2023年1月5日木曜日

30デイズナイト アポカリプス(2012年)

 


 ヴァンパイアホラー「30デイズナイト」の前日譚という設定の話ということである。物語的にはあまり面白味は感じられなかったが、ヴァンパイアに一度家を見つけられてしまうと、そこまで追ってきた襲ってくるということであり、やっかいな相手である。

 ヴァンパイアたちに関する悪事を暴露できるデータをしまった金庫の暗証番号が入れ墨されているために、彼らに追われ続ける男。彼を殺人犯だと誤認識する警官に逮捕され、移送の途中で彼らの襲撃を受ける。

 設定的にはデータを守るという現代的な設定であるが、人々がヴァンパイアの存在に気づかず、追われ続けている男がすべての殺人事件の犯人だと思い込むのは、ゾンビ映画黎明期のような感じの、人々の「そんなことはありえない」という思考とほぼ同じであった。いわゆる正常性バイアスのかかった人たちを、大災難が裏切っていくというストーリー展開だが、流れを知っている側から見ると、イライラしそうになる。

 男の収監されていた警察署に勤務する女性もとばっちりを食ってヴァンパイアに感染してしまうが、その行方を追う元刑事の兄が男と行動をともにしながら妹を探していく。変身しつつも理性の残る妹は、日光に当たって自死した。そして襲撃してきたヴァンパイアは殲滅できたかに思えたが、ラストでヴァンパイア変身した男を、元刑事が撃つというラストだった。