2020年9月29日火曜日

半沢直樹が終わりました。

 

豪華俳優陣の名演技が大変に光った。

 数年前の第一作で、敵だと思われていた大和田役員(香川照之)や金融庁の黒崎(愛之助)が、表面上はいがみ合うふりをして、いつの間にか本作で味方になった心強さがある。それぞれ、左遷や免職の危機を味わったあとで、半沢の側についており、これまでの自分を顧みた結果のようであった。

 ストーリーは見ての通りだが、半沢を取り巻く味方を演じる俳優たち(賀来、尾上、及川ら)や、名脇役たちも光っており、一つの良い作品となったと思う。大臣を演じた江口のりこさんも最近人気の俳優さんで、「事故物件」の映画の終盤で怪死をとげる不動産屋社員を演じている。幹事長を演じた柄本明さんもさすがであった。アンジャッシュの児嶋も、ボケをかましそうな感じをだしながらも、朴訥な秘書の役をこなしていた。

 最後に半沢の退職を引き留めた大和田の大芝居。半沢の気持ちをけなし、こんな銀行なんかつぶれてしまうぞ、と半沢のやる気に火をつけることに成功した。表面上は敵同士だが、大和田の愛情を感じるのであった。もちろんそれに気づいている半沢、にっこりして完結。というしめくくりだった。

2020年9月14日月曜日

クロール-凶暴領域-

 


 巨大ハリケーンに襲われたフロリダ。フロリダと言えば、ワニである。フロリダワニ園のワニは、5~6m以上あるかと思われ、ちょっとした恐竜のようである。日本のワニよりもずっと巨大でデップリとしたボリュームで、まちがっても一緒に泳ぎたくない類である。

 この話では、被災したと思われる父親を捜しに娘が救出に向かう。すでにワニが出現して襲われ、倒れていた父親。やがてワニに囲まれて地下室からの脱出も難しくなり、水かさも増してプールとなってしまった。この父娘以外の登場人物はほとんどワニに食い殺されてしまうというショッキングなものだが、ワニの数がとても多く、父娘が助かったのは映画ならでは、という感じである。

 父娘が絆を確かめ合いながら死と隣り合わせに・・、この展開はかつての映画「ディープ・インパクト」を思い出させるものがあった。テレビ局女性キャスター、ジェニー・ラーナーは、地球が惑星衝突で危機に瀕した中、箱舟メンバーとして選ばれ、安全な避難を約束された身だった。が、特権を放棄し、海辺の家へ向かい、断絶していた父親に会って絆を取り戻し、抱き締め合いながら津波にのまれていくという、もの悲しい展開である。

 こちらの作品も、二次災害は必至であり、危険だからわざわざ助けに行くべきではないというのは分かりすぎているのに、娘がけんかで疎遠になっていた父親のもとへ向かい、ともに助け合いながら生死のはざまで戦っていくのであった。自殺ともいえる救出行動だったので、これを思い出したのである。

 映画内の話だが、重大な局面を迎えた時ほど、身の危険を無視してでも、自分への許し、人生的な許しを求める行動をとりたくなる、というガンコ娘?のパターンなのだろうか。

 それにしても父親は体をかみつかれ、腕を食いちぎられ、娘は足、腕をかみつかれ、水中で振り回されと、本当だったら助からない襲われ方をしているが、観客へのサービスとしてたくさん見せ場を作ってくれたのかもしれない。

 付け足し・・せっかく地下室から抜け出せたのに、家の高いところに上らず、堤防が決壊するから通り向かいのボートに乗ろうと提案した父親。 うようよ泳ぐワニを振り払い(現実だったら無理)、乗船に成功した。そして決壊の大水が来れば転覆・大破の危険があるから舟は本当にやめた方がいいと思うが、家の中に押し流されて逆戻りし、船もひっくり返ってしまう。「ボートに乗ろう」と言っていたあたりから、エッ、と思ったが、完全に判断ミス。が、そのあとの展開でワニ恐怖シーンがさらに展開するので、これがなくてはいけなかったのだろう。



2020年9月11日金曜日

「事故物件 恐い間取り」を観てきました

 


 コロナ騒動のために怖くなって年明け1度くらいしか映画館に行っていなかったが、子供からのリクエストもあり、一緒に見に行くことにした。

 ビル管理法と興行場法の基準を満たし、感染防止管理をきちんと行っています、ということで、それをうのみにしないにしても、感染者が発生していなさそうだという判断をして、行くことにした。

