2019年9月5日木曜日

ドルフ・ラングレン 処刑鮫(2015ベトナム)

またしてもB級映画、そしてドルフ・ラングレンというのは鮫につけられた名称かな?という大きな勘違いをして見始めた映画であった。

 ガタイの良いマッチョで強面(コワモテ)系な白人男、出所後に自宅に訪れた、昔の悪い仲間を手荒く追い払うが、あとあとまで絡まれそうな悪い関係を連想させた。

 犯罪行為で刑務所入り・武骨で乱暴、頭も悪そう・性格も多分悪い・仲間も悪い・生活もルーズで自堕落そうで、これはきっとロクな人生歩まなそうだという雰囲気が醸し出て、結末はサメのエサで間違いないだろうと思われた。
 が、娘に会いたくて居宅訪問をしたときの雰囲気が、悪い人に見えなかった。あれ??と思っているとだんだん良い人だということがわかり、同時にかっこよく見えてきてしまったという不思議。

 そして、ヒロインと途中まで大変仲良い雰囲気であった生物学者、がサメにやられてしまうというイベントを経て、この男がこの映画で結構重要な位置をしめているのだろうか??と思い始めた。
 調べてみると、ドルフ・ラングレンというのはこの人で、著名な俳優のようだった。人種や肌の色は違えど、ドウェイン・ジョンソン系のかっこよさと言えるだろうか。
スウェーデン出身俳優らしい。目に知性を感じさせる。
ガタイもいいが、パワーと知性を兼ね備えたかっこよさがある。還暦を過ぎても老けず、苦み走った渋さがある、と言える。

 映画本体に少し話を戻す。ベトナムの湖を撮影したのだろうか?水中撮影した湖水が透明に澄んでいて、美しい、というのが見どころの一つだろうか。それと、少女カーリーの幼少期(4歳ごろ)を演じていた幼女のきょとん、とした笑顔が、出演1分にも満たないと思うが、とてもかわいらしいと思った。

2019年9月1日日曜日

横溝正史の映画たち

八つ墓村(1977年)渥美清(金田一役)・萩原健一(寺田辰弥)
犬神家の一族と同様、横溝映画で好きな作品である。
落ち武者をかくまうも、結局は裏切って惨殺した村落の住民たちに、たたりがおきる。
発狂した多治見要蔵を演じる山崎努。この役を演じる最高の役者は、彼をおいてほかにないのでは?と思うくらい素晴らしいと感じてしまう。ただただ冷酷無比な感じと、躍動感あふれる力強い走りが良いし、BGMも最高に合っている。


犬神家の一族(1976年)石坂浩二
犬神佐兵衛が死してなお、長女である松子を支配するかのような幻影として現れる演出が良い。遺産相続をめぐる争いから、殺人事件が引き起こされていく。映画全体的におどろおどろしいが、特に、菊人形の体にすげられた生首のシーンが恐ろしい。


悪魔の手毬唄(1977年)石坂浩二

童謡の歌詞になぞらえた手順で殺人がおこなわれていく様子が不気味であった。戦時中、ある農村に現れた詐欺師は、宿の女将の夫と実は同一人物であった、というからくり。また、ひょっこり村に戻ってきた、という「おはん」が、金田一の横を通り過ぎるときに声をかけるその声がとても不気味であった。


悪霊島(1981年)鹿賀丈史・主演
当時のロードショーのCMに、ビートルズの「レットイットビー」が流れ、そこが斬新な感じで、キャッチコピーは「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい…」であった。孤島における閉鎖的な村、結婚を反対された女性が精神に異常をきたし、二重人格となって実の娘を殺す。


悪魔が来りて笛を吹く
当時の広告写真、「笛を吹く悪魔」の人形の写真が本物のように見え、大変不気味に感じたものだった。旧華族の屋敷を舞台としたストーリー。主人が笛の楽曲を残して自殺したが、その屋敷内での人間関係の謎を解くと・・。いわゆる、「近親相姦」家系であるということが明らかに。

