2019年8月8日木曜日

シアター・ナイトメア


 映画館のアルバイト店員、しかもそこそこ高齢者で、仕事や待遇にいかにも不満をかかえてそうな感じで、その店員の悪だくみによって観客とアルバイトの上司がはめられ、命を奪われていくという話。(店員を演じているのは、「エルム街の悪夢」のフレディを演じている俳優だそうだ。)

 それにしても、このしょぼくれた店員の悪だくみを中心に話が進んでいくのが最初から不愉快な感じであった。
 飲み物に薬を入れて観客女性に飲ませるなど、はじめからやっていることが犯罪そのものである。さらに、プライドばかり高く、仕事に誠実に向き合わないために映像技師の仕事を外されたらしい。上司にそれを指摘されて逆恨みをする。

 最初から共感性のない主人公の目線で、物事が悪い方悪い方へ進んでいくのは、不快感を募らせる。物語からただよう、ねちっこい陰湿な感じが嫌で、終始ほとんど二倍速で見てしまった。
 結局、その店員が嫌っている上司(上司としてはすごくまっとうで、きちんと仕事面で努力しない彼を叱咤しただけ)と、観客の青年が策にはまって殺されてしまうが、この老人の制作映画のワンシーンとしておさめられてしまい、老人は映画をみながらほくそ笑む。そこがまた、イラッとした。
 魅力のかけらもない悪役(考えることは悪いことばかりのアルバイト老人)が、あたかも自分が神であるかのようにふるまい、しかも悪だくみが成功してしまうのは、非常に許せない感じがする。