2021年1月28日木曜日

ワールド・オブZ

レンタルで見飛ばす部類のB級映画。アマゾンレビューを見てしまったら、★が1.5だった。

「キネマ旬報社」データベースより)

人類に下された破滅と終末を描くゾンビアクション。突如、正体不明のウイルスに侵された地球。狂暴化した感染者が蔓延る“キル・ゾーン”に残されたふたりの男は、隠れていた姉妹と出会い行動を共にする。彼らは逃げ惑う中で、ある事実に気付き…。

凶暴化人間、いわゆる全力疾走型ゾンビ、たちから逃亡する男女4人。そのうちの軍人に対して執拗に敵対する男も現れる。話がすすんでいくうちに、軍人は、人間を実験台にしてウィルスを使用する法案を不正な手段を使って成立させた、と死の間際に自ら語った。狂人が権力を握るととんでもないことをしでかすというのが現代社会に当てはまるのかもしれない?というブラックユーモアを暗示しているかのようである。

大量の武器を所有して武力に物を言わせながらアジトを奪取してゾンビを制圧。また追ってきたら次のアジトへ逃亡と、きりがない感じである。その背景には御託を並べないでとっとと戦え、といわんばかりの軍人の圧力が影響しているのだが、ドラマ性はやや低く、ゾンビ慣れもあるかもしれないが、それほど新鮮味はない。4人のうち二人の男女が死に、残りの二人でもって亡くなった軍人を弔って砂漠に逃れていくらしいラスト。やっぱりと思っていたらやっぱりだったが、ボートに載せられた軍人が、最後に目を開いた。目の開き方がソフトすぎて、あまりゾンビぽくなかったが。
 

2021年1月27日水曜日

フェーズ6(2009年アメリカ)

 



コロナ時代の今、シャレにならない話ではあるが、以前から定評のある映画「コンテイジョン」や邦画「感染列島」、「アウトブレイク」「復活の日」など、ウィルスとの闘いを描いた作品は多数ある。

インドの天才少年、アビギャ・アナンド君の予言によるとすでに発生前からのコロナの出現は的中しており、人類の業が原因で発生したものなのだという話、続いて2月に入ると壊滅的な状況に陥るのだという情報を発信している人もいたり。それがワクチンによって救われるのかも不明。かたや陰謀論としてコロナは人工ウィルスだというのが証明できているという人もいたり、ワクチンも人口削減のための手段だ、といった話、自分が実際に立ち合ってつかみ取った情報ではないので、なんともわからない。

映画に戻るが、感染死したものと思われた車内の血まみれの男が、真っ赤な目をいきなり開けてつかみかかろうとしてきたりと、ゾンビ映画を予想させたりもしたが、そうでもなかった。また、埋葬の仕事中、感染死者の中に動いている人もいたが、それも黙殺されて荼毘に付してしまった、というゾンビ的な伏線もあったが、ゾンビ伏線はそれでおしまい。なんとも中途半端な内容だった。

車両故障とガソリンをめぐる利害関係のため、感染者の少女とその父親と同行することになった4人組の男女。車内に透明なビニールで仕切りをつくったが、やはりといえばやはりだが、そのうちの男女2名が感染してしまう。

中途半端な助け心を抱き、仕切りを外して手を差し伸べた女性だが、少女の吐血を体に浴びるという重大事故を起こす。そしてそれを皆に黙っているという悪質さ・身勝手さ。その恋人も彼女からだろうか、ソーシャルディスタンス皆無なふるまいの中で起こった感染だった。(マスクもその場で適当につけたりアゴ掛けしたり、使い方が雑。)

致死率100%の凶悪ウイルスの存在の中、各人のとったかなり大雑把なふるまいもさておき、感染者は車を降りてもらう、ガス欠になったら他の走行中の車を止めて強奪、などのかなり強硬なやり方をしながら話はすすんでいく。感染した子供と集団自決する医師(感染者)、縄張りをつくって銃で脅してきた建物の占拠者たち、部分部分の描写が雰囲気を出している。

