲーム、怪物との鬼ごっこや惨殺シーン、なかなかドキドキさせられたりした。青春高校ドラマ的なものはすでに年代的に自分の感覚とはずれてしまっているが、話のテンポはそこそこよかったと思う。

2022年10月11日火曜日

地球が静止する日(2008年)

 

環境破壊をすすめる地球人に警告しに、宇宙人が空から舞い降りてきた。

主演のキアヌ・リーヴスは、宇宙人の代表として、地球を破壊し続ける地球人に警告し、コンタクトをする役目をもってやってきた。宇宙人の象徴的な存在、巨大なペプシマンのようなマシーンも下船してきた。(それがやがて巨大なメタルバグの大群となって、地球に襲いかかろうとする。)

危機を迎えないと人は変われないという。その言葉を聞き入れられて、最終的に地球は滅亡を免れられることとなった。が、本当に、ごく一部の善人の、その言葉が本当だったとして、他の悪人が、変われるのだろうか?大きな疑問は感じさせられた。

現実ではもちろん、地球が救われたほうが良い。が、メタルでできた昆虫が、大群となってものすごい勢いでいろんなものを食いつくしていく映像がなかなか衝撃的で面白く、もう少しそのシーンを続けてほしいと思ったのである。

2022年10月10日月曜日

JUKAI(2016年)

 

悲しい気持ちで樹海に入ると、幽霊に会って幻を見させられる、ということだった。

双子の妹を探しに、周りの静止を振り切って樹海に入っていった姉。悲しい気持ちが幽霊の幻視を誘い、いろいろなものを見させられ、せっかく同伴してくれている仲間の男性すら、疑い始めて、ついには殺害してしまうという残念な展開になった。

途中で現れる、「ホシコ」この幽霊もとても不気味で、女子高生の制服を着て現れるが、最初から様子がうさんくさく怪しい感じがして、不気味感がある。



2022年10月6日木曜日

ラン・オブ・ザ・デッド(2010年)

 

本作のゾンビは、全力疾走+運動神経抜群+怪力で、なんでも乗り越えジャンプしてくるパワーゾンビである。その軽い身のこなしから、映画評に、「パルクール」(スポーツ)ゾンビだという書き込みが多い。

製薬会社の新薬の被験者となった人たち、お金と引き換えに、大変なことになってしまい、一人を除いたほぼ全員がゾンビ化してしまった。その残った一人というのがある女性だが、製薬会社の殺し屋(会社に不都合な人間を殺害していく係?)である男が改心し、彼女の血清を研究に回して人類を救いたいと考えたようである。やがて彼女の友人やパートナーの男性たちと合流し、ゾンビと戦いながら、女性の友人のヘリコプター乗り場を目指して移動していく。

途中、自己中心的で、仲間を蹴落としても自分たちだけ助かりたいという心醜い男女カップルが合流するが、人間の醜さを露呈してストーリーを盛り上がらせている。

お約束のヘリは故障して飛ばなかったが、ゾンビが水を嫌って入らないことから、川に救助船を置いているところがあり、そこを目指して生き残った女性たちが逃げて行った。


(追記)パルクールとは

https://www.youtube.com/watch?v=kXsE_P1fLCw