2021年4月26日月曜日

死霊のはらわた リターンズ(2015~2018年)

 

死霊のはらわたシリーズの主人公アッシュが、ふたたびドラマでの主人公を務める。

ホラーコメディで、エログロナンセンス系というのか、やはり下ネタも遠慮なく盛り込んでいるが、アッシュが死体安置所の死体の肛門から頭を突っ込まされる(腸が悪霊に取りつかれて化け物となったため)シーンなど、かなり笑わせられるシーンも満載である。

グロイけれども可笑しい、そんなノリである。シリーズの最初の展開によって人生を狂わされたアッシュが、人生の悲哀を訴えながらも仲間を得ながら悪霊退治のミッションをこなしていくストーリー。ユーモア・ナンセンス・グロ、主人公が大麻を吸ったり移民差別では?という発言もジョークでとばしたりと、常識から外れており、下品だとかそれはいけない、と言っている人には向いていないが、いろいろなエッセンスがあって観るに飽きなかった。1~シリーズ最終話まではそうとう長かったが、ネットフリックスで一気にみてしまった。



私は貝になりたい(2008年日本)

 

SMAP中居くんが主演。ひと昔前なので少々若い。

某邦画(幽霊は出てくるものの、コメディ系)を映画館に見に行ってからというもの、邦画は絶対にロードショーはいかないことにしている。映画が終わった後のさわやかさを全く得られないまま、どんよりとした後味しか得られず、代金を支払った対価を全く得られない不満だけが残ってしまったからである。

邦画というのは、海外映画のように巨額の制作資金が得られないため、アニメ以外だと、どうしても映画を見て旅に出るようなワクワク感が得られにくい作品ばかりになる。どうしても人の心の内面や、日常的なことに即した作品になったり、ちょっと想像した創作話でも、スケールが小さくなってしまいがちになったり、「そうだよね」みたいな内輪盛り上がりな感じのノリになったりと、当たり前すぎて感動量がものすごく小さいので、映画館での邦画とは、訣別しているのである。

したがって、こちらの映画も気にはなっていたものの、あらすじは大体わかってはいたものの、TVでしか見ないことにしていた。

本当は殺していないのに、捕虜の米兵を殺したという罪で戦犯に仕立て上げられ、奥さんが無罪のための署名をせっせと集めたにもかかわらず、とうとう絞首刑にされてしまったという話。殺していないから(はりつけ後に衰弱死)、「殺していません」ということを申し開きしなかったのだろうかと、そう言うシーンが見当たらなかったのであれっ、と思ったのだが、そこは大事なところではなかったのだろうか。そこは昔の日本人の奥ゆかしさであり、損なところだったのだろうか。

死刑になった主人公の、家族愛、生まれたばかりの幼子、奥さんが切り盛りする散髪屋、それらをみているうちに、無念のうちに死刑で死んでいくことがとても切なく感じられる。中居くんはちょっとお笑いの才能があるのか、どこかひょうきんな雰囲気もあって、そういった中でもあまりシリアスな雰囲気に包まれなかったのであるが。


2021年4月10日土曜日

ウォール・ストリート(2010年)

 

チャーリー・シーンが主演を務めた前作「ウォール街」の続編。今回は、シャイア・ラブーフさんがやり手証券マンを演じている。

 ある会社がその危機を同業他社や政府からの資金援助で倒産を免れたが、その時、たった一社だけ資金援助を断った。それを逆恨みして風説流布・株の空売りをしてその会社を追い詰め、社長を自殺に追いやった。犯人は、倒産しかけた投資顧問会社の悪徳社長。アメリカのウォール街は、なんと恐ろしいところなのか、実際の事件かどうかよりも、考えられる悪事だからこそ恐ろしい。

 証券業界、不動産業界、みんなお金を儲けようとしていて、特にウォールストリートの証券マンは、いくら稼いだらリタイアして悠々自適の人生を送るかを計算しているのだということだ。 たしかに知り合いの話で、リタイア後の資金で不動産購入し、事業を起こした、という話を聞いたことがある。(米国の証券会社の人)

 一方、クリーンエネルギー、無限エネルギーという理想的な技術を作っていく研究者に莫大な出資をしよう、というロマンというのか夢を追う人は少なく、自分が儲かるために、あまり将来性のないエネルギー資源(油)の会社に出資をして、目先の利益ばかりを追求しようとする業界人たち。なんだかがっかりする話である。そして2008年に起きたリーマンショックの話も、この映画の中で描かれている。

