2019年11月25日月曜日

ラストマン 地球最後の男


 他のネット上のレビューも1~2くらいとかなり低いが、ストーリーや構成を考えると確かに質は高くなさそうである。WOWWOWで流れている映画でなんとなく録画して後から見たが、眠くなったら今日はここまで、という風に区切りながら見れたり、グダグダな感じのするところはずっと倍速で送り飛ばしながら見ることができたので、強いストレスは感じずに見れたと思う。テレビで映画を見るなら、今後もこの方法が最も良いだろう。

 そんな中でのこの映画の味わいどころというと、青白い照明とほの暗さに包まれた主人公の自宅の雰囲気。それと、戦場で助けられずに死亡した戦友の亡霊、途中まで、この人は幽霊なのでは?と思っていたのだが、会話の途中、あれから助けられたのだと本人が言い出して主人公も信じ始め、あれあれ?どっちだろうという疑心暗鬼にとらわれた部分、ここら辺であっただろうか。

 ラストマン、という題名があったので、もしや、この主人公をとりまく登場人物が、じつは全員亡霊だったとか、もしくは天変地異で死に絶えてから、この主人公が本当に最後の人類になり、他の人が亡霊化して周りを取り巻くのだろうか?とも思ったが、全くラストマンにはならなかったのである。(最後は恋人と二人でシェルターに避難して新しい生命を授かり、また、仲間との衛星電話もつながるという展開。この映画の題名は、全く意味をなしていない。)


2019年11月20日水曜日

ブライトバーン/恐怖の拡散者

裏スーパーマン、もしくは、ダークスーパーマン、ブラックスーパーマンと呼べるだろうか。

 子供ができなかった夫婦が、野山に落ちた隕石から拾った子供だったので、ブランドンはもともと宇宙人だったが、思春期を迎えた彼は自我に目覚め、とうとう人間をやめてしまい、残忍な方法で人々を殺し始めた。

 いきすぎた反抗期やその他の事情で親子が殺し合う、というのはまれに起こり、ニュースでも取り上げられているが、この物語はすでに人間同士の戦いではない。
 瞬間移動や怪力、飛行能力など、超能力が強すぎて人間とかけ離れてしまった。悪意と敵意を持ってしまった「ブラックスーパーマン」といったところか。
 一般論的に、ある日を境に人間と全く次元が違ってしまった場合、ちょっとむかついたから消してしまおう、と人によっては簡単にそう思ってしまうのだろうか?という恐怖感がある。

 子供が大人になって、冷静に自分の親を見つめることができるようになったとき、自分もそうであったが親にある失望を感じたり、反発を感じたりするのは時折あることである。が、そうではなく、この映画の両親は何も悪いところはなかったが、子供の悩みや本能をどうすることもできなくなり、子供が結局化け物になってしまったという話。

 そして最後のほうで「良い事をしたい」と良い心を見せかけた?少年に、宇宙船の破片を突き刺そうとした母親。この余計な行動がなければ、もしかすると双方が和解し、ハッピーエンドになっていたのだろうか?という感想も抱かせた。


 



2019年11月9日土曜日

イット THE END

イット・リメイク版の続編で完結編である。

 リメイク第一版は2年前であり、それから27年後の設定となるため、俳優はそれぞれ別人が演じているが、それぞれの子役のおもかげを感じさせる配役となっている。

 1作目で弟を亡くしたビルの成人後を演じる、Xメンの「エグゼビア教授」を演じていたジェームズ・マカヴォイさんを見て、途中までエグゼビア、エグゼビア・・、と頭で唱えていたが、そのうち物語のほうに引き込まれていった。

 イット出現により、現地にとどまっていたマイクに召集をかけられた「ルーサー」たち。集まることなく自殺してしまったスタンリー。それを倒さない限り、自分たちもスタンリーのようにあまり遠くないうちに死ぬだろうと予言するビバリーの警告によって、イットを倒すことになった。

