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走る、かみつく、ひっかく、といったとてもアクティブな人形だが、その身元は忌まわしいストーリーに包まれた家族とその女の子だった。 |
人形が動いたら怖い、日本人形は見るからにミステリアス、かつ不気味な表情をたたえている、といった人形にまつわる怖いイメージ。このストーリーは、事実と作り話をうまく織り交ぜ、かなり怖い作品に仕上がっていると思った。人形に関する恐怖ミステリーで、事実とされている話もある。
日本では「お菊人形」、海外では「アナベル人形」が有名どころだろうか。人型をしたものにはやはり、霊が入り込みやすく、霊が入り込んだものにはやはり、超常現象が起きやすいということである。なので人形はあなどれない。そこに持ってきて不気味な演出が施されているので、気持ち悪さが増幅している作品となっている。
まずは、子供を事故で亡くした母親が精神的ショックをかかえ、骨とう品売り場で日本人形を買ってきてしまう。お直しをして洋服を着せ、本当の人間の子供であるかのように相手をするところがとても痛々しく、病的であった。そこからしてホラーである。第二子の出生で人形がいい加減に扱われ始めるが、第二子が5歳になるころ、人形とだんだん仲良しになるあたりから、いやな予感しかなかった。
子供にうらやむような発言をしたり?子供をひっかいたりと徐々に凶悪さを増していき、母親も恐怖を感じ始めたりする中、人形のお焚き上げ(失敗)、供養(ラストで失敗が判明)、と混とん感が増していく。人形がものすごい形相でポラロイドカメラに写っていたり、その体内には不幸の中死んでいった子供の遺骨が一体分埋め込まれていたり、と恐怖演出がたくさんちりばめられている。
夫婦が供養を終えた、と思ったはずが、帰宅したと思ったマンションでは、夫の母が「一週間連絡がとれていない」と言ったところから違和感がはっきりした。外気に触れた室内の花が急速に枯れたこと、最後の不気味な演出により、どう見てもハッピーエンドとはいいがたい。この夫婦はやはり、娘となった人形にだまされ、そのまま異世界で気づかずに暮らし始めてしまったのだろうか?という推測がされてくる。
-------おまけ-------
お菊人形
アナベル人形
世界のいわくつき人形