 公開当初は年齢が低く、ほとんどロードショー観覧はしていない。冒頭二作品はすでに見ていたが、他のものについては昔、CMを見たり、TVロードショーをかじって観た気分になっていたことが多かったので、改めてきちんと見てみた。

 好みでいうと、やはり、市川崑・監督の作品が個人的に好きかもしれない。(邦画は見ないほうだが、金田一シリーズでの比較だけするとそう思う)

 横溝作品は、やはり、集落や、家族、という濃い間柄の集団内における、病的な心理を描き出す傾向が強く、そこから不気味な味付けをして、味わいのある作品となっている。

2019年8月29日木曜日

トリハダ(1)(ドラマ)

幽霊の出ない恐怖ストーリー集である。


 異常な執着を見せるストーカー、なぜかガラガラの車内でとなりにすわってきた奇妙な女、天井裏にひそんでいた殺人鬼、人間としてはかなり狂った人物らが、見る者を恐怖に誘う。

タイムシャッフル



舞台は、3つの室内と、家の敷地回りでのみの、やはり低予算系ながらもストーリー性のある話であった。

先の時間を映像化する写真機をめぐり、賭け事・マフィアが絡んできて、果ては殺人が起き始める、どう見てもハッピーエンドではない結末となった。
 三人暮らしの女の人が黒幕であったようにもみえるが、どちらにせよ、写真機に翻弄されたには違いがないのではないだろうか、という印象だった。

2019年8月25日日曜日

ダーク・スクール(2018年)

原題は、ダーク・ホールらしい。

 手の付けられない不良少女たちがそれぞれ通う学校の紹介により、他校への転校を促され、行きついたところは人里離れた巨大な洋館だった。

 そこでは学長らが、過去に若くして死去した天才芸術家や学者たちの霊を呼び寄せ、少女たちの体を乗っ取っていく。
 霊にとって過ごしたかった余命を取り戻させると同時に、少女たちはものすごい才能を発揮しはじめるのだが、みな途中からおかしくなり、狂ったようになっていく。

ポセイドン(2006年 米)


1972年映画「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクということである。元映画でも中年牧師が皆を助けるために自ら犠牲になる、というラストだったが、こちらも元市長である人物が、皆を逃がすために、スクリューの操作をしに水中へ片道移動をして溺死。物語に深い印象付けをしている。

船体がいつ沈むかわからない恐怖と、船体の上へと移動するなかで立ちふさがる困難で、ハラハラ感を感じさせてくれる。


1972年映画の「ポセイドン・アドベンチャー」
 そして個人的には1972年の映画の劇中曲、古いが、「The morning after」はとてもいい曲だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=msgxhVgUc6I



シックスヘッド・ジョーズ

凶暴な性質だが、ぷっくりとした星形の形状がヒトデを思わせ、全体像がかわいらしく見えなくもない。


頭のうち、二つを使って足代わりとして陸地もスイスイ移動。とんでもない化け物だが、どこかしら見た目は愛嬌が。

 とんでもモンスター映画で、ストーリー性もおおざっぱで登場キャストも全員無名で特筆する感じもないが、サメの個性が光った。

 途中、ライフルでサメが二度ほど頭を打たれ、一匹だけ死亡する、という展開があったが、二度とも、死亡した頭部をとなりの頭が食いちぎる。
 ちぎれた部分からの出血多量で普通なら死んでしまうのに、と思っていたら、食い破ることで再生を促す、ということだったらしい。一晩か二晩(忘れた)のうちに、そこから新たな頭がズズズッ、と生えてくるのである。

 さすがB級映画、つっこみどころが多い。登場シーンによって、サイズが違うご都合主義で、ラボの床穴から頭を突き出すシーンでは、あれっ?こんなに小さかったっけ、と思っていたが、別シーンでは別物のように巨大化していたり。
 また、CGを登場人物の上に重ねているだけ感がすごく、上に重なったので食べられました、という感じの演出や、食われたはずなのに、次のシーンでは血だらけで倒れているだけ、などの、なんやらおかしなシーンはいっぱいある。

 ラストシーン、爆発によって吹き飛んだ頭同士で、共食いをしようとしながら息絶えるところは、このサメらしさがきちんと演出されていてよかったと思う。