大人には見えず、子供にだけ見える、友人Zの姿を絵にしたもの。
映画的には良く作られているが、ネタとしては、ちょっと子供だましな感じもしなくもない。欧米によくありがちな、怪物の話であり、お化け屋敷感の強い作品になっている。
子供の想像によってつくられたとばかり思っていたZ、ところがそれは母親が子供時代に友達だったモンスター、Zであり、また母親の元に戻ろうとしていたということ。
ところどころに恐怖をあおるシーンがあり、母親が風呂場でZを一目見ようと瞑想した結果、おそろしい顔の化け物が目の前に現れたり、父親に襲い掛かる化け物の恐ろしい顔がどアップで画面に映し出されたりと、その場でびっくりする怖さはあるが、瞬間的な怖さで、とてもカラッとしている。
そのため、あまり心理的なインパクトはない。映画として心に残るものとしたらやはり、風景や情景などが視覚的に大きな印象を受けるようなものだったり、音楽などが印象的だったり、人類全体に波及するレベルの出来事だとか、近未来を予感させるもの、とか、自分をとりまく世界観を刺激するものの方が残りやすい感じである。(演出だの俳優だの、といった要素もなくはないが、まわりとの調和や、とても個人的な不確実要素で好き嫌いも起きてしまうため、やや要素としては弱くなる。)