 それぞれの思い出を呼び起こすために、一人一人になっている場面でのホラーシーンが怖い。排水溝で助けを呼ぶ弟。手を差し伸べてしまうビルにおそいかかる無数の黒い手。そのほか、ビバリーが訪問した元・実家にいた老婆が人間ではなく、背後をおかしな動作で動く姿が不気味であるなど、一人シーンでの恐怖が濃く演出されている。

 逆に、全員でそれに立ち向かうシーンは、ほとんど怪獣映画のようになってしまい、ドタバタ感が強かった。

  

2019年10月29日火曜日

アローン



 ある朝目覚めたら、家族はおろか、人っ子一人街にいなかったが、数人だけ少年少女が出会った。町はずれから押し寄せてくる黒雲から逃げ、矢を放つ危険で正体不明な追っ手から逃げながら、無線の声を頼りに皆で避難生活をしていく。

 豪華ホテルの滞在シーンは少し心躍る感じを演出しており、良い部分であるといえる。緊張の中の弛緩、逃亡系物語の中で、いつかは破壊されたり侵入者によって終わってしまうのだが、つかの間の安らぎを与えてくれるプチユートピア感は好きである。

 こちらも実は最後に、「主人公たちはすでに事故で死んでいた」という顛末を迎える作品であった。「主人公は死んでいた」物語は、他に知っているものだと、「シックス・センス」「アザーズ」「パッセンジャーズ(2008年)」などがある。







アクシデント(2017年)


 親に内緒でフェスのチケットをとり、さらに乗るはずだったバスをエスケープ、知り合いのフェリシア?を呼び出して車に乗せてもらおうとするゴーイングマイウェーなキャロライン。チケットがない!という嘘でジェスを驚かせ、バスから降ろし、バスが行ってしまった後で、フェリシアと連絡がとれない、というオチ。軽率で計画性がない。
 親と友人を出し抜いて自分勝手な計画を立て、頓挫させるトラブルメーカー・キャロライン。案の定、ヒッチハイクしていかがわしい黒い車の、いかにもナンパ目的な感じの二人連れにまんまとついていった。

 頭の軽い、ノリの軽い、アメリカン?な若い女の子のノリというなら、ありがちであるが、フェスはどうした?というくらいなんやら違うほう違うほうへ?(夜になってもちっとも目的地には着かない感じ)行き、後部座席で男と絡み合いそうなジェスたちに気をとられて運転の男がミスり(運転手としては全くダメダメ。しかも盗難車であった)、暗い夜の山道で、停車していた車に衝突して谷底に転落するという、最悪な状況に。巻き込まれたジェスにやや同情し、ほとんどキャロラインが悪いと言いたい感じである。と同時に、ヒッチハイクの怖さを感じた。(乗せる方も乗る方も、善人とは限らないため)

 そう面白いといえる内容ではなく、脱出できない中で、いろんな状況が悪くなるのを見ている気分の悪さや、得体のしれない追っ手に殺されそうになる恐怖で物語が進む。(喘息持ちのキャロラインの呼吸を助けるために気管切開?のどに穴をあけたりするあたり、出血多量で死ぬから普通はできないなあ、という謎を残したまま、どうやら呼吸できるようになったりなど。)

2019年10月26日土曜日

ホスティル


 世紀末の世界。化学兵器により人の変異した、異形のクリーチャーとの攻防を重ねながら、ヒロインが夫との出会いからこれまでのことを回想しつつ物語が進行していく。ヒロインも夫役の俳優も、ともに大変美男美女でナイスカップルである。

 不良少女であったヒロインが、必要以上に意地を張り、子供の死産を機に夫と破局を迎える。しかし最後に出会ったクリーチャーこそ、変異後の夫であった、というオチが待っており、気づいた彼女は一緒に自決の道をたどる。そういう意味では、これはホラーというよりも愛情の物語だったのだなあ、という感じがする。