2020年1月26日日曜日

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2015)

2008年に起こった、リーマンショックを題材にした映画。

クリスチャン・ベールやブラッドピットのほかにも、ブレードランナー2049やラ・ラ・ランドに出演しているライアン・ゴズリングなど、豪華俳優陣が出ていた。

 数字ばかりを朴訥に追いかけ続けるベール、金融界の矛盾や悪を追求する姿勢のカレルなど、優良債権だと言われ続けたプライムローンに疑問を持ち始めた人たちがいた。

 無審査でガンガン住宅ローンを貸し付け、借りる側も、無条件で貸してくれるから何件も借りまくるという異常性、なぜかそれにAAAという評価がつけられ、債券価格が上昇を続けた。銀行も証券会社も債券販売の手数料が入るためにノリノリで販売を続ける中、暴落を視野に入れて空売りをはじめたベールに首をかしげていた。

 お金を返す、ということが賭け事の中身となった合成金融商品が大量に作られるらしい。金融のバブル性が指摘される作品であった。

2020年1月25日土曜日

オキュラス 怨霊鏡

数百年の間にこの鏡を所有した人たちが、みな不審な死をとげていた。呪いの鏡と知らずに鏡を購入したある家族にも、不幸が訪れる。母を射殺し、姉を殺そうとした父を射殺してしまった弟は、精神病院送りになる。

 アンティークな鏡は、なにか不思議な魔力をたたえているような感じがすることがある。そこから話を作ったのではないだろうか、という映画。

 鏡の怪奇現象を記録するべく、精神病院から退院した弟と協力しながら録画を続ける姉であったが、やがて起こりだした怪奇現象に取りつかれていく。

 リンゴを食べようとしたら、外した電球をかじり、口の中が血まみれに。と、思ったら幻覚で、口の中はなんともなかった。幻だと確信して刺した相手が、瀕死の重傷をおった恋人だったりと、何が何だかわからなくなり、パニックに落ちていく。

 そしてやはり、幻覚にだまされ、鏡を破壊するつもりだったのに姉をとうとう殺してしまった弟。
 そうなるまでに、不気味なゴーストたちの出現や、恐ろしい過去の記憶の再現を織り交ぜながら、恐怖感たっぷりに物語が進行し、かなり雰囲気の怖い映画に仕上がっていると思う。

 ゴーストたちも不気味だが、それよりも実際の人間が幻覚にとらわれて現実がわからなくなったり、本当の狂気に陥ってしまうところが恐ろしいと思える作品だった。

2020年1月10日金曜日

ナイトメア・シャーク

ラストシーンで出てきた?悪夢ザメ。本物っぽくないので、あまり怖さがない。

夢を見るとサメが出てきて追いかけられる、という「エルム街の悪夢」とサメパニックを掛け合わせたようなサメ&悪夢もの。

サメの悪夢を見続ける原因は、恐怖体験からくるものだという話からはじまり、悪夢研究学者?がネットで該当者を募り、治療をしていく。

サメばかりではなく、不気味な街の風景や、死んでしまった家族がゾンビのようなたたずまいで夢の冒頭に出てきたりと、演出上の構成はわりとよくできている。

研究学者がじつは、悪魔(サメ)崇拝のために、悪夢を見る若者たちをいけにえにする、というエピソードも夢だったりし、結局、治療が終わっておめでとう、という展開になる。

が、治療を終えた女性が、水を飲みたいわと台所に立ち、大きなコップに水を汲んだあたりから、何かありそうだという雰囲気がただよう。水を飲みながら、本人が大きなサメになってしまうのか、などの展開も予想したが、窓の外に海が広がり、上に張り付けた写真の風景が広がり、エンディングとなった。


2019年12月22日日曜日

デッドトリガー


格闘系マッチョのドルフ・ラングレンを主演において、なんとか体裁を保てた感じのB級映画、といった感じだろうか。

ゾンビの出し方がちょっととってつけた感が強すぎ、数人~十数人の塊を、今、放したところ?という演出の下手さを少し感じた。

世界的人気のスマホゲームが映画になったということで、題材的には理解できたが、演出的に少し安っぽさが目立ったことは否めない。

2019年12月15日日曜日

ゾンビランド・ダブルタップ


 第一作に続く続編だが、ゾンビの脅威・怖さ、日常がどんどん浸食されていく恐怖などについてはあまり感じさせなく、ひたすらゾンビをぶっとばせ、的なノリで映画がすすんでいき、とにかく軽いノリの映画であった。映画的には第一作のほうが新鮮味があって面白かった、という記憶がある。

