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凶悪でグロテスクな外見の、巨大昆虫的な狂暴生物。これが人類に友好的なはずがない。 |
おなじみエイリアン映画シリーズの第一作で、子供の時に映画館に父と兄とで観に行った記憶がある。その時の記憶は断片的ではあるものの、ケインの死亡シーンや、科学者アッシュが会社の作った人造人間で、乗組員を危険にさらしてでもエイリアンを地球に持ち帰ろうとし、最後に破壊されて焼却されたシーンは何となく覚えている。
後からの再放送や、エイリアン映画のとりことなったオタク人間の兄が所蔵するアメリカ産のアメコミ(漫画)、録画テープなどを見たりして記憶が定着し、あらすじはかなり頭に入った感じがする。コールドスリープ中に航路を大きく外れて救難信号をとらえに惑星に向かってしまっていた宇宙船ノストロモ号。危険に巻き込まれた場合、本来の貨物の輸送の仕事はどうするのだろうといういい加減さは感じたが、貨物輸送は実は、乗組員をだますためのカモフラージュだったのか?とも思ってしまう。実際問題は、道を外れた時用に燃料を余計に積まないといけなくなったり、リスクの方が大きくなるような気がする。
警告信号を発していたが却って、それをキャッチした船をおびき寄せているという、非常にありがた迷惑で不用意な仕掛けを作った被害者宇宙人。だが、これがないと物語が始まらない。ずらりと並んだエイリアンエッグから幼虫に襲われて意識不明、救助されて乗船という流れからのエイリアン誕生・逃亡。被害者ケインが苦しみぬいて胸をぶち破られ、エイリアンが船内に逃げていくシーンは、当初はとてもショッキングで衝撃的であった。
それからは怪物となったそれを捕まえようとして逆に殺されたり食べられて?しまう乗組員たち。たった一人残ったリプリーが宇宙船の自爆装置を起動する際、なんやらえらく面倒くさい手順を踏んでいくものだなあと思ったが、リアリティはなぜかとてもあったし、焦燥感を募らせる演出としてとてもありな感じで素直に見ていたが、装置起動も面倒でキャンセルも面倒なあげく、自爆停止に失敗するというかなり難ありのシステム。
宇宙船の人工知能「マザー」とはキーボード入力で問答を入力して行うが、パソコンの走りというのか、時代の先取り感がかなりあった。
脱出シャトルにエイリアンがちゃっかり乗り込んでいるのはすでに、全シリーズを通してのエイリアンあるあるになっている。初めての作品だったので、エイリアンがシャトルの一角に隠れていたことがわかった時の衝撃も大きく、えええ・・というショックを感じていた。言葉は発しないが、危機回避能力や察知本能はものすごいので、かなり手ごわい。最後はリプリーの工夫により、エイリアンの排除に成功した。コールドスリープにつくリプリーが、「眠りの森の美女」のような美しい感じで終わるラストシーンだったが、次作の2で始まる展開はあまり幸福感がない。(3もそうなのだが)