2016年5月11日水曜日

海外ドラマ・「将軍」

1980年代にTVドラマとして放映されたものである。船がたどり着いた日本の土地で、主人公のブラックソーンがさまざまな日本のしきたりに飲み込まれ、波乱にみちた日々を送っていく。

難破した先で、「海賊」扱いされ、早速捕らえられてしまい、さんざんな目にあう。仲間の死に耐えながらもやがて、上級武士に会い、取り立てられ、言葉の通訳者であるマリコ夫人に出会って相思相愛となる。が、マリコも誇り高い日本人として、物語の後半で死を選んでいくのが、悲しみを誘う。

封建社会の日本は、主人の命令は絶対である。あいさつをしなかったなどの無礼を行ったがために切り殺されるのは日常茶飯事で、主人の命を果たせなかったから切腹、という自殺を図ったり、日本人はすぐに殺したり死んだりするという異次元を目の当たりにする。

(劇中の倫理観)日本人は命をかけて、主人のいいつけを守らなくてはいけない。そして、自分の使命や立場に忠実に生き、それがなされないなら恥よりも誇りを、つまり死を選ぶのだ。自分のためではなく、主人や信条のために生きる日本人は誇り高く、死をおそれない。そこに日本人の美学があるのだ。
 なので、のびのびと、心の感じるままに素直に生きる欧米人の感性が付け入るスキがなく、彼らから見ると、非常に異質で、時には不気味にうつるのである。



若き日の島田陽子の清純な美しさ、三船敏郎の堂々とした殿様ぶりも見所である。他、宅間伸、目黒祐樹なども出演している。