2022年10月1日土曜日
ゾンビ津波
津波の中の黒い小粒状のものは、全部ゾンビである。船に乗るハンター(主人公)が陸へ助けに向かおうとしたとき、大津波が来た。「ゾンビに追い抜かれるぞ!」のセリフが、なんやらおかしくて吹き出してしまう。 |
映画「シャークネード」で活躍しているアイアン・ジーリングが今回は、ゾンビ津波に立ち向かう。波間に大勢のゾンビが浮かび、泳いでくるところはなんだか笑える感じがするが、ドタバタしたアクションを楽しむ感じのB級映画だと思う。
途中で登場した、山の上の豪邸に住む、外見がイーロン・マスクによく似た青年が、さまざまな道具や爆弾を用意してうまくいったのだが、イーロンマスクをイメージした演出だったのだろうか。
結局、製薬会社が悪役で、生物兵器としてのゾンビを作るための人体実験を行い?(だったろうか)、証拠隠滅のために船ごと海底に沈めたという。ゾンビは最後は電気攻撃や爆破などによって、全滅に成功した。
2022年9月28日水曜日
ノープ(NOPE)
いわゆる恐怖系UFO映画である。
動くと見つかり、吸い込まれて、喰われてしまう。
観覧から時間がたっての書き込みなので、記憶的に少し薄くなっているが、書いておく。
UFOの描写が、布の幕を張り合わせたようなデザインで、真ん中に入口か、口のようなものがある。
いつだっただろうか、ビートたけしが、火星には人を食う化け物がいて、クラゲか何かのようなカサがついていて、空を飛んでいると番組で言っていたようだったが(その根拠はいまいちわからない)、まさにそのような姿を思わせるヒラヒラ感があった。
そこはおいておいて、宇宙人やUFOがもし外部からやってきたとして、好意や思いやりに満ちた存在だという保証はひとつもないから、宇宙からの来訪者がいたとしたら、脅威だと感じられる。
サンゲリア(1979年伊・米)
ルチオ・フルチ監督作品で、日本公開は1980年だったらしい。腐りきったゾンビの頭部がおどろおどろしい。 |
「サンゲリア・ゾンゲリア」というセットのような感じで、日本では昔、はやったような気がする。以前他のブログでも感想は書いていたが、改めて書いておく。
音楽も非常に印象的な名曲「サンゲリアのテーマ」は、時代が移り変わっても色あせない名曲だと感じられる。墓からどんどん死体が起き上がり、ぞくぞくと集まってこちらに迫ってくる感じが、自然にイメージで沸き起こってくる。
また、島の中を流れるドラムの音が、島という異世界を感じさせ、ブードゥーの世界もあるのだろうか、という雰囲気にさせてくる。
途中出てくる、サメ対ゾンビの対決シーンも意外に面白く、結末まではわからないが、あれからサメのほうはどうなったのだろうか。ゾンビ化するとしたら、海の中も大変なことになってしまう、という想像の余韻も残している。
それにしても、博士の家はさすが白人の知識人の家らしく、豪華できれいだったが、ゾンビ対応にはなっていなかったようで、侵入されて、奥さんが犠牲となった。
また、ラストのほうで、皆が立てこもった教会(博士が主治医を務める野戦病院)、木の板を組み立てた大きな「掘立小屋」という感じがあって、大勢のゾンビによってあっという間に入り口を崩され、侵入されてしまう。作った火炎びんで応戦するものの、病院はどんどん崩れ落ちていき、不気味なゾンビがあとからあとから押し迫ってくるところに、終末感があふれていて、これぞゾンビ映画だなあという感じがする。
教会を捨てて船で脱出する男女たちは、帰途の途中でラジオを受信するも、本土もゾンビがあふれかえって、打つ手なしという状況だということを知る。そして、船内の個室からも、傷を受けて死んだ男の生き返った物音が聞こえてきた、というバッドエンドを迎える。
数百年もたったはずの、腐りきったゾンビの首を落としたところ、大量の血が流れ落ちたり、ゾンビを見た女性たちが、目を見開いてぶるぶるとふるえたまま何十秒も立ちすくみ、どうして逃げないのか非常に違和感を感じさせたり、目を閉じたゾンビの目がどうして見えるのかなど、いろいろ演出的にヘンな部分もあるが、音楽も良く、雰囲気があって良い映画だと思える。
グッドナイト・マミー(2014)
包帯を巻いて、様子がいつもと違う母親をみて、少年は恐怖を抱き・・。
という内容なのだが、母親が別人のように変わり、冷酷になって恐ろしくなったために殺されないように双子の兄弟と力を合わせて戦う映画なのかと思いきや、そうではなく、死んだ兄弟の魂に操られて母親を惨殺してしまう、という恐るべき内容であった。
母親の様子が違うというのは子供にとって大きなトラウマだと思われるが、母親を縛り付けた挙句リンチし、最期には焼き殺してしまうという残虐さのある展開だった。が、母親が妖怪化してしまったほうが、ストーリー的にはホラー要素があって面白かったのに、と残念に思った。
母親は、父親と別れていてシングルマザー。少年のほうも学校に通わず、どちらもなんとなく孤立感を感じさせている。郊外の、周りに家のない静かな戸建に住む、という幻想的な環境の中、物語がすすんでいく。
母親のアルバムに、母と同じような背格好のそっくりな女性が、母と二人で仲良く、同じ服装とヘアメイクでツーショット写真をとっているのが映っていた。とても奇妙な写真で、その女性が、仲の良い友達なのか、双子の姉妹なのかは少し謎であった。だがそれは遺伝子として、少年が双子の兄弟の幻影からずっと離れられずににとらわれ続ける、という形で受け継がせたのだろうか。
2022年8月22日月曜日
「第一回日本ホラー映画大賞受賞作品 特別上映会」 に行ってきました
先日のアジアンホラーを見に、ヒューマントラストシネマ渋谷、という映画館を利用した際に、チラシをもらってきたが、その中から気になるものを鑑賞しに出掛けた(EJアニメシアター新宿)。通好みな映画館では、そういった感じのチラシが入手できるようであった。
2時間の中で短編集を上映していくのであるが、それぞれ味があって、一緒に鑑賞に出かけた娘と、どの点がどうだったとか、印象に残ったか、自分が監督だったらもっとこうした、などの品評をした。
私的には、ホラーといってもそこばかりに焦点をしぼるのではなく、映像的な美しさ、背景の風景や味わいの楽しみを取り入れたものがいい、と思った。例えばダリオ・アルジェントのサスペリア系にしても、建物や風景など、映像が素晴らしく、独特の世界があるのでとても深みがあってよいと思うからである。