 こちらも借家住まいなので、事故物件のことには「大島てる」なども閲覧してアンテナを張っているが、自宅に関してはそういう該当はないものの、ナイターで観覧したので、恐怖感が深まってしまいそうであった。

 松原タニシ、という実際に事故物件に住んでいる芸人の話を映画化したものだが、やはり事故物件に住みまくって何も起こらないわけではなさそうである。世の中、科学では説明のつかないことは普通にある気がする。いやな予感がする、とか、ピンとくる、とか、頭の中にやけに浮かんでくる、などといった第六感的なものもそうだし、そこにかかわったがために事故・病気などの災難に見舞われる、というのはやはり、科学では説明がつかない。触らぬ神にたたりなし、としか言えない。

 私が実際に聞いた話は何年も前にブログで書いたが、賃貸物件で広さがあるわりに異様に賃料が安いために理由をきいたところ、やはり事故物件で、それを小馬鹿にして住んだ人にも災いがふりかかり、無事ではすまなかったらしく、結局空き家になってしまった、という後日談を不動産業者からきいた話である。(地方の物件)

 本編の話に戻る。気が付くと事故物件の部屋で自殺しそうになっていたり、人がいないのに玄関のチャイムが鳴ったり声が聞こえる、などの事件から、幽霊オールスター出没・大乱闘にまでことが大きくなってしまい、怖いながらもドタバタ感もあった。そしてクライマックスではラスボスのようなもの(死神的な)がやってきて、お札もきかず、大変なピンチを迎え、仲間に助けられてようやく命をとりとめた。が、後日、物件を紹介してくれた不動産屋の女性が奇怪な事故死をするなど、最後まで安心させないオチがあった。

 

2020年8月23日日曜日

人面魚(2018年台湾)

  20年以上前にポケットビスケッツというユニットで日本で活躍していたビビアン・スーが出演している。人面魚、というよりも「大悪霊」、というタイトルのほうが合っている気がした。強力な悪霊がいろんなものに取りついて鬼に変化し、人々に襲い掛かるからである。

 エクソシスト的な役割を果たす役の俳優が、西島秀俊系の俳優を思い出させる顔であった。それはさておき、ビビアン・スーが悪霊に取りつかれてからの顔が、あまりに怖すぎて印象的だった。ゾンビ映画にもそのまま出演できそうな感じである。

悪魔にまだ変身していないときの顔だが、それですらすでに怖い。


2020年8月19日水曜日

ターミネーター4(2009年)

 

ジョン・コナー役を有名俳優のクリスチャン・ベールが演じている。他には、レジスタンスの女性たちにきれいどころを揃えた、といった感じだろうか。

タイトルだけで十分魅力的なのでもちろん、公開時にはロードショーを観覧したが、ストーリーのインパクトとしては、いまいち??WOWWOW放送での今回の鑑賞まで内容をほとんど忘れたまま、10年ほどほったらかしにしていた。

 ターミネーターというくらいなのだから、人型サイボーグT-800シリーズの骸骨のようなメタル骨格のおどろおどろしさは、見どころでもあり、毎回披露されなければいけない。(お約束のようなもの)

なので、1作目から何十年たっても、ターミネーターの世界の中では、戦乱が解決してはいけないのである。スカイネットの誕生を阻止しようとしたり、1作ごとに人類の敵を葬ろうとも、常に敵がタイムワープをしかけてきて、人類存続のキーマンを抹殺しにやって来るのである。 が、阻止がうまくいっているのにもかかわらず、ターミネーターが未来からやってくるのはどういうことなのだろうか。

 本作はターミネーター候補を極秘に作り、未来にもっていこうとする意図を持つ者が登場しているので、スカイネット阻止は難しいぞという伏線になるだろうか。人類抵抗軍にしのびこませて、ジョン、カイルなどの重要人物の抹殺をねらったものだが、メタルボディになったものの、本人の人間性が奪われず、最後までジョン・コナーの味方として命を助けた、という話となったが。

 作品的には少々その場しのぎ的な、1話完結の付け足し感を感じずにはいられないが、娯楽作品としては、俳優の力を借りてなんとか仕上がったというところかもしれない。

 追記:本作の味わいどころは、追いかけてくる巨大ロボットや敵基地内メカから発する不気味な音(ブービー音?)、不気味なバイク型ターミネーターのシーンだと思った。と、考えると、メカファンにとっては見どころの多い映画なのかもしれない。