結局、感染者となったお兄さんを弟が撃ち殺して焼いた後、ビーチまで同伴の女性と車でたどり着いて終わる。もう誰もいない、何も残っていないんだ・・、というセリフとともに終了。

オチも何もないのがむしろ現実的かもしれないが、もう少しくわしく砂浜から後の展開をイメージさせてからの終了が良かったような、ゾンビ伏線の話は何だったのだ、という感じの部分も合わせ、尻切れトンボ感のつよいエンディングとなった。

2021年1月23日土曜日

ウォール街(1987年)

 

三十数年前の映画で、マイケル・ダグラスもかなり若い感じである。チャーリー・シーンは映画「ネイビーシールズ」他などに出ているのは知っているが、彼が出演している作品をきちんと見るのは初めてかもしれない。

ウォール街に勤務する証券マン、というのはお金を稼ぐエリート部類なのかと思っていたが、普通に働いているとそうでもない?ということのようだった。証券業よりも、投資銀行の方に就職した方が儲かるのだろうか?

株で成功する=内部事情をつかんで誰よりも早く株の売り買いを進める者が勝ち、ということを大口出資者が一証券マンに話して、チャーリーシーン演じる証券マンが、どんどん大きな取引に手を出していく。が、父親の会社の買収後、会社が解体されることを知り、マイケル・ダグラスにたてつくことになり、敵対出資者を味方につけてやり返す。

コツコツ働いて会社を少しづつ大きくするという一般経営者がいるからこそ、世の中が発展していくのであるが、それを差し置いて、株を大量購入することで経営に口をはさむ大口出資者。

お金に物を言わせて赤字の会社を乗っ取り、再建するわけではなくその資産を売却して利益をぶんどるというのは、本当に冷酷でハゲタカのようなやり方だと思われる。が、日本のバブル以前からアメリカでは普通にある話だったのだろう。

2020年12月31日木曜日

日本沈没(2006年)

 藤岡弘主演の方は見ていない。こちらは豊川悦司さんの田所博士、草なぎ剛さんの小野寺が登場している。


日本列島は1年以内に沈没することが判明したが、パニックを避けるためにあと5年で沈没すると公表した政府。受け入れ先の外国との交渉も難航する中、国民に「何もしない選択」も、日本人としてはしっくりくる、と言った総理大臣。序章の展開は全部もっともで、将来の天変地異が起きるときには、期せずしてこれと似たような対応がされそうな気がする。

 現実の話として、30年以内にほぼ確実に起きそうな南海トラフや首都直下巨大地震、富士山の噴火など、壊滅的な予想がされている以上、日本と言う劣悪物件の上にあえて住んでいる、としか言えないのが悲しい。人によって機会があれば、コロナが過ぎ去ったあとの将来にでも移住を考えたほうがいいのだろうか。

1970年代のドラマDVDをレンタルしたことがあるが、年代が古いため画面が暗くおどろおどろしさもあり、なんとなく不気味に感じるシーンもあり、インパクトの強い作品であったが、主人公たちは生き残って世界に移住していく、というラスト。

こちらの映画はラストの展開が違っていた。多数の死者を出しながらも、小野寺の自己犠牲により地面プレートの爆破に成功し、地面がひきずりこまれるのを防ぎ、なんとか全沈没は免れた、という結びであった。

日本沈没を調べていたら、2021年の秋ごろに新しくドラマが放送される予定もあるようであり、ちょっとしゃれにならない感があるなと感じてしまった。もしかすると来たる現実に向けて、備えよという意図があるのだろうか。



AI崩壊

 


AIが暴走を始め、人間を選別しだしたとき、どんな展開が待ち受けているのかがまさに映画化されたものである。劇場公開当初、新型コロナが出始めたころだったので、映画館での観覧をとりやめ、自宅で観られるようになってからようやく観ることになった。

