いわゆるドッペルゲンガーものかと思いきや、クローン人間が地底人化して生き続けていたという話。
実験とは無関係のはずの一般の人たちのクローンが、どうしてほぼ同年齢状態で、同じクローン同士、同じ家族形態で地底に存在しているのか?という現実的なツッコミを入れてしまうとほぼありえない話なので、半分オバケのようなものだと思って解釈したほうが良いようである。
とにかく、普通に暮らしているつもりでいた自分たちの分身が、個々の全員分、地下にいるのだが、ある時に決起して地上にやってきて、自分を抹殺して本人になり替わろうとする、という設定は不気味である。地底人はおおむね、ドラッグでもやっているのだろうか?知能が低下しているのか?というくらい言動が奇天烈な感じで人間離れしている。最後、主人公が実は、記憶を失った地底人で、なんとか殺したと思ったのが、本来地底人ではなく、地底に監禁されて復讐を誓った、本来の地上人であった、というオチがあった。