感染の舞台は、病院内であった。 |
初めに感染の起きた病院から、ウイルスを盗み出した男がいたが、射殺され、ウィルスの瓶も道端に転がったまま放置されていた。そこを他の精神病院の患者が拾い上げて病院に持ち帰り、またその瓶を開けて次の感染を起こしてしまうという話。
眠らない・食べない、という異変を起こしながら徐々にゾンビ化する患者たち。一度欲望に駆られて人肉を食べると、心身共にゾンビになるらしい。そんな中、人間らしさを保とうと食べる欲望と戦い、正気を保とうとする数名もいた。
ゾンビとなっても今回のゾンビは、人語を話し、これまでの記憶や思いをそのまま引き継いで行動するところが他作と違っている。
官僚主義的な病院長、患者と打ち解け、良い理解者となっている病棟医師だったが、みんな感染してしまった。
そして、最後の部分が尻つぼみな展開となってしまったのは残念で、感染済みの女性患者がいつのまにか妊娠していてあっというまに臨月状態となり出産、という場面になったがその後どうなったかわからないこと。そして人間性を保ったままゾンビになっている人達のその後の状況も描かれないまま、映画が終わってしまったところである。せっかく特殊な設定にしてあるのに、物語の先が描かれない、なんとも中途半端な作品となった。