 服役を終えて世間に戻ったゲッコー(マイケル・ダグラス)、やはり金に汚いだけの亡者かとおもいきや、最後は主人公の夢をかなえ、娘の幸福を祈る人間らしい一面を見せ、ほっとしたエンディングとなった。

追いつめられて自殺した会社社長を演じた、若き日のフランク・ランジェラさん。映画「スフィンクス」で観た若い時の面影でピンときたが、やはりこの人だった。知的で気品がありつつ、どことなくメランコリックな影のある、二枚目俳優であった。観ていないが他に、「ドラキュラ」(1970年代)も代表的な出演作のようである。


2021年3月25日木曜日

疑惑(1982年 日本)

 

桃井かおりと岩下志麻の対決が見られる。

ずいぶん前に、こちらの映画をTVでやっていただろうか、ほぼ最後の方の映像の記憶しかないが、ワインのぶっかけ合いシーンと、最後のラストシーン、それがかなり印象に残ってしまっていて、いつか見ようと思っていた。

レンタルDVDのHPからだといつも貸し出し中になっていて(在庫がたんに無いだけでは?とうたぐってみたものの、さっぱり借りられず)、Youtubeで映画購入が可能な時代に入っていたのと、TVのBluetooth機能だろうか、YoutubeをTV画面で見られることから、視聴購入してTVで観ることができた。

九州で起きた「三億円保険金事件」をヒントに制作されたという映画である。球磨子=クマコ(桃井)の腐れ縁の元恋人役に、若かりしときの鹿賀丈史、新聞社の記者にやはり若かりし柄本明、今は千葉県知事となった森田健作などが出演している。

車が水中に転落し、資産家の夫は死亡、妻であるクマコのみが生き残った。クマコは暴行・傷害・恐喝・詐欺の前科4犯という曲者で、見たとおりのずうずうしさ、品のなさ、ヒステリックさ、「毒婦」そのものだった。当然、3億の保険金目当ての殺人だと疑われ、おそらく観客の心情も、映画内の世論やマスコミ、たぶん警察も、クマコに対して憎らしい、有罪にしてほしい、という気持ちで一致しそうである。

クマコが元恋人に不利な証言をされて追いつめられるものの、弁護士の律子(岩下)がその証言をひっくり返させたり、遺族の息子から父親が無理心中を考えていたことなどを引き出し、殺人ではないことを主張し、うまくクマコの無罪を勝ち取った。やり手の弁護士だが、観客としてはかなり残念である。

が、律子は仕事では敏腕弁護士として成功しているものの、プライベートではその反対で、あまりうまくいっていない。その無情さも描かれていて、ストーリーに深みを出している。

律子は離婚しており、元夫に引き取られた自分の子供に法律上、一か月に一度、会わせてもらうという取り決めをしていた。が、新しい奥さんに、もう子供は作らずこの子だけを本当の我が子として育てたい、もう会いに来ないでほしいと頭を下げられる。

 また、保険契約から1年以内の自殺の場合は保険金が下りないが、クマコはそれを不服とし、店に来た律子に、どうにか保険金が下りないかと相談を持ち掛けてきた。自身に都合の良いことばかり主張し、死んだ夫の命も軽んじるクマコを冷ややかに見つめる律子。(クール系美人の岩下さんは、冷徹な弁護士役にぴったりである)みんなあんたのことが大嫌いだよ、と言ってクマコがその純白スーツに、ボトルの赤ワインをドクドク、とかけていく。それに応戦し、律子もクマコの顔面にグラスワインをぶちまける。プライベートではまさに火花を散らす犬猿の仲だった。こんな女を助けるのが仕事だとは、弁護士も本当に大変であると思わされる。

桃井さんのあのけだるいしゃべり方も、まさにクマコの役柄にぴたりとはまって、「ビッチ、ズベ公、クズ」などのひどい言葉がぴったりなくらいの憎らしさを出すことに、天才的なものを感じる。ラストシーン、移動中の車窓に群がる見物人(事件がメディアですっかり有名になった)をしり目に、くわえタバコで(現在は車内禁煙)ニヤリと笑う姿。それが印象的すぎる。実はクマコは夫を殺しており、弁護士をだまして無罪となっているのではないか?と思うくらいの悪の笑みに見えてしまう。

邦画はあまり見ないが、印象に残る作品はやはり、感情移入力があり、すごいものがある。



2021年3月20日土曜日

ダイアナ

ナオミ・ワッツがダイアナを演じている。

 悲劇のプリンセス、ダイアナ。というイメージである。ダイアナさんの「結婚は二人の物ではなく、三人のものだった」つまり、カミラさんと皇太子がすでに人数に入っていたということだったのだろうか。カミラさんと不倫していたらしい皇太子。なんとか良い家庭を作ろうとしても皇太子とはかみ合わず、裏切られてしまった結果となったようだった。

