2021年6月21日月曜日

闇金「ウシジマくん」(2012年)

 

原作の漫画を読んだことがあるが、ウシジマくんは、コワモテ顔の見上げるような大男であるイメージがあるが、そのイメージにピタリと一致する俳優さんが、なかなかいなさそうである。やや小柄で、本人は優しそうな雰囲気もあるが、山田孝之が好演している。

林遣都がお金に追われてばかりのイベント会社代表を、大島優子が、体を売ることでしか生計を立てられないふしだらな母親をもつ女の子を演じている。

闇金は犯罪であり、借金の取り立て行為や債務者に課すペナルティも違法行為だとされるが、それでもそこから抜け出せない人たちの苦悩やひどい目にあっている様を見ると、ブラックで暗い、恐ろしい気がしてくる。そういう意味ではある種のホラーである。



2021年6月12日土曜日

すべての終わり

 

主演のテオ・ジャームズさん(右)は、ダイバージェントで教官役を演じた、好青年度が高い人である。

大地震・大停電で音信不通となったアメリカ国内。その中を無謀にも、娘を見捨てておけない、と自宅を出て車で検問所を突破してまで探しに出る父と、それと同行する婚約者。

無法地帯と化してしまった行く先々、ガソリンを奪い合ったりと、銃を向けあう危険の中、鹿をよけそこなって事故を起こし、肺に傷を負ったあげく、父親はなくなってしまう。最初から家を出るのは危険だという雰囲気がプンプンだったのだが、無謀な行いがとうとうわざわいしてしまった。

婚約者を見つける主人公だが、ラストシーンで後ろから火山の巨大な噴煙が追いかけてくる。車を走らせて逃げるにも、どうなるのやら、と思わせておいて物語が終わってしまう。ストーリー展開が面白くないわけではないが、最後がちょっと尻切れトンボすぎる作品だった。

2021年6月1日火曜日

アーミーオブザデッド(2021年)

 

賞金狙いの猛者が集まり、ゾンビだらけのラスベガスホテルにある金庫破りに挑む。

舞台はラスベガス。賞金の出資者は、真田広之演じる「タナカ」で、ホテルにある金庫から金を持ち出して来たら、数十億ものお金を受け取ることができる、という話。真田広之もハリウッドに渡ってなかなかの貫録をつけ、悪役感もよく出てきている。

賞金稼ぎのチームリーダーを演じているおじさん(写真右)、身長もかなり高そうだが、ごついパワフル感があると思ったら、プロレスラーをしていた人のようである。あるきっかけから、自分の娘も危険な計画に参加させることになった。(中央・白っぽいタンクトップの女性)

チームに無法者の裏切り者が複数おり、その罠にはめられて仲間の女性が死んでしまったり、取引することでうまく難を逃れようとしていたのに、自身の都合でゾンビの首を奪うという、自己中男の傍若無人ぶり。

ゾンビ王とゾンビクイーンなるものが現れ(なんだか無茶苦茶感が)知能もあり、ほかのゾンビを束ねる統率力をもつ。クイーンの首を奪ったために怒ったゾンビ王に襲われ、皆殺されていく。そして娘を除く全員が結局ゾンビ化か死亡、といった末路をたどる。チームメンバーがダメすぎるとすべてがおじゃんに、という残念なパターンの典型である。

結局、仲間も死んで、戦闘によって持っていた札束も方々に散ってしまい、手元に残ったのは、お父さんが娘のために隠し持っていた、ほんの数千ドル?だけであった。お父さんも最期は娘との夢を語り合いながら、すでに死ぬ運命にあった。


飢えた侵略者

 いわゆるゾンビものだが、作品によってかなり雰囲気が変わるという、こちらも独特の雰囲気が流れている。


誰が積み上げたのかすらもわからない、椅子だらけのタワー。それをただただ、不動の姿勢で眺めて突っ立っているゾンビたち。ゾンビのたまり場=家的なものなのだろう。生者が近づくと、異様な奇声を張り上げて、仲間を呼ぶ。

なんでそんな危ないと分かり切ったことをするのだろう、などといった意味不明の行動や判断を展開しつつも、田舎の村と森林の中を逃げていく男女。ゾンビの数が圧倒的に多すぎて、どこに隠れても侵入されてしまう。余りに田舎すぎて、ビルディングなどもなく、あまりにもやわい木造の古い民家にしか、身を隠す場所がないのである。一人、また一人と襲われ、人数を減らしていく仲間たち。

とうとう少女一人になってしまったが、道中、レースカー(不思議すぎる)の男と出会い、一緒に乗って先へ逃げていくラスト。その先の見通しは、さっぱり読めない。

が、ストーリーがどうというよりも、必死の逃亡ではあったが、農村や野山を駆け回るという旅の世界を味わえたような、そんな感じを残した作品である。

2021年5月22日土曜日

#生きている(2020年 韓国)

 


韓国のゾンビサバイバル映画。舞台の中心は、主人公の住居で籠城先となった自宅のマンションである。

たった一人でゾンビの危険を避けて毎日を過ごすうちに、みんな死んでしまったのだという孤独感に襲われ、自殺を図るも、向かいの部屋に住む女性の存在に気づき、やりとりをしながらも一緒に生き延びて逃げよう、という目標に向かうことになった。

ゾンビのメイクがどの程度の完成度かよく観察してみたが、よくできていてリアルであり、韓国映画のメイクのレベルは高いと思われる。


カーゴ


 

ジャンル的にはゾンビものなのだが、広い大地をめぐっていく旅物語的なものを感じた。

川を下る家型のいかだに乗った三人家族、夫婦と赤ちゃんだったが、お父さんが無口でシャイすぎる感じで、食料を取りに行ったボートにあやしい気配があったことを奥さんに言わなかった。奥さんも奥さんで、ノコノコと同じボートに行ったあげく襲われて感染してしまうが、そこから物語は展開していく。

夫は奥さんを捨ててまで先に進めない、と言い張って結局、車で病院に行くことにしたが、結局奥さんがゾンビになり、夫がかみ傷を負わされて感染。登場人物の精神的な?未熟さが大変もどかしい感じである。

そこから逃れて病院をめざすがろくな治療も受けれず、そこを離れるも荒廃した大地が大きく広がり、アフリカのサバンナかと思ったら、オーストラリアだという設定のようだった。

先住民アボリジニ系?の人たちが住む地域、横暴な白人男や先住民系の少女などとのかかわりあいを持ちながら、赤子を自分の代わりに世話してくれる人を求めていく夫の旅が描かれている。ゾンビになっていくタイムリミットに追われ、ゾンビにも追われる中、大自然に囲まれた世界観が、癒しを感じさせていると思う。


青鬼 ver.2(2015年)

 

くそ真面目そうなオタクキャラを演じるのは中川大志さんであった。(福士蒼汰にそっくりだと思っていたが、やはり巷でもそう思われているらしいが)この役ではとてもよくメガネが似合っていて好青年である。

ゲームの世界が現実となっておそいかかってくる。ゲームプログラミングをした男子が廃屋に迷い込んだ同級生たちに、ゲームリセットの方法を教えることで完全脱出を図る。ここで記憶までリセットされなくてよかったと思う。(また廃屋に入ってしまい、青鬼に殺されてしまうからである)。