2024年1月12日金曜日

エイリアン3(1992年)

 

今回は丸刈り姿のリプリーが見られる。が、均整がとれた容姿が美しいのでやはり見栄えがする。

 第三作の舞台は、宇宙の流刑地であった。第二作で交流のあった者たちが、エイリアンの幼虫が脱出船内で起こした事故のせいで、次々と死んでしまった。仲間のヒックス、必死でかばった少女ニュート、あれだけ希望に満ちたきずなや交流のあった後だっただけに、これはかなり冷酷な運命の流れであった。人造人間のビショップも修復不可能に近い故障状態となり、主人公リプリーだけが軽傷で流刑地に流れ着いた。

 女性のいない禁欲を強いられた刑務所で、彼女に奇異の目を向ける受刑者たち。そこで傷の手当てをしてくれた医師と恋仲になるが、墜落船から出て牛に寄生して生まれたエイリアンに、その医師は殺されてしまう。今回は、良い人もあっけなく殺されてしまう展開。

 今回も、悪徳なユタニ社がからんできて、囚人たちの身の安全よりも、エイリアンの標本を手に入れようとする冷酷な姿勢を示してきた。エイリアンを連れて帰ることは地球の滅亡を招くと確信しているリプリーは、すでに生まれて暴れているエイリアンを殺戮したあと、自らも女王の幼体を体に寄生させられているのを知っており、溶鉱炉に身を投じた。

 細かい部分は、ビショップそっくりなユタニ社の設計者を名乗る男が、リプリーに嘘をついて摘出手術を受けるようにすすめてきて、ビショップが前作とは正反対に悪側になっている点、エイリアンの倒し方が面白かった点。溶けた鉛を大量にエイリアンにかけて沈めたにもかかわらず、全く死なずにとびかかってきた脅威。そこで機転をきかせてスプリンクラーの水をかけて冷却することで、温度差で粉々に砕いて殺すことができたという点に、なるほどと思った。

 舞台が殺伐として暗く、囚人の男たちばかりの世界が、今回は暗い感じのイメージである。明かりも乏しい中、爆弾を誤爆・引火して周辺の爆発を起こした明かり、オレンジ色に照らされた通路の風景が逆に、この舞台ではハイライト的で比較的明るい色彩感がした。