 ウディ・ハレルソンを初めて映画で見たのはたしか、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」であったと思う。サウンド・トラックも買ったような記憶がある。(手元にはもうない)ずいぶんといいおじさんになった。やはり、ワイルドな役柄が似合うようである。





2019年12月5日木曜日

ドクター・スリープを観てきました


  往年の名作、「シャイニング」の続編である。この話には、人の生気を吸い取る、吸血鬼のような亜人のような者も登場し、シャイニングの持ち主を襲っていく話が前半エピソードとなっている。
 そしてシャイニングといえば、例の山のホテルが出てこないはずがない。亜人(仮名)を山のホテルへ誘い出して対峙することを決意する主人公。

1980年制作のシャイニング。主演のジャック・ニコルソンの常軌を逸した基地外ぶり、怪演ぶりがすばらしい。


 上記は、ホテルゴーストのうちの、双子の少女の亡霊。ほかにもバーテンダーのロイド、ホテルマン、237号室のバスタブばあさん、血の海のエレベーターホール、優雅な音楽漂うゴールデンホールなど、視覚的にも大変象徴的な画像が多く盛り込まれ、名作たるゆえんを感じさせる。(「シャイニング」)

 ダニーを演じるユアン・マクレガーさんは、人相だけで良い人感がにじみ出ており、好感しか持てないが、ストーリーの最後に死んでしまうのが残念だった。そして、一作目でジャック・ニコルソンが雪の迷路で凍死した後に、ゴールデンホールの集合写真にしっかり参加して映っているというエンディングだったため、ユアンさんも集合写真に飛び入り参加かと思ったが、今度こそホテルは焼失するという最期を迎えた。シリーズ化は難しいかもしれない。

 そして最後に、ユアンと同行していたシャイニングな少女、夕飯前にバスルームに向かうとバスタブおばあさんが待ち構えていたが、待っていましたとばかりに、部屋に入っていったのだが、どういうエンディングだったのだろう。おばあさんの出現にぎょっ、としたが、そこでエンディングとなってしまったので、展開はわからない。が、おそらく仲良く共存しているのか、ユアンのように脳内でボックスに閉じ込めるなどしてしまうのだろう。

 シャイニングの名場面やゴーストを一部載せておくことにする。
主人公を勇気づける?バーテンダー、ロイド。大変ダンディーである。

トイレの手洗い場で雑談を交わすようになったホテル従業員の男

ホラーゲームに出てきそうなワンシーン。少女の亡霊を避けることはできるのか。

おなじみ、血の海となるエレベータホール
 
ダニーが逃げ惑う道すがら、目が合ってしまった客室内の何か。

2019年12月1日日曜日

ザ・マミー(2017年メキシコ)


マミーといえばミイラだが、ミイラというよりは亡霊となった死者が、少女のまわりに出現し、怪現象が起こっていく話。

 物語の背景にはメキシコの麻薬戦争があり、20万人以上の死者と3万人以上の行方不明者が出ている事実があるそうである。
http://www.labornetjp.org/news/2018/0718negisi
(参考・外務省HPより)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2019T089.html#ad-image-0


 麻薬カルテルを牛耳るギャング団により、親を亡くし、家をなくし、ホームレスとなった少年少女たち。警察もギャング団と結託しているらしく、全く取り締まってくれない。
 ギャングの流れ弾に当たり、まだあどけない幼さのある仲間の男の子が、あっけなく死んでしまうのも、実話の流れを汲んでいると思われる。

 そんな中で、主人公である少女の母親、被害者の亡霊たちが復讐を望み、それを果たすという話。ホラーという面からみると、ベタな感じもするが、メキシコの麻薬をめぐる惨状を理解するには一つのヒントとなるのかもしれない。