2019年9月25日水曜日

ロケットマン

英国ロックバンド、クイーンの自伝映画で大ヒットとなった「ボヘミアン・ラプソディ」に引き続いて、エルトン・ジョンの自伝的映画となる。ボヘミアンラプソディは半年以上にわたる公開を続けたが、こちらは1か月ちょっと?ほどで公開終了になるのだろうか、俳優は確かにあまり本人に似ていなかったが、それほど悪い出来でもなかったと思うのだが。


 とにかく家庭が壊れすぎていて、夫婦関係の険悪さから子供への愛情を全くそそがない父母。そんな中で育ったエルトンは、ピアノ教師から国立音楽院へ推薦を受け、幸運にも恵まれて音楽の才能を開花させる。
 が、音楽の才能はあれど、ゲイでもあった彼は、本当の愛にいつまでも巡り合うことができず、むなしさから薬物・飲酒・買い物中毒に陥っていき、心身の健康を著しく損なっていく。

 子供時代の家族関係のつまづきは、後々まで大きな爪痕を残し、遠回しに子供の命を守れない結果になっていく。そういう意味では、エルトンの両親は、大変罪深い。(この映画とは関係ないが、拒食症・過食症の女性の場合、母娘関係のつまづきが多くみられることがあるそうである。)

 子供のころ、寂しさが募ったため、ハグしてほしい、と頼んだところ、父には甘えるなと冷たくあしらわれた。自分のハグを拒んだ父であったが、再婚後に生まれた腹違いの兄弟(子供)をいとおしそうに抱きかかえているのを、訪問したエルトンが帰り際に見てしまう。
 また、成人してから母に、ゲイだと告白したら、一生孤独な道を歩むことになるわよ、と冷たく言い放たれ、とてもかわいそうだった。どちらも自分の都合でしか子供を見ていない。本当にひどい両親である。

 が、まっすぐに歩いていきたいと思ったエルトン本人が、厚生施設?に入ってどうにか自分を立て直し、ゲイのパートナーを見つけて結ばれ、子育ても(養子?)がんばっているというしめくくりがあり、良かったと思う。