追いかけてくるとなかなか怖い、モト・ターミネーター



2020年8月17日月曜日

ターミネーター3(2003年)

 

ジョン・コナー役の俳優さんの外見に、言いたい放題の、ずいぶんと酷いイチャモンをつけてみた。顔をやたらと暑苦しく感じさせるゲジゲジ眉毛。目元はかなり少年ぽい雰囲気の童顔だが、若いのにやけに広く、早々に禿げ上がりそうな予感のする額。顔がやせていてややハリに欠け、早々にほうれい線の出てきそうな、頬。清潔感に欠ける、うっすらと生えた無精ひげ。役柄上の演出もあると思うが、顔相的に貧相さが目立ち、包容力のあまりなさそうな、頼りなさそうな風貌。ジョン・コナーを演じる俳優さんの外見が、個人的に役柄に求めてしまっている好みの正反対だった、という個人的すぎるイチャモンがあり、大変申し訳なく思った。(追記:実はこの俳優さんがやせ細りすぎて貧相だ、と他の人からも言われていたようである。ドラッグ中毒があったり、健康状態があまり良くなかったのかもしれない。)

 一方、完璧な美貌とスタイルをもつ、新型ターミネーターを演じた女優さんがあまりにもきれいすぎて、むしろこの役にはもったいない感じもしたが、以降の出演作と比べると、この映画が代表作のひとつとなっただろうか。

 婚約者を殺されたケイトとジョンの運命は思わぬ方向に流れていき、止められると思った核戦争は止められず、シュワ演じるT-850式ロボットの任務は、二人を生存させることのみであった。

 誘導されてたどり着いた目的の基地が、じつは二人のための核シェルターで、他の人類の大部分はは結局核でやられてしまう、というオチであった。ここでもやはり、ホラー的な要素を感じた。結果として起こる、人類の死滅と、核シェルターがエジプトのピラミッドの内部を思い出させるような、お墓のような雰囲気を感じさせ、とても孤独感を深める気がするのである。

(追記:)見どころの一つとして、シュワとターミネーターの放り投げ合戦が面白い。大男であるシュワちゃんが軽々とふっとんで壁だの天井だのに刺さり、ターミネーターも同じくそんな状態となる取っ組み合いに、なんやら面白みを感じた。




ターミネーター2(1991年)

 

2からはシュワちゃんは、いい人で味方役に転じた。理由はやはり、彼の人気が高まり、悪役のままだと倒されて終わってしまい、続作に登場させにくくなってしまうからなのではないだろうか。

 いい人になった途端、敵役のロボットは彼をしのぐ強力なタイプがやってきて、絶体絶命のピンチに陥る、というパターン。新型ターミネーターは、液体金属でできていて、銃撃しても全く壊れない、という恐ろしいしぶとさを持つ。

 最後にT-800であるシュワちゃんはコナー親子に惜しまれながら、ロボットが再度作られないように自身に内臓されているチップを破壊すべく、溶鉱炉の中へ消えていき、観る人をしんみりさせた。

 サラ・コナーを演じるリンダ・ハミルトンさんは、自身の体を強化し、シェイプアップした筋肉美のボディを披露し、したたかな強い女性を演じた。少年役のエドワード・ファーロングさんは、美少年として一世を風靡したが、その後の彼の状況は残念なことに薬物や飲酒におぼれ、精神的にもすさみ、太って老け、顔つきも不健康になって容貌が衰え、多くの人たちに失望された模様だが、心の問題を解決してどうにか立ち直って欲しい。

 この映画にホラー要素を感じるのは、最終核戦争によって人々が死滅するのを、サラ・コナーが何度も夢に見る、その情景である。爆弾が落ちて炸裂し、ものすごい熱線が外で子供を遊ばせている家族を襲う。みんなに爆弾が来るから逃げて、と警告にかけつけたサラも炎に包まれて、ワァーーーー!と悲鳴をあげて炎に包まれ、その場にいた全員が数千度以上の熱にさらされて発火する。

 ホラーは、造り話のものと、ある物事の結果として当然起こりうる悲劇や恐怖をえぐりだしたものとあるが、後者のほうが怖い。作り話はあくまでも作り話で、その場でしか怖くない感じがするのである。が、事実起こりえることから描いた恐怖は、本物の事実だから怖い。75年前に広島・長崎で原爆が落とされ、数千度の熱で大勢の人が焼かれたのだから、核爆弾を投下した結果は、必ず起こる事実である。