どう考えてもカミラさんと初めから結婚していればよかったようだが、皇太子の優柔不断にカミラさんが業を煮やして先に結婚してしまったという話だが、なんとも情けない感じである。

それはさておき、この映画ではダイアナがパキスタン人医師と知り合って、皇太子とは築くことができなかった「本物の愛」を感じる恋愛をすることができた、ということにポイントを置いているようだった。それでも「世界一有名な女性」と「病院で心臓外科医として着実に毎日を生きている男」はお互いの都合が合致せず、一緒になることができなかった。

パパラッチにつきまとわれながら医師としての仕事に集中することができない、という個人感情や、自分のキャリアをダイアナによって勝手にすげかえられてしまうことへの不満、家族からの猛反対、といろいろな障害が立ちふさがって、愛しているという感情だけではどうしても結婚は無理だとの結論が出た。

ドディ・アルファイドとの恋愛は、ダイアナが、パパラッチからその医師を守るためにカモフラージュしたのでは?という推測がされる。わざわざスクープされるように自らパパラッチに居場所を教えたからである。

一度目の結婚では裏切られた感じ?で幸せになれず、離婚して次の恋愛で本当に好きになった人とは一緒になれず、最期はパパラッチから逃れるために車が事故を起こしたらしい報道があった。そのダイアナさんのもつ大変な美しさ華やかさ、一途さと、それでも幸せにはなれかった、どこか寂しい人生が相まって、悲劇のヒロイン的なイメージを感じさせる。


2021年3月16日火曜日

宇宙戦争(2005年アメリカ)

 

H.G.ウェルズ原作の映画のリメイク版で、トム・クルーズが主演している。

結末はそもそも、地球上のウィルスに感染した宇宙人が全滅してしまった、という話なので、成り行きは分かっていたが、巨大な歩くメカに追いまくられて、町も人も失われていく中を、車で逃げ、建物の地下に隠れたりしてなんとか生き延びる主人公。宇宙人のメカの威圧感、不気味な異音、ヘビのようなカメラ、不気味な宇宙人の姿、とどれも驚異的に描かれているのが見どころである。

アメリカの家庭でよくある話?で、離婚した夫婦が子供とは欠かさず面会しているような状況の中、父親には反抗的な息子、パニック障害持ち?の娘を連れてひたすら逃げるトムクルーズ。個性的な子供たちに振り回されながら、大変な努力で逃げまくる。

途中、見覚えのある俳優さんがいるなと思ったら、「ショーシャンクの空に」に出演していたティム・ロビンスさんであった。(ショーシャンクとは違い、感情的で攻撃的なおじさんの役を演じていた。)

2021年3月14日日曜日

ラスベガスをぶっつぶせ(2008年アメリカ)

 

華やかできらびやか、人々の欲望が渦巻くラスベガスカジノを舞台にしている。

ラスベガスは、アメリカのネバダ州の砂漠にある、きらびやかなナイトライフで有名なリゾート地であり、カジノをはじめ、様々なショーや噴水、テーマ別に建てられた数々のホテルと、観光地としても大変すばらしい場所である。ホテルの廊下もそれはそれは豪華で、歩くだけで感動するので、いつか是非とも再訪したい。

そこを舞台にカジノ荒らしをするストーリーなのだが、カードを「カウントする」という技を駆使して、チームを組んでポーカーで大金を稼ぐ主人公たち。違法ではないが、ルールとしてやってはならないことになっているらしく、バックでインチキをしていないか見張っているGメンたちの目にとまってしまう。

MIT(マサチューセッツ工科大学)に通う賢い学生である主人公は、頭脳を駆使して技を使い、ラスベガスのとりことなる。豪勢なホテルルーム、美しい彼女、豪勢なクラブ遊び、とラスベガスで夢のような経験をする。

そもそも彼は、入学予定のハーバード医科大学の学費が数千万かかるため、学費を稼ぎたいという目標のもと、賭博の道に走った。だが案の定、仲間割れをしたり、Gメンにはつかまるわ、卒業単位がパアになるわ、天井裏にかくしていた大金はごっそりと盗まれるわ、と心配していた通りの展開となった。が、Gメンとの裏取引や、「卓越した人生」を送ってきたことをアピールできたことにより、人生が好転する。