警察庁理事官を演じる岩田剛典、主人公の義理の弟を演じる賀来賢人、と主人公以外にも大変魅力的なキャラクターが脇を固めている。理事官を務める岩田さんのくそ憎らしいエリートの役が大変印象的だったので少々調べたところ、慶大卒のエグザイルメンバーだったということが判明した。芸能界も昨今は高学歴の人が増えてきているように見える。

主人公が海外で生活している間に、日本の国家が破綻し、労働人口の激減によって人間選別を行わない限りもうもたないのだ、と理事官が告白したが、これは将来の日本に当てはまるのではないかと、少しゾクリとした。


2020年11月30日月曜日

ロボコップ(1987年)

 リアルタイムで観たという記憶があるが、最近まで再放送をまじまじと見ることはなかった。この映画の背景には近年、少し改善されたらしいが、デトロイトという大変治安の悪いアメリカの都市での凶悪犯罪の数々が象徴されているようである。

 相棒警官の女性、ルイス巡査は、明らかにマドンナ枠でマーフィのフォローをするという役割であり、警官としてはほとんど役に立っていない。ギャングの巣窟に潜入した後にあっけなくすきを突かれて蹴り倒されて気絶、結果、マーフィが一人つかまって殺されてしまう、という結果をたどる。物語の進行上にはしかたのない演出だったかもしれないが、男女警官ペアのみでギャングのたまりどころに潜入するのはいかがなものか、というのは実際の場合に問題になりそうである。

 腕をライフルで吹き飛ばされ、ハチの巣状態で銃撃された後、脳天に一発、とどめをさされるという散々な状況の中で息絶えたマーフィー。

 表向きには死亡扱いとなったため、マーフィの家族が家を売り払い、移転していなくなってしまったのをマーフィが後から知ることになったシーンは、ちょっと悲しかった。
 が、ロボとして再生するまでのチューニングシーンは面白く描かれている。

 ギャングのリーダー、クラレンスもかけたメガネが逆に厭味ったらしい感じで、悪役な雰囲気がよく出ていた。
 が、個人的には私はポンコツロボのED209がお気に入りである。コマ送りアニメ撮影によるぎこちない動き、渋い、威嚇的な音声も不気味で、大変良い味が出ている。そして、階段の上り下りができない情けなさがなんとも言えない感じである。

 クラレンスたちの追跡劇の中、ギャング仲間が工場廃液でドロドロにとけてしまうシーンもあったが、クラレンス自身は、意外に首への一撃であっさりと死んでしまうのがちょっとあっけなかった。


ポンコツロボットのED209。初登場シーンでいきなり、無実の人をなぶり殺しにしてしまった。威圧感のものすごい、しぶい声がとても魅力的である。

劇中の報道番組の合間のCM。恐竜の仕上がりや動きは少しちゃちだが、大変ユーモアにあふれている。「大きいことはいいことだ」、といういかにもアメリカらしいコピーのついた、車のコマーシャル。だがそれは、広大な国土があるからこそであり、日本とは事情が違いすぎる。

 

2020年11月3日火曜日

ショーン・コネリーさんが亡くなりました。

映画界のレジェンド、ショーン・コネリーさんが90歳で亡くなられました。ご冥福をお祈りします。

 ジェームズボンドをやっていたころ、それはそれはかっこいい人だなあ、と感心してみていたものだった。長身で均整のとれたスタイルはもとより、表情もダンディでクールな感じがしていた。亡くなった父が、「今日は007やるから見よう」と、放送日の晩になるとそう言っていたのを覚えている。子供だった私もつられて見はしたものの、印象的なシーンはところどころ覚えてはいるものの、ストーリーの完全な把握は全くできていなかった。そんな中での ショーンさんであった。

 後年の印象は、アンタッチャブルでの老警官の役などである。最近になってから、昔の浜美枝さんががボンドガールをしたころのフィルムを見たりし、往年の007映画を再鑑賞してみた。昔の映画であるにかかわらず、このシリーズは古臭さをそう感じさせない、秀逸な作品だなあと感じた。


どこか皮肉な意思を感じさせる目が魅惑的


近年のショーンさん。間違いなくおじいさんだが、やはりかっこいい。